転職口コミサイトとは?その信憑性と削除&開示請求の方法

  • 2018.03.05
転職口コミサイトとは?その信憑性と削除&開示請求の方法

 インターネットの普及によって、‘企業の労働環境の実態’が表面化してきたとも言える現代。近年では、大手広告代理店の過労死がニュースになり、企業の労働に対する考え方に注目が集まっています。

 これまでベールに包まれていた企業の労働問題の実態は、現在は「転職口コミサイト」からも見ることができます。

転職口コミサイトとは?

 転職口コミサイトとは、就職や転職を希望する人が、求人に応募、面接を受ける際に、その企業の労働環境などを知ることができる口コミサイトです。

 口コミを書き込む人は、その企業の現役従業員、元従業員などです。したがって、現場のリアルな声が書き込まれているサイトとも言えるでしょう。

 いわゆるブラック企業は、自社のホームページに「うちはブラック企業です」とは書き込みません。
 求職者にとっては、就職や就職した未来を予想できる便利なツールとなっています。

主な転職口コミサイト

 現在、ネット上には複数の転職口コミサイトが存在します。今回は、その中でも人気の4つのサイトをそれぞれご紹介します。

転職会議

 転職会議は、株式会社リブセンスが運営しているサイトです。同社は、求人サイト「ジョブセンス」を運営していることでも知られています。

 就職や転職希望者向けて、企業の評判や社風、年収についての口コミが多数掲載されています。また、面接事例もあり、求職者の企業研究に適したサイトです。

 会員登録は無料で、ユーザーからの書込みは、会員登録をすると閲覧することができます。書込みも同様に登録が必要です。

転職会議

カイシャの評判

 カイシャの評判は、エン・ジャパン株式会社が運営するサイトで、求人情報サイトの「エン転職」なども手がけています。

 一日あたりの平均勤務時間、回答者の平均年収、福利厚生の満足度など、入社後を想定しやすい項目で、口コミがメリット・デメリットで別れて掲載されています。
 見やすく、分かりやすいことが特徴のサイトで、短時間で多くの情報を仕入れることができます。

 無料で会員登録をしなくても全ての口コミを見ることが可能です。

カイシャの評判

Vorkers

 転職口コミサイトの老舗ともいわれるVorkers。求人サイトと並行して口コミサイトを運営する企業が多い中、単体で事業を行う株式会社ヴォーカーズが運営しています。

 無料で会員登録をした後に、口コミを見ることができます。口コミは、職種ごとに別れて掲載されているので、職場に密着した声を知ることができます。

Vorkers

キャリコネ

 キャリコネは、株式会社グローバルウエイが運営するサイトです。

 企業の社風や給与、社内の恋愛事情まで、さまざまな口コミが掲載されています。また、口コミを元に作られた給与明細などもあり、上記の3サイトに比べユニークな印象を持ちます。

 口コミは会員登録をすると見ることができます。登録は無料です。

キャリコネ

全て正しいとは言えない?口コミサイトのユーザー層

 転職や就職は、人生の中でも大きな転機となります。就職活動中は、誰もが後悔しない就職先を探したいと考えることでしょう。そこで活用したい転職口コミサイトですが、書き込まれる内容は、本当に信用していいもだと言えるでしょうか?

口コミの偏り

 転職口コミサイトのユーザーは、就職や転職を希望している人たちです。そして、サイトに書込みをする現役の従業員、元従業員ですが、その人たちは転職を考えているから、転職口コミ際のユーザーになっていると考えることができます。
つまり、生涯をその会社で勤めようという愛社精神がない人たちによる投稿していると言えるのではないでしょすか。

 会社を辞めようとしている、既に辞めてしまった人は、その会社に何かしらの不満がある可能性があります。すると、書込み内容は偏ったものになってしまうことが危惧されます。

誹謗中傷する書き込みと風評被害

 転職口コミサイトの書込みの中には、企業を誹謗中傷する内容も存在します。
 例えば、「社内ではパワハラが横行している」「セクハラや不倫をしている人がいる」「長時間の残業が当たり前」など、デメリットだけを挙げる投稿も少なくありません。

 

誹謗中傷が原因で採用活動に影響も

 誹謗中傷する書込みをされたせいで採用活動に支障がでる場合もあります。

■求人への応募が集まらない

■内定を出した人が、突然に辞退をしてしまう

 上記のようなことが続くと、企業としては大きな問題となります。

 情報化社会と言える現代で求職者は、入社前にどんな企業かをネットなどで調べることができます。その際、希望する企業が転職口コミサイトで「ブラック企業」とされていたら、入社を迷ってしまうことでしょう。

 このようなことを避けるためにも、悪質な書込みは削除を申し出ることが可能です。

誹謗中傷は犯罪です!

 ネット上に、個人や法人問わず相手を誹謗中傷する書込みをすると刑事罰や損害賠償請求を受ける可能性があります。
 それは、どのような法律に違反する場合があるのか、一部をご紹介します。

「名誉毀損罪」(刑法230条)

 「名誉毀損」(めいよきそん)とは、不特定多数の人が知ることができる状況で、本当かウソか関わらずに他人の名誉を傷つける言動を指します。

  相手が個人か、法人かは関係がなく、その内容の真実も問われません。
また、例えばインターネット上で最初は少数の人に対して行った言動が、「#拡散希望」などで徐々に大勢の人へ広まった場合も、公然とみなされ不特定多数の人へ広めたことになる場合があります。

 刑法で「3年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処する。」と定められており、裁判で有罪となると懲役刑が下される可能性もある重い罪です。

「侮辱罪」(刑法231条)

 「侮辱」(ぶじょく)とは、相手を軽視した言葉を発したり、名誉を傷つける行為を指します。
 具体的なことを挙げずに、ぼんやりとした表現でも相手の社会的評価を傷つけると、侮辱罪に該当する場合があります。例えば、「アホ」「カス」「クズ」などが挙げられます。
拘留または科料に処される可能性があります。

脅迫罪(刑法222条)

 「脅迫」(きょうはく)とは、相手を脅して恐怖を与える言動です。
例えば、「お前を殺すぞ」と一言口にしただけで、脅迫罪に該当する可能性があります。これのような行為は、本人のみならず、親族への告知も含まれます(第2項)。

 「生命、身体、自由、名誉または財産に対して害を加える旨を告知」(第1項)と条文には記載されています。これを一つひとつ例に上げると下記になります。
 生命…「お前を殺すぞ!」「娘を殺すぞ!」
 身体…「殴るぞ!」
 自由…「娘を誘拐するぞ!」「閉じ込めてやる!」
 名誉…「世間に公表するぞ!」
 財産…「家に火をつけるぞ!」「ペットを殺すぞ!」
 
 脅迫罪は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が定められています。

業務妨害罪(刑法233条)

 業務妨害罪(ぎょうむぼうがい)とは、①偽計業務妨害罪と②威力業務妨害罪の2つに大きく分かれます。

①偽計業務妨害罪とは、ウソの噂話しを流して人を欺き、業務を妨害することです。なお、この方法で人の社会的信用を損なわせることも同罪となります。

 この罪は、範囲が広く故意に行った行為が仕事中の人に迷惑をかけた場合、それが悪質と判断されると犯罪が成立します。

 事例として、旅行会社に勤務する社員の男性が、高校の遠足バスを手配することを忘れたことで、生徒を装って自殺をほのめかす手紙を学校に送りつけ、遠足を中止させようとした事件がありました。これは、バスの手配を忘れたミスを隠すためにした行為で、旅行会社社員は偽計業務妨害罪で逮捕されました。

 このように、「バスに爆弾をしかけたぞ!」などの直接的な脅迫ではなく、「自殺をほのめかす」という遠回りの方法で学校の業務を妨げたことも罪に問われることになりました。

 
②威力業務妨害とは、相手を圧倒的な力で押さえつけるような方法を用いて、業務を妨害することです。
 例えば、「市役所に爆弾をしかけたぞ!」と脅し、市役所の業務を妨げる行為などです。

 過去にはこのような事例もあります。スーパーマーケットにゴキブリ数十匹をばら撒いたとして、女性が威力業務妨害で逮捕されました。
 この行為は、ゴキブリを巻き散らかすという直接的で有効的な方法で、スーパーの業務を妨げたため、犯罪が成立しました。

偽計業務妨害、威力業務妨害の法定刑は、3年以下の懲役50万円以下の罰金です。

損害賠償請求(民法709条)

 民法に定められている不法行為によって損害賠償請求をすることが可能な場合があります。

警察に捕まっている人

後を絶たない削除依頼

 企業にとっては、死活問題ともなる誹謗中傷の投稿。これを削除する方法をご紹介します。

メールでの削除依頼

 転職口コミサイトの多くは、削除依頼の専用フォームがありません。一般のお問い合わせフォームからサイト運営側に連絡します。

 その際は、少なくとも以下の4項目を示さなければなりません。

①問題のページのURL
②具体的な内容
③書込みの違法性
④事実でないとする根拠

 ここで一番難しいのは、④に挙げた書込み内容が事実でないことの根拠です。

 例えば、「サービス残業が月に50時間あります」と書込みがされたとします。これがウソである証拠を示す必要があります。
 事実であることを証明するよりも、事実でないことを証明することの方が数段と難しく、労力と時間を費やすことになります。

 さらに、企業がメールのみで削除を依頼しても、その削除の成功率は極めて低いとされています。
 
 ならば、どのような方法をとれば確実に削除をしてくれるのでしょうか。

裁判所で仮処分

 サイトの運営側は、裁判所からの仮処分がでれば削除に応じなければなりません。

 裁判所に記事の削除の仮処分を申し立てると、問題の誹謗中傷の内容、申立人の権利を侵害しているかを確認します。

 また、サイト運営側にも詳しく話しを聞き(審尋)、これらの結果で書込み削除の命令を下すか否かの判断をします。

開示請求で投稿者を特定

 誹謗中傷の書込みが、あまりにも悪質なものであった場合、「開示請求」という手続きで投稿した人物を突き止めることが可能です。

 開示請求とは、コンテンツプロバイダ(サイト運営者)へ投稿者のIPアドレス、問題の書き込みがされたタイムスタンプ(日時)などを提示させ、インターネットプロバイダにその情報を照会して投稿者を特定する手続です。
 インターネットプロバイダに照会する際、問題の書き込みのアクセスログ(コンピューターの接続履歴)の保存を求めておくことが重要です。

発信者情報開示請求の手続きの流れ

削除の一番の近道は弁護士への相談!

 前述したとおり、誹謗中傷の書込みを削除しようと企業側が、サイト運営側にメールをしても成功率は低く、やり取りの期間も数ヶ月かかるとされています。

したがって、誹謗中傷する書込みを見つけたら、先ずは弁護士に相談することが一番早い解決に繋がる可能性が高いです。弁護士の中には、ネット上のトラブルに強い専門家も存在します。
また、裁判所の仮処分、投稿者を特定する開示請求の手続きは、一般的には弁護士に相談をして行うことになります。
 いわれない誹謗中傷に遭い、思わぬ風評被害に遭う前に、悪質な書込みには早めの対応をとりましょう。