『相談』こそが、誹謗中傷解決のファーストステップ!

  • 2018.04.06
『相談』こそが、誹謗中傷解決のファーストステップ!

インターネット上でいわれのない誹謗中傷を受けた時、まずは「誰に相談したらよいのか」と、混乱してしまいます。「特定」を急ぐのか、それとも「削除」を要請するのか、個人での判断は難しいところがあります。
そんな時、相談出来るのが①警察弁護士です。また、警察が出来なくても弁護士が出来ること・弁護士が出来なくても警察が出来ること、もあります。
警察と弁護士、どちらにどのように相談するのかをご紹介いたします。

①警察

警察に相談するためには、書込まれた誹謗中傷が、「刑法上の犯罪にあたるか」という点です。刑法上の犯罪に当たる誹謗中傷とは、どのようなものなのでしょうか。

警察に”被害届”を出せる誹謗中傷

悪質な誹謗中傷をされた時は、警察に被害を届け出ることが出来ます。
警察が認める「悪質」とは、ウェブサイトや掲示板に記載されている内容が、刑法等の名誉毀損罪・侮辱罪・信用毀損罪・業務妨害罪、といった犯罪行為に該当するものです。
その事実が判明すれば、警察によって審査が行われる可能性があります。

罪状ごとの特徴

○ネット誹謗中傷で最も多いのは名誉毀損罪
かくしてインターネット上の誹謗中傷を警察が摘発する際に、最も一般的な容疑は名誉毀損罪です。「書込みが名誉毀損に該当するのでは?」と思ったら、出来る限り警察に捜査をしてもらいましょう。
○企業や商店なら信用毀損罪業務妨害罪
企業や商店(個人事業主)が誹謗中傷の被害にあった場合、適用される罪名は、刑法の信用毀損罪や業務妨害罪、偽計(ぎけい)業務妨害罪です。
また、上場企業等であれば、金融商品取引法の「風説の流布(るふ)」が該当する場合もあります。

<名誉毀損罪>
名誉毀損罪とは、他人の名誉を傷つける(=毀損する)、不法行為や犯罪のことです。また、根も葉もない嘘や噂の場合にも、名誉毀損は成立します。

<信用毀損罪>
虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて信用を毀損する罪のことです。

<業務妨害罪>
虚偽の風評を流布したり、偽計を用いたり、威力を用いたりして他人の業務を妨害することによって成立する犯罪です。

<偽計業務妨害罪>
虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて人の業務を妨害する罪です。流布とは、犯人自身が公然と文書、口頭で伝達する他、口伝えに噂として流す行為も含みます。

<風説の流布(金融商品取引法)>
虚偽の情報を流して、証券取引等の相場を動かそうとしたり、人の信用を損ねたり業務を妨害することです。証券取引等については、金融商品取引法で禁止されています。

ケーススタディ

Q.ブログの掲示板に「殺す」「死ね」といった書込みをされました。名誉毀損で被害届が出せませんか。
A.名誉毀損は、公然と行われた誹謗中のため、名誉を毀損され、社会的信用が失墜し、損害を受けた場合に成立します。

しかし、インターネット上においては、実名が公表され、毀損を受けた際に反論出来ない環境にあった場合にのみ名誉毀損となる場合が高いです。

警察

被害届の出し方

「被害届」とは、犯罪に巻き込まれたことを捜査機関に報告することを言います。被害届は、最寄りの警察署や交番に常備されています。

サイバー犯罪とは

サイバー犯罪と聞くと、「詐欺」「公然わいせつ」「著作権法違反」等が有名ですが、「誹謗中傷」が名誉毀損に該当するのであれば、それもサイバー犯罪の1つに数えられます。
自分の氏名や住所、電話番号やメールアドレスが無断でインターネット上の掲示板等に記載され、事実無根の誹謗中傷を書込まれたり、裸の写真を掲載される等した場合は、「名誉毀損」に当たります。
当然のことながら、これらの行為は違法であり、誹謗中傷に対しては早めの対処・相談が有効です。

サイバー犯罪窓口

インターネット上の誹謗中傷については、最寄りの警察署や交番では詳しくないことも往々にしてあります。そのため、各都道府県のサイバー犯罪窓口に相談するのがよいでしょう。

北海道・東北

都道府県 相談電話
北海道 011-241-9110
青森 017-735-9110
岩手 019-654-9110
宮城 022-266-9110
秋田 018-865-8110
山形 023-642-9110
福島 024-533-9110

関東地区

都道府県 相談電話
警視庁(東京都) 03-3431-8109
茨城 029-301-8109
栃木 028-627-9110
群馬 027-224-8080
埼玉 048-832-0110
千葉 043-227-9110
神奈川 045-664-9110

北陸・中部地区

都道府県 相談電話
新潟 025-285-0110
山梨 055-235-2121
長野 026-233-0110
静岡 054-254-9110
富山 076-442-0110
石川 076-225-0110
福井 0776-22-2880
岐阜 058-272-9110
愛知 052-951-1611

関西地区

都道府県 相談電話
三重 059-224-9110
滋賀 077-525-0110
京都 075-414-0110
大阪 06-6943-1234
兵庫 078-341-7441
奈良 0742-23-0110
和歌山 073-432-0110

中国地区

都道府県 相談電話
鳥取 0857-27-9110
島根 0852-31-9110
岡山 086-228-0110
広島 082-228-0110
山口 083-922-8983

四国地区

都道府県 相談電話
徳島 088-622-3180
香川 087-833-0110
愛媛 089-934-0110
高知 088-875-3110

九州・沖縄地区

都道府県 相談電話
福岡 092-641-9110
佐賀 0952-26-9110
長崎 095-823-9110
熊本 096-383-9110
大分 097-536-2131
宮崎 0985-26-9110
鹿児島 099-254-9110
沖縄 098-863-9110

警察署に出向く時の必要書類等

サイバー犯罪窓口に電話で相談したら、実際に警察署に出向き、被害届を出します。その際準備しておくとよいのが、
・被害者の住所、氏名、年齢、職業のメモ
・(分かれば、)加害者の住所、氏名、年齢、職業のメモ
・該当サイト名、URL、日時のメモ
・誹謗中傷の書込みのあるページを印刷、もしくはスマートフォンの場合、スクリーンショットで保存
・印鑑、身分証明書
です。

被害届と告訴の違い

名誉毀損罪は”親告罪”といって、被害者から告訴がないと起訴することで出来ない、また、通報や現行犯で逮捕出来ない犯罪です。
「被害届」と「告訴」の違いは、
・被害届:捜査機関が操作する義務がない
・告訴:受理した捜査機関は操作を開始し、起訴するかどうかを被害者に申告する義務がある
点です。つまり、加害者に処罰を受けて欲しいという目的があるのが「告訴」です。
ところが、告訴状は受理されるのがとても難しいです。ですので、誹謗中傷問題を解決したいのであれば、費用はかかりますが、法律のプロである弁護士に相談することをおすすめします。

施錠されたパソコン

②弁護士

ここまで警察への相談をご説明してきましたが、実際の警察は、よほど悪質な事案(弁護士に依頼して刑事告訴してもらった場合には別ですが)でない限り、警察に出向き「誹謗中傷を受けているから相手を逮捕して欲しい」と言っても、なかなか動いてはくれないのです。
それゆえ、ネット誹謗中傷を受けた時に警察に相談しても、あまり直接的な問題解決には繋がりにくいです。

なぜ警察が動けないのか

爆破予告のような書込みであれば警察に相談してもよいですが、「2ちゃんねる」や「Twitter」の名誉毀損やあプライバシー侵害の書込み、レストランの口コミやネット商品レビューの名誉毀損罪は、真偽の確認がとれません。
よって、”民事不介入”の原則で警察の動きは消極的になる可能性が高いのです。

【民事不介入】
日本の警察の民事紛争に関わるかもしくはそれに類似する事案を忌避する行政慣行、もしくはその理由となる不文律を指します。

弁護士に相談するメリット

“民事不介入”で警察が動いてくれない場合は、弁護士に相談しましょう。そもそもネット誹謗中傷(真実ではない書込み)であれば、弁護士による法の根拠に基づいた削除が根本解決となります。
また、発信者(書込みをした人)「特定」まで行いたいのであれば、弁護士は強い味方になります。発信者が特定出来れば、損害賠償(慰謝料等)、示談金を請求出来、新たな書込みも止められます。
費用も合理的で根本解決が出来るため、弁護士に相談するメリットは大いにあります。

適任の弁護士

しかし弁護士だからといって、誰でもネット誹謗中傷対策が出来るわけではありません。IPアドレスの知識、ネットワーク知識、DNSの仕組み、whoisコマンドを使いこなす、サーバ管理者と連絡先を割り出す等、法務以外の専門性も求められます。
そのため、インターネット知識が豊富で、法的な裏付け、権利侵害を見分ける力、掲示板の削除方法を知っている、そんなインターネットに強いIT弁護士に依頼しましょう。
また、海外にサーバがある場合等は、その外国の法律も知らないとなりません。更に、2ちゃんねるをはじめ、インターネットの世界には独自のルールがあるので、それにも精通している必要があります。

ネット誹謗中傷の弁護士費用相場

弁護士費用は、依頼する弁護士事務所によって異なりますが、相場を知っておくとよいでしょう。

着手金 報奨金
相談 無料~
削除(交渉・裁判外) 5万円~ 5万円~
削除請求(仮処分・裁判) 10万円~ 10万円~
発信者・犯人特定(交渉・裁判外) 5万円~ 5万円~
発信者・犯人特定請求(訴訟) 20万円~ 10万円~
損害賠償請求(交渉・裁判外) 10万円~ 成果額の10%~
損害賠償請求(訴訟) 20万円~ 成果額の10%~

終わりに

善意無過失であっても、誹謗中傷は突然にやってきて、それまで築き上げたものをすべて壊しかねません。誹謗中傷を見つけてしまったら、仮にその書込みが事実だったとしても、ショックを受けますし、もちろん傷つきます。
そこで、そのような時には、自分の目的に沿ってしかるべき機関に相談をしてみてください。
その時最も重要なのが、一刻も早く対応する、ということです。該当サイトを削除するのか、保全しておくのか、等も相談をして指示を待つようにしましょう。