SNS (ソーシャルネットワーキングサービス)の急速な普及により、自分の声をネット上に、自由に発信することができるようになった現代。こうした中で他人に対して誹謗中傷する投稿も増え、問題視されるケースも多くなってきています。
ここでは、ツイッターで誹謗中傷を受けた場合の削除依頼方法についてお伝えします。
誹謗中傷とは
誹謗中傷とは、根拠のない悪口を徹底的 に言い、他人の社会的名誉を傷つける言動のことを指します。例えば、ネット上に書かれる誹謗中傷は、以下のようなものがあります。
■「○○さんは、社内で不倫している」
■「○○さんは、前勤務していた会社で横領していた」
■「○○会社は従業員に給料を支払ってない」
このような言葉がSNSや掲示板、口コミサイト等で後を絶ちません。
ツイッターの違反行為
ツイッター社は、本来の目的である「公共の場における会話に自由に参加出来ること」を保障するために、「表現の自由を尊重し、開かれた話し合いを行うべき」という基本原則を定めるとともに、以下のようなツイートを違反行為と定めています。
セキュリティ
・暴力
・テロ行為/暴力的過激主義
・児童の性的搾取
・攻撃的な行為/嫌がらせ
・ヘイト行為
・自殺または自傷行為
・写実的な暴力描写や成人向けコンテンツを含むセンシティブな画像/動画
・違法または特定の規制対象商品・サービスプライバシー
・個人情報
・合意のない裸体の描写信頼性
・プラットフォームの操作およびスパム
・選挙の清廉性
・なりすまし
・合成または操作されたメディア
・著作権および商標
引用元:https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/twitter-rules
上記のルールの違反をすると、ツイッター内の書き込みや画像等、投稿制限やアカウント凍結等の罰則を科せられます。
誹謗中傷は、上記内の「攻撃的な行為/嫌がらせ」に該当します。
もし、誹謗中傷のツイートをされた場合は、ツイッター社に違反報告をすれば削除してくれる可能性があります。
削除依頼の方法
それでは、誹謗中傷の削除依頼の方法についてお伝いたします。
【方法①】DMで削除依頼をする
問題のあるツイートをしたアカウントとDM(ダイレクトメッセージ)が可能な場合は、直接コンタクトをとって削除依頼をしてみましょう。
その際、トラブルを避けるために穏便に削除の依頼をしましょう。
【方法②】ツイッタージャパンの削除依頼をする
ただ、DMでは削除に応じない可能性もあります。その場合は、ツイッターを運営するツイッタージャパンに削除依頼をしましょう。
ツイッタージャパンへの削除依頼は、問い合わせページから行います。問い合わせページに移動すると下記画像のように表示されます。
誹謗中傷の報告をする場合は、「嫌がらせ」を選択します。すると、以下2つのような画面に移ります。
1項目ずつ説明させていただきます。
■何についての報告ですか?
該当するものを選択してください。
■誰が迷惑行為を受けていますか?
該当するものを選択してください。
■報告対象のアカウントによるツイートを証拠として教えてください。
報告対象のツイートのURLは、ツイート内に表示される下記画像の丸印で囲われたアイコンをクリックします。
すると、ポップアップメニューが表示されます。「ツイートへのリンクをコピー」を選ぶと、クリップボードにツイートのURLがコピーされますので、それを報告対象ツイートのURLに貼りつけましょう。
■問題の詳細
問題のあるツイートによって、どのような誹謗中傷を受けているか入力しましょう。第三者にも分かるように伝えてください。
■報告社本人について
「メールアドレス」「Twitterユーザー名」には、自身のアカウント情報が自動入力されています。「署名」には本名をフルネームで入力してください。
以上の項目を全て選択・入力し「送信する」をクリックすると、自動返信メールが届きます。本人確認書類の提出についての内容が送られてきます。提出はスマホで免許証やパスポート等を撮影して送信するだけです。
以上で、誹謗中傷の削除依頼が完了します。
削除依頼に要する期間
削除依頼から実際に削除されるまでに要する時間は、7〜10日前後です。削除されるまでに時間を要するので早めに削除依頼をした方がよいでしょう。
削除依頼と相手への通知
誹謗中傷の削除依頼をする方の中には、依頼したことがバレたくないという方もいるでしょう。誹謗中傷の削除依頼をした情報は、相手には通知されません。
削除依頼をした情報は、あくまでもツイッター社が削除するかどうかの判断材料のために使用するものです。ですので、相手には通知がいきません。
削除できない場合
以上で紹介した方法で削除依頼をしても、削除できない可能性も考えられます。その場合は、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
実は、他にも方法があります。次の2つの方法が挙げられます。
【方法①】仮処分
仮処分とは、裁判をせずに勝訴(裁判で勝つこと)時と同じ状態を確保する手続きのことをいいます。
判決が下されるまでに1年前後あるいはそれ以上の期間を要する裁判に対して、仮処分は数日から数週間で判決が下されます。
裁判で判決が下されるのを待っていては問題のあるまとめ記事が拡散される恐れがあります。スピーディーな解決が望まれるインターネット上のトラブルは、裁判より短期で判決が下される仮処分の方がよいと言えるでしょう。
【詳細記事】仮処分とは?わかりやすく解説
【方法②】発信者情報開示請求
発信者情報開示請求とは、プロバイダに対し、発信者の情報(住所・氏名・登録された電話番号等)の開示を求めることをいいます。
発信者情報開示請求は、投稿者を突き止めて、本人に削除してもらうこと等を目的に行います。
弁護士に相談をするのがオススメ
以上の「仮処分」「発信者情報開示請求」は法的手続になるため、法律に関する専門知識が必要になります。自身で手続きを進めていくことは非常に難しいです。
昨今は、インターネットネット上のトラブル解決を得意分野とする弁護士が現れています。ですので、インターネット上のトラブルに強い弁護士に相談をすることをオススメします。弁護士に相談をすれば、それぞれの問題に対し的確に応じてくれるでしょう。
まとめ
ツイッターでは、誹謗中傷のツイートを違反行為と定めています。そのため、ツイッター社に依頼をすれば削除に応じる可能性があります。
ただ、誹謗中傷に苦しむ方の中には、削除依頼をしたら相手に通知がいくのではないか、と懸念して行動出来ずにいる方も少なくありません。ですが、削除依頼をするために提供した情報は、あくまでもツイッター社が削除の可否を判断するために使用するものであり、相手に通知はいきません。
ですので、誹謗中傷に苦しんでいる方は、人知れず苦しむのではなく削除依頼をしてみましょう。それでも削除されない場合は、インターネット上のトラブルに強い弁護士に相談することをオススメします。