著作権の引用方法をきちんと守らないと削除の対象になる!?転載との違いも説明

  • 2018.10.16
著作権の引用方法をきちんと守らないと削除の対象になる!?転載との違いも説明

SNSやブログ、掲示板やまとめサイトなどでは、毎日多くの情報が発信されています。好きな時に、好きな場所で、好きな情報を見ることができることで便利な一方で、無断で他の記事から文章や写真を転載する「著作権侵害」という問題もあります。

 この記事では、著作権法で定められている正しい「引用ルール」についてご紹介します。

著作権とは?

 最初に「著作権」についてお伝えします。

 「著作権」とは、思想や感情に基づいて創作された小説、音楽、映画、絵画、ダンスなどをつくった人が持つ権利のことです。これは「著作権法」という法律で定められています。
 また、小説、音楽、映画、絵画、ダンスなどのつくられたものを「著作物」といい、つくった人を「著作者」と言います・
「著作者」は、「著作物」への「著作権」を持ちますが、その権利は原則として死後50年後まで続きます。

第三者が、著作物を使用する時は、著作者に対して許可を取らなければなりません。その際は、著作権使用料としてお金を支払う場合があります。

言葉によって表現された著作物について

 この記事では、「引用方法」についてお伝えしますので、言葉によって表現された著作物についてご紹介します。

 言葉によって表現された著作物には、小説、脚本、論文、講演などがあります。そして、今あなたが読んでいるこの記事も著作物であり、著作者が存在します。

 そのため、例えば他人が書いた論文を勝手にコピー&ペースト(コピペ)することは著作権法の違反になる可能性があります。
 しかし、「引用」ルールをしっかりと守ってコピペするには問題ありません。

 「引用」については次項でお伝えします。

引用とは?

 「引用」とは、他人の文章を、自分の文章の中に取り入れることです。例えば、自分が書いた論文に、他人が書いた論文の一部をコピペするということです。
 この引用を使用する場合、きちんとルールを守っていれば、原則として著作者の許可は必要ありません。

正しい引用のルール

 引用のルールは、著作権法で定められています。以下、主なルールをご紹介します。

■引用ルール

①既に発表されている著作(未発表の著作物は使用不可)

②自分が書いた文章と、他人が書いた文章をはっきりと区別できるように表記する

③自分が書いた文章に、やむを得ず他人が書いた文章を入らなければ話が進まない時のみで認められる

④引用する他人の文章は、一語一句変えてはいけない

⑤引用元を表記する(本のタイトル、ネットのURLなど)

ネット上は著作権の無法地帯!?

 実は、前述した引用ルールはあまり知られていないことが現状のようです。
 
ネット上のまとめサイト、掲示板、ブログなどには、他人が書いたニュース記事の全文を掲載したり、複数の記事からの引用し、それを組み合わせたものだけでひとつの記事をつくったりするものがあります。
これは、引用のルールに反した著作権違反と言えます。

このような引用ルールを無視した記事が、ネット上にはたくさんあり、著作者は対応しきれない状況になっています。違法な記事を掲載するサイト管理者、記事の執筆をするライターのモラルが問われている現状と言えます。
 
 

ネットは著作権侵害がしやすい環境!?

 ネット上に著作権違反の記事などが多く存在する理由のひとつとして、パソコンの「コピー」(複写・複製)「ペースト」(転写・貼り付け)機能の備わりがあります。

 新聞や雑誌に掲載されている文章を引用しようとすると、わざわざ書き写さなければなりません。しかし、パソコンに備わっている機能を使用すれば、とても簡単に他の文章から、自分の文章に言葉を引用することが可能です。

 したがって、パソコンやネットが普及したことに伴って増加した問題とも言えます。

引用方法、間違えるとどうなる?

 著作権法に基づいた引用の正しいルールをお伝えしてきましたが、そのルールを無視してネット上に掲載するとどうなるのでしょうか。

 答えは、「著作者からの訴えで削除される可能性」があります。

 引用ルールの違反は、著作権法違反の法律違反ともなります。そのため、被害者を訴える著作者から削除の依頼が遭った場合は、問題の記事を掲載しているサイト管理者は削除を検討せざるを得ません。

 また、削除だけではなく、著作権法違反で逮捕される可能性もゼロではありません。

 著作権は「親告罪」(注釈1)です。引用ルールの違反の被害を受けた著作者が、警察などの捜査機関に被害届を提出し、それが受理されれば、警察は捜査に乗り出すことになります。

(注釈1)
 「親告罪」とは、被害を受けた人が、警察などの捜査機関に親告しなければ、捜査機関は捜査できないという犯罪です。
 そして、殺人など被害者が捜査機関に親告しなくても、事件が発生すれば捜査できる犯罪を「非親告罪」と言います。

「引用」と「転載」の違い

 この記事では「引用」を中心にお伝えしてきましたが、似たような意味合いを持つ「転載」という言葉があります。

 転載とは、引用と同じく他から文章や写真などコピーして、自分の記事などにペーストすることを言います。
 引用と同じようにも思えます。しかし、転載は、引用のように「話しを進める上でどうしても必要な一部分」を他の文章などで補うのではなく、「大部分」を他の文章などからコピペするという違いがあります。

 例えば、好きな小説を自分のブログなどで紹介したいからと言って、ブログの大部分を小説の転載で埋めてしまうような場合が転載となります。

【転載のイメージ図】

大手報道機関は転載禁止!?

 「ニュース記事」は、事件や事故、政治などの事実を言葉で表現して世間に伝える文章です。新聞記事やネットの記事一つひとつには著作権があります。

 そして、政治や社会のニュースを伝えるという性格上、大手報道機関はネット上に掲載されるニュース記事は約3ヶ月で削除する傾向があります。
 事件や事故の場合、被害者が加害者の名前を載せて報じることがあるため、ネット上に記事を掲載することで半永久的にその名前が残る可能性が防ぐためです。

 また、大手報道機関のほとんどが、ネット配信するニュース記事の無断転載を禁止しています。著作権法で定められた引用ルールに則った方法で記載しても、必ず著作者である報道機関の許可を得る必要があります。
 これも、ニュース記事が引用によって拡散し、そのニュースに名前が載った人のその後の人生に配慮したものと思われます。

 しかし、この禁止事項を無視若しくは知らずに、まとめサイトなどに転載する人が多く存在してしまっています。例え無知で転載していたとしても、転載してしまったことは事実のため、責任を問われる場合も考えられます。

ジャニーズとディズニーは「引用」「転載」両方ともNG!?

 多くの男性アイドルが所属する「ジャニーズ事務所」とミッキーマウスなどの人気キャラクターがいる「ディズニー」は、著作権に対して厳格として知られています。

 アイドルやキャラクターが写っているポスターや画像も著作物になりますが、使用の申請をしても許可は下りません。
 そのため、ジャニーズに関しては、雑誌の表紙に写っているはずのアイドルの姿が、グレーのシルエットになっているところを見たことはないでしょうか。

 引用は、著作者の許可をとらなくても良いとしていても、「著作者の意向を確認する」というが本来、暗黙のルールとしてあります。
 つまり、ネット上で引用や転載が乱用されないように、著作者に許可を得てから引用や転載を行うことが、社会的に筋の通った方法と言えることでしょう。

最後に

 ネット上でさまざまなメディアが発達したことで、誰もが簡単にまとめサイトやブログで情報を発信できる時代になっています。 
 自分の声を世間に発信できるというメリット一方で、お伝えしたような著作権違反がネット上では目立ちます。
 
 著作権法という法律は、皆さん一度は耳にしたことのあると思いますが、その内容を詳しく知っている人は少ないことでしょう。それは、著作権という権利がとても複雑でわかりづらいということが理由にあると思われます。

 もし、ネット上で著作権法に関するトラブルに遭った場合、弁護士に相談することが問題解決に向けた一番の近道と言えます。