ネットで誹謗中傷!名誉毀損は「警察」「弁護士」どちらに相談すると良い?

  • 2018.08.07
ネットで誹謗中傷!名誉毀損は「警察」「弁護士」どちらに相談すると良い?

匿名性の高いインターネット上では、他人を誹謗中傷するような書込みがされることがあります。
不用意に他人の悪口を書き込むと、場合によっては警察に逮捕されるケースがあることをご存知でしょうか?

この記事では、ネット上で他人の名誉を傷つけてしまった場合、どのような罪に問われるのかをお伝えします。

名誉毀損

「名誉毀損」とは、不特定多数の人が知ることができる状況下で、他人の社会的な名誉(評価)を損なわせる(毀損)させる行為を言います。内容が本当であるか、ウソであるかは問われません。

例えば、「○○会社の営業部長・○○さんは、社内不倫している!」など大勢の人の前で言った場合、名誉毀損に該当する可能性があります。

また、名誉毀損の加害者は逮捕される可能性があります。
では、どのような罪で逮捕されるのでしょうか?

名誉毀損罪(刑法230条)

「名誉毀損罪」とは、名誉毀損の加害者を逮捕できる法律です。
条文には、「公然と事実を指摘し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役50万円以下の罰金に処する。」と記載されています。
これを噛み砕いて説明すると、不特定多数(老若男女とわず大勢の人)の前で、他人の名誉を毀損させた者は、その内容の真実を問わず罰せられるという趣旨が書かれています。

また、名誉毀損罪は「親告罪」です。
「親告罪」とは、被害に遭った人が、警察などの捜査機関に被害を訴えなければ、捜査機関は動くことができないという罪です。
殺人の場合、被害者が警察に被害を訴えなくても、警察は捜査をすることが可能です。この場合を「非親告罪」と言います。

名誉毀損が成立する要件

それぞれ法律には、逮捕や起訴できる条件がります。その条件を、法律用語で「要件」と言います。つまり、名誉毀損が成立する条件ということです。

名誉毀損罪には、3つの成立要件があります。

①公共の利益を図る目的があること(公共性)
②公共の利害に関する事実であること(公益性)
③真実であると証明されるか、または真実であると信じるに相当の理由があること(真実性)

上記を噛み砕いて説明すると以下のようになります。

①大勢の人の前で示すことで、人々のためになる。
例:〇〇食品会社は、食品の不正表示を行っている

②世間に公表しなければ、人々が損をする可能性がる
例:〇〇学校の校長が不正に市から補助金を受け取っている⇒税金が使われていることで市民の損

③内容が真実であり、その証拠がある
例:国会議員〇〇が、税金で風俗店に行っているということが証明できること

【事例】ネット上での名誉毀損

現在、ネット上での名誉毀損に関するトラブルが多く発生しています。その一部をご紹介しましょう。

タレント・麻木久仁子が名誉毀損で訴え

タレントの麻木久仁子さんが、匿名掲示板で誹謗中傷されたとして、プロバイダを相手に開示請求(注釈1)を訴える裁判を起こしたことがありました。
匿名掲示板には、麻木さん本人のみならず娘に対する誹謗中傷もあったされています。

裁判では、書込みの内容に娘の実名を挙げての誹謗中傷はありませんでしたが、その人物を特定できる言葉があるため名誉毀損は認められ、プロバイダに開示請求を命令する判決が下りました。

(注釈1)
開示請求とは、相手が持っている情報を提示させることを言います。この事例の場合、掲示板に匿名で書込みを行った人物の氏名や住所をプロバイダが把握しているとされ、その個人情報の提出を求めるものです。

ノンフィクション作家を名誉毀損で一般女性が逮捕!

大阪府在住の女性が、千葉県に住むノンフィクション作家の女性に対する名誉毀損罪で逮捕された事件がありました。

容疑は、ネット上の匿名掲示板に「現在は風俗嬢。低能ぶりを発揮中」などの中傷する書込みを行ったとされています。

被害に遭ったら警察に被害届けを出せる!!

名誉毀損は、前述した通り警察に逮捕される可能性がある「犯罪」です。ですが、「親告罪」であるために、被害者が訴えでなければ捜査は行われません。
警察の捜査を希望するのであれば、「被害届」を提出する必要があります。

被害届の出し方

「被害届」の提出の方法をご紹介します。

原則、被害を受けた本人が警察署に提出します。
その方法は、「あらかじめ用意していた被害届を持参し提出する方法」、「警察官が事情聴取を行いながら代筆する方法」の2つがあります。一般的には後者の方法で行われるようです。

被害届を出す際は以下の情報が必要です。

■氏名
■住所
■年齢
■職業
■被害に遭った日時や場所
■その他の資料(ネット上の被害であれば、問題のページのキャプチャなど)

また、被害届は事件が発生した場所を管轄する警察署若しくは交番に提出します。ネット上のトラブルの場合は、被害者の自宅住所を管轄する警察署若しくは交番への提出となります。

警察よりも「弁護士」に相談した方が現実的!?

ネット上で名誉を損なわれるような被害に遭った場合、警察に捜査の依頼をする「被害届」の提出方法をお伝えしまし。しかし、実際は警察にネット上のトラブルを相談しても、各自な証拠があったり、脅迫めいた悪質なケースだったりでは限りなかなか捜査に動いてくれないことが現状です。

では、ネット上でのトラブルに苦しんでいるにも関わらず、警察がなかなか動いてくれない場合、どのような解決を図ればよいのでしょうか。

ネット上トラブルに強い弁護士に相談するという方法があります。

弁護士に相談するメリット

名誉毀損などネット上でトラブルに巻き込まれた場合、警察に相談すると捜査して加害者を逮捕してくれるかもしれません。ならば、弁護士に相談するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

弁護士に相談することで、プロバイダ責任制限法に則って、裁判によって問題の書込みの削除、匿名の場合でも加害者の特定を行うことが可能です。

そして、警察への相談と大きく違う部分は、弁護士が加害者へ損害賠償(慰謝料)請求を行ってくれることです。
名誉毀損での慰謝料の相場は、50万円~100万円とも言われています。
加害者の行為により失われた社会的名誉を、お金で補うこともひとつの解決方法です。

また、弁護士に相談した上で警察に被害届を提出することも可能です。弁護士のアドバイスを得た上での被害届の提出ならば、警察も捜査に動く可能性が高くなるという見方もあります。

つまり、弁護士に相談した方が、トラブルの解決方法全てをもとに適切な対応をアドバイスしてくれると言えます。

もし、今あなたがネット上で名誉を損なわれるような被害を受けている場合、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。