5ちゃんねるで誹謗中傷されたら罪に問える?問題解決方法は?

5ちゃんねるで誹謗中傷されたら罪に問える?問題解決方法は?

「〇ちゃんねる」といえば?
迷わず「2ちゃんねる!」と答えてしまいますが、今は「5ちゃんねる」なんだそうです。自分がいかに古い人間か…と思い知らされてしまいます。

どうやらこの5ちゃんねるで誹謗中傷が問題になっているようです。
5ちゃんねるとは何か、どのような問題が起こっているのか、その問題を解決するにはどうしたらいいのかなど調べてみました!

5ちゃんねるとは?

まず誰もが知っている2ちゃんねるですが、2ちゃんねるとは日本トップクラスの匿名掲示板サイトのことです。
2ちゃんねるは「2ch.net」として存在していたのですが、詳細は割愛しますが色々と争いがあった結果、2017年10月に管理人が変わり5ちゃんねる(5ch.net)に名称が変更されました。
今現在も2ちゃんねるは存在しますが「2ch.sc」になっているため別の掲示板サイトということになります。

つまりは5ちゃんねる=旧2ちゃんねるというわけですね!
管理人が変わっただけで中身は変わっていないようですので、ただ名称が変更されただけという認識でよさそうです。

5ちゃんねるにおける誹謗中傷とは?

ではその5ちゃんねるで誹謗中傷が起きているというのは一体どういう事かというと、5ちゃんねるは旧2ちゃんねると同じく「匿名掲示板」なので“匿名で書き込みをすることができる”という性質から、誹謗中傷の書き込みをする人がいるのです。
日本トップクラスの匿名掲示板ですので、多くの人が5ちゃんねるに書き込みをしていきます。利用者数は2009年が一番多く、1170万人の利用者がいたそうです。その後ブログやツイッター、インスタグラムなどのSNSが普及したことにより利用者数は減少したそうです。これ以降正確な利用者数を見つけることはできませんでしたが、今でも多くの方が利用しているのは間違いないと思います。

多くの人が匿名で利用しているため、誹謗中傷の書き込みも多く存在します。
具体的には次のような書き込みがされています。
・個人を攻撃する内容
(会社で起こしたミスや学校などでの発言を暴露されるなど)
・趣味や性癖の暴露
・不倫関係の暴露
・交友関係の暴露
(暴力団などの反社会勢力との関わりがあるなど)
・過去の犯罪歴の暴露
・企業の内部事情の暴露
(ブラック企業、セクハラやパワハラが行われているなど)
・個人情報の暴露
(名前や住所・電話番号、顔写真など)
・脅迫
(気に入らない人の肩書などを挙げて「所属する〇〇を爆破する」など)
など、ここには書ききれない程多くの誹謗中傷に加えて個人情報の漏えい・脅迫まで書き込まれているのです。
その内容がどこまで本当なのかはわかりませんが、書き込まれた人は社会的な信用を失ってしまうだけではなく、中には実際に個人情報を暴露された結果事件に巻き込まれてしまったという方もいらっしゃいます。

誹謗中傷で問える罪

匿名だし何を書いても自分だとバレないし良いだろうと書き込んだであろうコメントも、法律違反に該当する可能性があります。

名誉毀損

名誉毀損とは公然と事実を指摘し他人の社会的評価を落とす行為のことを言います。
インターネットという「公然の場」で「事実を指摘」することによって「他人の社会的評価を落とす」ことをすれば名誉毀損を行えば名誉毀損罪(刑法第230条1項)が成立します。
事実の指摘は、例えばAさんについて実名で
・総務部のBさんと不倫をしている
・過去に暴走行為で逮捕されている
・Aさんが経営している〇〇食堂でご飯を食べたら虫が混入していた
などの情報を書き込んだ場合は名誉棄損に該当すると考えられます。
しかし、この事実の指摘については“真実かどうか”は問われないのです。
名誉毀損という行為について処罰がされるということになります。

不倫は民法770条で定められている離婚事由に当てはまるため法律違反と言えますし批判されるべきこと、逮捕歴があるということは何かしらの法律違反をしたということ、虫の混入もあってはならないこと…。しかしこれをインターネットで書き込むと名誉毀損になってしまうのです。
名誉毀損が成立すれば、処罰を受けさせたり賠償金の請求をすることができます。

侮辱罪

侮辱罪とは事実を摘示しないで、公然と人を侮辱する行為のことです。
名誉毀損とどう違うのかという話ですが、“事実を摘示しない”というのが違いです。
具体的には
・Aはバカだ
・Aは口が臭い
・Aはいつも嘘をついている
・Aは浮気性だ
など、いわゆる悪口や罵倒をするような言葉を言われた場合や事実かどうかわからないことを言われて侮辱された場合に侮辱罪が適用されると考えられます。「バカ」とか「浮気性」というのは事実ではないですので、名誉毀損にはならないというわけです。

侮辱罪が成立すれば、拘留または科料が科されます。

脅迫罪

脅迫罪とは相手を畏怖させることにより成立する犯罪のことです。
ネット上に爆破予告や殺害予告を書き込んだらその時点で脅迫罪が成立します。
実際に爆破するつもりも殺害するつもりも無かったとしても、書き込んだら脅迫罪です。書き込まれた場合はすぐに警察に被害届を出す、弁護士に相談するなどしましょう。
ちなみに脅迫罪が適用されるのは自分の親族までです。「お前の親を殺すぞ!」というのは脅迫罪の適用ですが、「お前の彼女を殺すぞ!」というのは脅迫罪は適用されないということになります。

脅迫罪が成立すれば、処罰を受けさせたり賠償金の請求をすることができます。

他にも『缶コーヒーにビニールが混入していた』など、商品の信用を低下させるような嘘の書き込みをした場合は「信用毀損罪」、書き込みによって缶コーヒーを回収しなければならなくなったなど業務に支障を及ぼした場合は「業務妨害」に該当します。
また、ネット上に住所や電話番号などの個人情報を公開された場合は「プライバシーの侵害」にあたるので不法行為として損害賠償請求をすることができます。

匿名だからと言って何でも書き込んでいいやとむやみやたらに書き込んでいると、とてつもなく痛い目に合うということですね。絶対に誹謗中傷を書き込むのはやめておきましょう。

誹謗中傷トラブル解決方法とは?

5ちゃんねるにおける誹謗中傷によって誰でも被害者になる可能性があります。
有名人だけでなく、一般人でも、今隣で仕事をしている人も被害に遭っているかもしれません。
たくさんの人が見ている匿名掲示板であることを利用して、わざと世の中に悪口を広めてやろうとか、日ごろの恨みを晴らしてやろうとかいう人も残念ながらいるのが現状です。
もし被害に遭ってしまった場合はどうすればよいのでしょうか?

①削除依頼をする

5ちゃんねるには通常削除対象用の「削除整理板」や重要削除対象用の「削除要請板」が用意されています。この板(ページ)のフォームに必要事項を入力することによって削除依頼をすることができます。

●削除依頼の方法
・まずはガイドラインをよく読む
5ちゃんねるには削除ガイドラインがあります。
かなり詳細に書かれており、個人をどのように定義するのか、その定義された個人によって削除対象はどう変わるのか、法人はどのように扱うのかといったところから削除の注意点までびっしりと書かれています。初めにきちんと読んでおきましょう。ここでは削除依頼について簡単にまとめておきます。

・削除依頼の注意点
・削除依頼をした場合、削除依頼の内容は基本的に公開されます。
・削除依頼は前述した板、もしくは削除してほしいスレッドに直接書き込むことができます(この場合は板と同じフォームで書き込む必要があります)。
・ルールを守り、丁寧な言葉遣いで書き込みましょう。
・「削除人」にわかりやすく書き込みましょう。

・削除フォームの入力(通常削除について記載します)
・名前(本名でなくても良いが、依頼者の確認が必要な場合は伝えておかないと処理してもらえない可能性がある。)
・メール(省略可能だが、伝えておかないと処理してもらえない可能性がある。)
・掲示板アドレス(http://で始まるURL)
・削除区分(スレッドごと削除するのかレスだけ削除するのか)
・削除対象アドレス(スレッドごと削除する場合はそのURLだけでよいが、レスだけを削除する場合はURLの後に「**(レス番号)」「**-**(レス範囲)」を付けておく。)
・削除理由(何の法律に違反しているのかを記載する。例えば「Aは総務部のBさんと不倫をしている」といった書き込みがある場合は、「不倫をしていると掲示板に掲載されたことによって社会的評価が落とされているため名誉棄損に該当します。」など、該当する法律と違反する理由を記載することが望ましい。)

きちんと入力ができたら「削除依頼をする」ボタンを押して送信します。

ここで一つ押さえておきたいポイントは「削除人」と呼ばれるボランティアの方が削除を行っているということです。削除人について5ちゃんねるのガイドラインには次のように記載されています。
・削除人はボランティアです。
・削除人には何の責任もありません。
・削除人には何の義務もありません。
これらの詳細は削除人に対する5ちゃんねるからのお願いのような内容になっているのですが、同時に削除依頼人に対する警告とも取れます。『削除人はボランティアで、何の責任も何の義務もありません。削除をしてほしい場合は、丁寧にお願いして、わかりやすく依頼をしてね。』という風に解釈することができます。
確かに削除をボランティアで行うとしたら、上から目線でわかりにくい依頼よりも、丁寧でわかりやすい依頼のほうが気持ちよく削除依頼のチェックや削除を行えると思います。
削除理由を入力する際は、この点を念頭に置いておくと良いでしょう。

②弁護士に依頼をする

自分で削除依頼をするよりも楽で、削除してもらえる可能性が高い方法です。
もちろん弁護士から削除依頼をしてもらうこともできますが、やってもらえるかどうかわからない削除依頼よりも裁判所に「削除の仮処分の決定」をしてもらうことで確実に書き込みの削除をしてもらうことができるのです。
仮処分の決定をしてもらうには裁判を起こさなければならないため、個人で行わず弁護士に依頼するケースが一般的です。
当然弁護士に依頼しますので弁護士費用がかかります。決して安くない金額ですが、どうしても削除してほしい個人情報がある場合や酷いトラブルに巻き込まれている場合は弁護士に依頼したほうが良いでしょう。

また、非常に悪質な書き込みをされている場合は「開示請求」を行うことによって書き込みをした人物の特定をすることができます。
開示請求というのは「特定の人に物や事柄の内容、性質等を明らかにして呈示するよう求めること」で、インターネットの場合は発信者情報開示請求といって5ちゃんねるの場合は

Ⅰ.サイト運営者である5ちゃんねるに対して発信者情報開示の仮処分を行います
これによって発信者のIPアドレス(インターネット上の住所のようなもの)やタイムスタンプ(投稿日時)などを開示させることができます。
Ⅱ.プロパイダを特定します。
プロパイダとは携帯電話やWi-fiなど、インターネット回線の提供を行っている会社のことです。わかりやすく会社名を挙げてしまうと、NTT・ソフトバンク・auなど会社のことですね。
Ⅲ.プロパイダに対して発信者情報開示請求訴訟を行います。
発信者(書き込みをした者)の住所・氏名などの個人情報の開示をさせることができます。

このような流れで書き込みした個人の情報を入手することができます。
個人の情報を入手したら、名誉毀損や侮辱罪などの罪で訴えることや、謝罪・損害賠償を請求することができるようになります。
ここまででかなりの時間と労力を費やすことになりますが、書き込みをした人物を特定することができれば誹謗中傷によって負った傷や失った名誉を謝罪や慰謝料といった形で取り戻すことができるようになるのです。

発信者情報開示請求はスピード勝負

プロパイダが発信者のIPアドレスを保存しておく期間は約3ヶ月と言われています。
そのため、自分が5ちゃんねるで誹謗中傷の被害に遭っていることがわかったら速やかに配信者情報開示請求を行うことをおすすめします。
同時に、誹謗中傷をされたスレッドのURLをメモしたりスクリーンショットで保存したりして証拠を残しておきましょう。

また、開示請求は2~3回裁判所で行うのですが、その裁判所は相手方の住所を管轄する裁判所になります。
現在5ちゃんねるは海外の企業が運営しており、海外の企業の管轄は東京地裁です。裁判をするためには何度も東京に足を運ばなければならないため、特に地方に住んでいる方は自分で開示請求を進めることはあまり現実的ではありません。
開示請求の書類作成から何度も東京地裁に足を運んで裁判をすることを考えると、個人で開示請求を一から十まで行うことは難しいため、多くの人は弁護士などに依頼をしているのではないかと思います。

最終的には名誉毀損や侮辱罪で訴えることまで考えると、個人を特定し訴えようと考えた時点で弁護士に依頼を検討したほうが良いのではないかと思います。
初回の相談を無料で受け付けている弁護士事務所も多くあるため、書き込まれた内容が名誉棄損に該当するかどうか、開示請求は間に合うかどうか、慰謝料の請求をすることができるか、弁護士費用はいくらになるのかなど聞きたいことをまとめて相談してみてはいかがでしょうか?

弁護士を探すコツとして、5ちゃんねるの場合は『5ちゃんねるが認めた弁護士からの請求』というものが存在します。
これは5ちゃんねるの削除体制に「過去に受けた表現の自由を配慮したリーガルマインドを持った弁護士と認めた者からの請求については、正当な理由があるものについて、原則として対応するものとする。」と定められているものです。
はっきりと「5ちゃんねるが認めた弁護士です」などと表明している弁護士などは見当たらないのですが、“5ちゃんねる 弁護士”などと検索すると5ちゃんねるの誹謗中傷問題を扱っている弁護士事務所などのホームページがトップに出てきたりします。
そういったところで何件か無料相談をしてみて、自分がこの先どう動けばいいのか、慰謝料の請求までできる可能性があるかなどの目安を確認してみてはいかがでしょうか。
そして、自分に合った弁護士を見つけましょう。

まとめ

5ちゃんねるとは旧2ちゃんねるのことで、匿名で書き込みができるインターネット掲示板のことです。
日本トップクラスの匿名掲示板で、ピークより利用人数が少なくなったとはいえ現在でも多くの人が利用しています。
匿名ならではの書き込みのしやすさがあると同時に、匿名だからこそ誹謗中傷などが起こってしまっているのが現状です。
だからといって誹謗中傷を書き込んでいると、名誉毀損や侮辱罪で訴えられて、謝罪や慰謝料の請求をされてしまいます。逆に書き込まれてしまった人は訴えていくことになるのですが、訴えるためには個人を特定しなければなりません。そして個人の特定をするためには発信者情報開示請求をすることになります。発信者情報開示請求はプロパイダがIPアドレスを保管している約3ヶ月の内に行わなければ、保管期間後は情報を得ることができなくなってしまいます。
発信者情報開示請求は相手方の住所地を管轄する裁判所で行う必要があるのですが、5ちゃんねるは海外の会社なので東京地裁の管轄となります。そのため請求をするためには東京に何度か足を運ぶことになります。
発信者情報開示請求を行うということは名誉棄損などで訴えようと考えていると思うのですが、名誉棄損で訴えるとなると個人で行わず弁護士に依頼したほうが良いと考えられます。訴えることを決めた時点でまずは弁護士に相談すること、最終的には弁護士に依頼することが望ましいでしょう。