リベンジポルノは犯罪!被害を最小限に抑えるための全知識

  • 2018.05.15
リベンジポルノは犯罪!被害を最小限に抑えるための全知識

 スマートフォンの普及によって、写真や動画を簡単に撮影し、ネット上に掲載することで、誰でもが簡単に情報を発信することができるようになった現代。
 そのような中で、「リベンジポルノ」という性的な犯罪の被害に遭うケースが増加しています。

 半永久的にネット上に残ることから、「デジタルタトゥー」とも言われるリベンジポルノ。ネット上に掲載され、拡散された写真や動画は、完全に削除することは難しいことが現状です。

この記事では、被害を少しでも防ぐために、どのような心がけや対応が必要なのかをご紹介します。

リベンジポルノとは?

 リベンジポルノとは、元配偶者や元恋人が、フラれるなど相手から拒否されたことで恨みを持ち、復讐のために裸などの性的な写真や動画をネット上に無断で掲載する行為です。

 例えば、交際中に行った性行為中の写真を、彼女にフラれた腹いせに、彼氏がツイッターに投稿する行為をリベンジポルノと言います。

 写真や動画の公開先は、SNSやブログ、掲示板などのネット上の他、チラシ印刷してポスティングでバラまくケースもあります。

リベンジポルノの相談件数

 全国の警察署によせられたリベンジポルノの相談件数は2015年の一年間で1143件あったとされています。そのうち約9割が女性からの相談とのことです。

 しかし、リベンジポルノは性的な犯罪であることから、被害を申し出ずにいる場合も多いと考えられます。つまり、羞恥心から被害に遭ったことを言えずにいる場合、相談者の数はさらに上回るということも予想されます。

リベンジポルノ被害が増加する理由

 リベンジポルノの被害が増加する要因として、スマートフォンの性能の向上、ツイッターやインスタグラムなどのSNSの普及が考えられます。

 スマートフォンのカメラ機能が向上し、誰もが手頃に写真や動画を撮影できるようになりました。さらに、撮影した写真や動画をSNSに簡単に掲載し、情報を発信することが可能です。

 このことによって、他人の性的な写真や動画であっても安易にネット上に掲載してしまう傾向があるようです。

リベンジポルノの防止策

 リベンジポルノの被害に遭わないために重要なことは、決して裸などの性的な写真や動画を他人に送らないことです。それが夫、彼氏の信用できる人であっても同じです。
 被害の中には、合意の上で撮影した写真や動画を、別れた後にネット上に無断に掲載するケースがあります。

 また、遊び半分の気持ちで同性に同様の写真や動画を送ることも危険です。関係がこじれてしまった場合、その写真や動画がどのように利用されるかわかりません。

 もし、夫や彼氏などが性的な写真や動画を求めてきたら、「ダメ!」「嫌だ!」とはっきりと断る勇気が大切です。
 しかし、好きな相手から頼まれた場合、「断ったら嫌われるかもしれない」という心理も働くかもしれません。このような思いになっても、写真や動画が流出してしまった時、傷つくのはあなたです。きっぱりと断って、自分の身を守ることが重要です。

ベッドに横たわる女性

リベンジポルノ防止法

リベンジポルノの被害の増加により、2014年11月26日にリベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)が施行されました。

この法律により、他人の性的な写真や動画を無断でネット上に掲載することは犯罪とされるようになりました。

処罰の対象となる写真や動画

 リベンジポルノ防止法では、「私事性的画像記録」「私事性的画像記録物」を、「公表」または「提供」する行為を規制しています。

■「私事性的画像記録」とは、

①性交または性交類似行為に係るひとの容姿
 例えば、性交行為・手淫行為・口淫行為 など

②他人が人の性器ばどを触る行為または人が他人の性器などを触る行為に係る人の容姿であって性欲を興奮させまたは刺激するもの
 例えば、性器や肛門などを触るなど

③衣類の全部または一部を着けない人の容姿であって、殊更に人の性的な部分が露出またはっ 強調されるものであり、かつ性欲を興奮させまたは刺激するもの
 例えば、全裸または半裸でセクシーポーズをとるなど

■「私事税的画像記録物 と」は、

 上記①から③を収録した写真、動画、USBメモリ、SDカード、CDロムなどの有体物です。

罰則

 リベンジポルノ防止法の罰則は2つに分かれています。

■公表罪

 元配偶者や元恋人の性的な写真や動画を無断で公表すると、「公表罪」に該当します。
 この罪は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。

■提供罪

 公表するという目的で他人に写真や動画を提供すると、「提供罪」に該当します。
 この罪は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処されます。

リベンジポルノ防止法が制定されるきっかけになった事件

リベンジポルノ法が成立した背景には、2013年に発生した「三鷹ストーカー殺人事件」があります。

 事件は同年10月8日、東京・三鷹市の閑静な住宅街で起こりました。学校から帰宅した当時・女子高校生のSさんは、部屋に潜んでいた元交際相手の男・Iに襲われ、外まで逃げましたが首や腹などを刺され、病院に運ばれた後に死亡が確認されました。

 犯人のIは、犯行直後に現場から逃走。しかし、付近を捜索していた警察官に発見され、逮捕されました。

 被害者のSさんは、芸能活動をしていたことも重なり、当時大きな注目を集めたストーカー殺人事件です。

犯行に至るまで

 この事件の被害者・Sさんは 「2度殺された」とも言われることがあります。
その理由は、加害者のIは犯行に及ぶ6日前、交際中などに撮影した被害者の性的な写真や動画をネット上に掲載していました。

 Iは、Sさんに別の交際相手ができたことに嫉妬し、手元にあった写真や動画をネタにして、会うことを迫る脅迫を行い、さらにはそれをネット上に流出させるという卑劣な行為に走っていました。

 この事件がきっかけで、世間に「リベンジポルノ」という行為が周知され、リベンジポルノ防止法の成立へと至ることになりました。

逮捕

もしも、リベンジポルノの被害に遭ってしまったら

リベンジポルノに利用される写真や動画は、撮影時は合意の上であったものが多くあります。
「好きな人だから頼まれたら断れない」「ふたりの記念を残したい」「相手が第三者に見せることは 思わない」などの心理から性的な部分が写ることを許してしまうようです。

 もし、リベンジポルノの被害にあった場合、どのような行動をとることが必要でしょうか。

警察に相談する

 リベンジポルノは犯罪行為です。
 最寄りの警察署に相談することが効果的です。

 警察は、リベンジポルノの被害を確認し、その証拠があれば捜査を行い、犯人の逮捕へ向けて動きます。
 したがって、ネット上に掲載された写真や動画をキャプチャ(スクリーンショット)などで保存し、それを証拠資料にして警察に相談へ行くと良いでしょう。

 そして、リベンジポルノの被害者の大半は、女性とされています。性的な写真や動画をネット上に晒されるというとてもデリケートな事件ですので、警察では女性捜査員の対応を求めることが可能です。

 また、ネット上のトラブルは、ここ10年ほどで急増しているため、認識不足の警察官の存在も否定できません。
 しかし、各都道府県の警察本部では、ネット上の犯罪を専門に扱う「サイバー犯罪対策課」を設けています。

都道府県警察本部サイバー犯罪相談窓口一覧

弁護士に相談する

 犯人の特定ができていて、「訴えたい!」という場合は弁護士に相談し、解決する方法も考えられます。

 被害者にとってリベンジポルノは、とても精神的な苦痛を受ける 犯罪です。被害に遭ったことで心を病み、通院を強いられる可能性もあります。
 その場合の慰謝料、治療費の請求を弁護士に依頼し、傷つけられた名誉と尊厳を回復することも問題解決の手法のひとつとして考えることができます。

 弁護士に相談する際は、ネット上のトラブルに強い 弁護士に相談することがオススメです。
 近年のネットの普及、それに伴うトラブルで、弁護士の中にはIT分野に精通した弁護士が存在します。早期の解決や、慰謝料の増額などが可能と考えられます。

ネット上の性的な写真・動画を消したい!

 ネット上に拡散された 性的な写真や動画。被害に遭った人は、一刻も早くネット上からコンテンツを消したいと思うことでしょう。

 しかし、例えば掲示板に匿名で写真を載せられた場合、犯人に心当たりはあるものの、証拠がなくて困ってしまうことも考えられます。
そのような場合でも、「開示請求」という手続きで投稿した犯人を特定し、削除を依頼することができます。

開示請求の流れ

 例えば、ツイッターに性的な写真や動画を掲載された場合、どのような手続で開示請求が行われのでしょうか。

まずは、コンテンツプロバイダ(サイト運営側のツイッター)にIPアドレス(インターネット上の住所)とタイムスタンプ (アクセスした日時)などの情報を提示するように求めます。
 次にその情報をインターネットプロバイダ(docomo、SoftBank、KDDIなどのネット回線会社)に照会して投稿者の氏名、住所、連絡先などの個人情報の開示を要求します。
ネット利用者はいずれかのインターネットプロバイダを利用し料金を支払っているため、企業側は必ず顧客の個人情報を把握しています。
また、事前にインターネットプロバイダには、アクセスログ(コンピュータへの接続履歴)の保存を求めることも重要です。

開示請求は、一般的に本人、または保護者が弁護士に相談して行うことが一般的です。

そのほか、リベンジポルノなどネット上の性的なトラブルを専門に解決する「セーフライン」という団体が存在します。引き続きご紹介します。

セーフラインに相談して写真・動画の削除依頼をする

 セーフラインとは、国内のIT企業の有志によって運営される一般社団法人セーファ-インターネット協会(SIA)が運営する団体です。

 運営元のSIAは、「インターネットの悪用を抑え自由なインターネット環境を護るために、統計を用いた科学的アプローチ、数値化した効果検証スキームを通して、悪用に対する実効的な対策を立案し実行していく団体です。」と活動の目的を定めています。

 この目的にしたがってセーフラインは、リベンジポルノなど違法な写真や動画を、依頼者の代わりにネット上から削除する活動を行っています。

 セーフラインは、2016年にリベンジポルノを含む性的な写真削除の依頼を受けた31,222件のうち、30,281件の削除に成功したと発表しています。削除率では97%と非常に高いことを知ることができます。
 また、リベンジポルノは1,005件の相談のうち、915件の写真削除に成功。こちらも91%の高い削除率となっています。

最後に

 お伝えした通り、リベンジポルノはエスカレートすると、身の危険を脅かすような重大な事件へと発展するケースもある犯罪行為です。
 そして、ネット上に性的な写真・動画が掲載され時、被害者は深い心の傷を負います。

 まずは、信用のおける相手であっても性的な写真や動画を送らないことが大切です。しかし、「相手が好きだから断れなかった」と心理を突かれたことで、リベンジポルノの被害に至る場合もあるかもしれません。

 現代では、警察や弁護士、セーフラインなど問題解決に向けて動いてくれる機関が存在します。
 リベンジポルノ被害にあった場合は、ひとりで悩まず家族など信頼できる第三者に相談した上で、問題解決に向けて動くことが良いでしょう。