木村花さんの自死をターニングポイントに、ネットの誹謗中傷への取り締まりは以前にも増して厳しくなっています。これまでまかり通っていた誹謗中傷は、許されない風潮になっています。
しかし、それを逆らうように、未だに個人情報が晒される等、誹謗中傷が行われている“闇サイト”のようなものが存在します。
それは、「詐欺撲滅.com(詐欺撲滅コム)」です。借金踏み倒しや借りパク、情報商材詐欺、マルチ商法、結婚詐欺等の被害を受けた方が、晒し上げ・復讐・告発を目的に加害者の顔写真や個人情報を公開しています。
被害者が、そのような行為に走る気持ちは分からなくはありません。ですが、不特定多数の人に触れるネット上に、個人情報を載せる行為は、違法の可能性があります。
違法の可能性
具体的には、以下の違反・罪に問われる可能性が考えられます。
プライバシーの侵害
多くの人は秘密にしておきたい私生活に関することや、それにまつわる公開されたくない事柄等があるでしょう。そのように、他人に知られたくないその人固有の秘密を総称してプライバシーと呼んでいます。
当事者が望んでいないにも関わらず、公開していない私生活の情報を暴露され、不快感や不安を抱かせると、プライバシーの侵害に当たる可能性があります。
【詳細記事】プライバシーの侵害とは?具体的にどんなことを指すのか簡単に解説
肖像権侵害
肖像権とは、本人の許可なく顔や身体を、撮影・公表されない権利のことをいいます。
もし無断で撮られたり公表されたりしている場合は、肖像権侵害に該当する可能性があります。
【詳細記事】肖像権侵害とは?事例から解き明かす
名誉毀損罪
名誉毀損とは、他人の社会的評価を下げる行為のことをいいます。ネット上で名誉を傷つけられるような書き込みをした場合は、名誉棄損罪に問われる可能性があります。
【詳細記事】法律上の名誉毀損とは?わかりやすく解説
「詐欺撲滅.com」の投稿例
それでは、「詐欺撲滅.com」の投稿例を交えながら、どの違法行為に該当する可能性があるのかを見ていきましょう。
【例1:借金踏み倒し】
<氏名>○○〇〇 |
上記例の場合、名前や住所、電話番号、勤務先等、個人情報が晒されているため、プライバシーの侵害に当たる可能性が考えられます。
また、顔写真が掲載されているので肖像権侵害も該当する可能性は否定出来ません。
【例2:情報商材詐欺】
<氏名/企業名>△△△△(名前) 株式会社○○(会社名) |
上記例は、【例1】ほどの個人情報は載っていないものの、企業名と名前、住所が掲載されています。人物の特定に足りる情報にもなるので、プライバシーの侵害に当たる可能性があります。
また、顔写真が掲載されているので肖像権侵害に当たる可能性も考えられます。
さらに、「多額の借金をしている」という、一般的に他人に知られたくないような情報も暴露されています。社会的評価が下がる可能性があるため、名誉棄損罪に問われるかもしれません。
「詐欺撲滅.com」と海外サーバー
違法に該当する可能性がある投稿をされている場合は、削除依頼をすることを検討した方がよいでしょう。
削除をするには、「詐欺撲滅.com」が使用しているサーバー会社に依頼をしなければなりません。ただ、「詐欺撲滅.com」は投稿者のプライバシーを完全保護するために、海外のサーバーを使用しています。
海外サーバーを使用していると削除依頼が難しい傾向にあります。なぜ海外サーバーを使用していると削除依頼が難しいのでしょうか。
国内のサーバーが使用されている場合、日本の法律に則った削除依頼をすれば、削除依頼に成功するため、難しくありません。
しかし、海外のサーバーが使用されていると、その国の法律に則った削除依頼をしなければなりません。例えば、肖像権に侵害しているとしても、その国に肖像権が存在しなければ、他のアプローチ方法で削除依頼をしければならないのです。
そのため、海外サーバーに削除依頼をする場合、グッと難易度が上がります。
それだけでなく、外国語で削除依頼文を作成しなければならないので、自身で解決するのは困難を極めるでしょう。削除依頼をする難易度の高さに諦めて、多くの方は泣き寝入りしてしまうのです。
削除依頼は弁護士に相談するのがオススメ
しかし、諦めるのは早計です。海外サーバーでも削除出来る方法はあります。それは弁護士への削除依頼です。
海外の法律に詳しい弁護士人に依頼をすれば、海外の法律に則った削除依頼をして、解決に導いてくれるでしょう。
ぜひ、弁護士に相談をしてみましょう。