注意!ネット上の偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪の違いって?

  • 2018.10.09
注意!ネット上の偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪の違いって?

インターネットには誰もが自由に書き込めるSNSやブログ、掲示板などがあります。その中には自由が故に、他人に被害を与えるような書込みも存在します。

 この記事では、ネット上の業務妨害についてお伝えします。

業務妨害とは?

 「業務妨害」とは、他人の業務を妨害することです。簡単に言うと、他人の仕事の邪魔をすることです。

 他人の業務を故意に妨害すると、「信用毀損および偽計業務妨害罪」や「威力業務妨害罪で逮捕される可能性があります。

信用毀損および偽計業務妨害(刑法233条)

 「信用毀損」とは、虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害することを禁止した法律です。
 簡単に言うと、ウソの噂話を大勢の人に知れ渡るように流すことで、他人の仕事の邪魔をするということです。

 また、「偽計業務妨害」とは、信用毀損の行為が理由で実際に被害を被った場合に適用されます。

 例えば、「Aスーパーの買ったお惣菜に異物が混入していた」とウソの噂話を流す時点では「信用毀損」。これが原因でAスーパーに問い合わせなどの電話が来たら「偽計業務妨害罪」となります。

 3年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められています。

威力業務妨害(刑法234条)

 威力業務妨害罪とは、暴行や騒音など相手を圧倒するような力を用いて、他人の業務を妨害することを禁止した法律です。
 つまり、他人を威嚇するような言動で、他人の仕事の邪魔をしてはいけませんということです。

 3年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められています。

「偽計業務妨害」と「威力業務妨害」の違い

 「偽計業務妨害」と「威力業務妨害」の明確な違いをお伝えします。

■偽計業務妨害
 ウソの噂を流し、他人に思い込ませたり、勘違いを誘発させたりする行為が適用されます。

■威力業務妨害
 他人の意思や自由を奪いうような行為が適用されます。

 上記の違いをご紹介した上で、次項の「偽計業務妨害罪」と「威力業務妨害罪」で逮捕された事例をご覧ください。

【事例】ネット上の業務妨害

 ネット上は業務妨害が発生しやすい環境とも言えます。
 冒頭でもお伝えした通り、SNSやブログ、掲示板などネット上には自由に書込みができる環境があります。
 誰もが簡単に自由に書込みができるということは、決して悪いことではありません。ひとりの声が、世界中に広がることはともて画期的なことです。

 その一方で、他人への誹謗中傷、写真や文章の無断転載など秩序に反した行為が後を絶ちません。その中には、業務妨害にあたる行為もあります。
 では、具体的にどのような業務妨害の行為が行われているのでしょうか。

偽計業務妨害で逮捕された事例

 俳優の西田敏行さんを誹謗中傷したとして男女3人が「偽計業務妨害罪」で逮捕された事例があります。

 男女3人は、「違法薬物を使って、日常的に暴力をふるっている」と書込み、西田さん所属事務所の業務を妨害したとされています。
 つまり、所属事務所は、西田さんに対するウソの情報を流されたことで対応を強いられ、仕事の邪魔をされたということです。

威力業務妨害で逮捕された事例

 威力業務妨害罪での逮捕の事例として多いのが「爆破予告」や「殺害予告」です。

 「爆破予告」では、千葉県内の小学校に対して「爆弾を仕掛けた」とネット上の掲示板に書き込んだ他県の男子中学生が「威力業務妨害」で逮捕されました。

 また、声優で歌手の水樹奈々さんを「ぶっ殺す」と、自分のツイッターで投稿した男性が「威力業務妨害罪」で逮捕された事例があります。

業務妨害罪は誰もが「加害者」「被害者」になる可能性がある!

 「業務妨害罪」という言葉に聞き慣れていないと思う人も多いかもしれませんが、とても身近な犯罪とも言えます。

 例えば、「自分や家族が通っている学校が爆破予告されたため急遽休校になった」などということが、突然起こるかもしれません。

 また、SNSやブログ、掲示板は匿名で書込みができるため、「何を書き込んでもよい」という考えで利用している人もいます。
そのような考えから、拡散すると多くの人の目に触れるということまでを想定せずに「Aスーパーのお惣菜に異物が入っていた」などと投稿した場合、偽計業務妨害が適用される可能性があります。
 
 では、被害者や加害者になった場合、どのような対応を行えばよいのでしょうか。

 最初に考えつく解決方として、「警察に相談する」という方法があります。業務妨害罪なので、警察に相談すると対応してくれるでしょう。
 ですが、警察もさまざまな事件を抱えているため、担当の警察官が「些細なこと」と判断してしまえば、きちんとした捜査を行ってくれるのかという疑問がのこります。

 そこで、もうひとつの解決法として、「弁護士」に相談する方法もあります。

弁護士に相談するという選択肢

 業務妨害で被害者や加害者になってしまった時、警察に行く前に弁護士に相談するという考えもあります。

 とくにネット上での業務妨害の場合、SNSやブログ、掲示板での行為がほとんどです。これらのコンテンツが普及した現代で、ネット上の法律問題に特化した弁護士が存在します。

 ネット上の法律問題は、被害者と加害者の面識が全くなど特殊な事例が多いため、’ネット’というものをよく理解した弁護士に相談すると、解決へ向けてスムーズにことが運ぶことが予想されます。

 

最後に

 ネットは気軽に、自由に自分の声を載せられる場として人々に普及しています。
 しかし、自由だからといって何を書いていいわけではありません。

 他人の悪口を書いて傷つけたり、他人が所有する文章や写真を無断転載したり、脅すような言葉で他人の業務を妨害することは犯罪となる可能性があります。

 ネットと上手に付き合うために、節度を持った利用をしましょう。