著作権は無視?NAVERまとめに無断転載された場合の対処法

  • 2018.05.22
著作権は無視?NAVERまとめに無断転載された場合の対処法

2016年に医療系キュレーションサイト「WELQ(ウェルク)」をはじめとする株式会社DeNAが運営する複数のサイトが、不正確な情報や著作権を無視した引用を使用した記事を掲載していたことでサイトの休止へと追い込まれました。

この問題で、キュレーションサイトに蔓延る著作権侵害の問題が表面化され、同様のサイトを運営する複数のIT企業は、サイトの見直しが行われました。
しかし、現在でも不正確な情報や著作権を侵害している記事は多く見受けられることが現状です。

今回は、キュレーションサイトの「ネイバーまとめ」で写真や記事の著作権侵害、SNSの無断転載が行われた場合、どのような対応をとればよいのかをご紹介します。

ネイバーまとめとは?

ネイバーまとめとは、無料通話・メッセージアプリのLINEを提供する「LINE株式会社」の子会社「ネクストライブラリ株式会社」が運営するキュレーションサイトです。

キュレーションサイトとは?

「キュレーションサイト」とは、「まとめサイト」とも言われ、ひとつのテーマに関する記事を他のメディアから集めて、情報をまとめて作成した記事を掲載するサイトです。掲載される記事を「まとめ記事」と呼びます。

他のメディアから、画像や文章を引用(他人が書いた文章を自分の記事に用いること)して記事を作成することから「パクリサイト」とも呼ばれることがあります。

ユーザーが作るまとめ記事の問題点

ネイバーまとめに掲載される記事は、ユーザーがサイトに無料の会員登録を行うことで、誰でも作成することができます。
そして、記事を作成したユーザーは、ページビュー(PV)数に応じてインセンティブ報酬を受け取ることができます。

記事は、ネット上に掲載されている他のメディアの記事を集めて作成します。取材などは行わず、パソコン一台あればできるため、誰もが手軽にはじめることができる作業です。

しかし、記事を書くのは一般ユーザーですから、荒っぽい言い方をすると素人が取材もせず、憶測を交えて記事を作成し、不正確な情報を掲載してしまう危険性があります。
また、他人の記事や写真を引用することで、著作権を侵害する恐れも生じます。

著作権とは?

著作権とは、小説、映画、絵画、音楽、建築など思想や感情をもとにして創作したものを、創作した人が持つ権利です。
この権利は、写真の撮影者、記事を執筆した人、又はその写真記事を出版した企業(出版社など)にあります。

例を挙げると、新聞社が紙面に掲載した記事の一つひとつに著作権があります。また、テレビ局が制作したバラエティ番組にも著作権があります。
この場合、新聞記事は新聞社に、バラエティ番組はテレビ局が著作権を持っています。

引用について

法律では、引用することは認められています。
ただし、文章を引用するためには、以下の要件を満たさなくてはなりません。

①引用を使用しなければ記事が成り立たない「必然性」がある
②自分の書いた記事が「主」としたメインで、引用は「従」としてごく一部のみである
③自分が書いた記事と引用部分は、はっきりと区別して表記する
④引用部分を勝手に書き換えてはいけない
⑤引用した出典元を明記する

この要件を満たすと、他人が書いた記事を引用することが可能です。しかし、多くの報道機関などのメディアは、記事の引用を独自で禁止しています。
したがって、引用しようとする記事の出典元が、「引用禁止」や「転載禁止」としていた場合は、記事を掲載する編集部などへ問い合わせを行うか、引用しないことを検討することが良いでしょう。

 

ネイバーまとめ画像・記事の無断引用で著作権違反の問題

ネイバーまとめは、ひとつのテーマに沿って情報を集めて記事を作成するという性質上、他のメディアに掲載された記事や写真の引用が多く存在します。

例えば、あなたの書いたブログが、無断でネイバーまとめの記事に引用されていた場合、どのような対応をとればよいのでしょうか。

サイト運営者に削除依頼する手順

ネイバーまとめの記事一つひとつに、タイトルの右下に「この記事に関するお問い合わせ」という欄があります。
そこからサイト運営者のネクストライブラリへ、削除依頼の連絡を入れることができます。

削除依頼をする手順として、まずは「お問合わせの種類」を選択します。文章や写真の無断引用の場合は、「権利侵害の申請」に該当します。

次に、「お客様情報」として、氏名とメールアドレスを記入します。

最後に、「お問い合わせ内容 」では記事のURL、具体的にどの部分が問題なのかを明記する必要があります。無断で引用された証拠などで資料がある場合は、「ファイルの添付」で送ることが可能です。

 

弁護士に依頼して開示請求

ネイバーまとめに文章や写真を無断引用された本人が直接、運営者へ削除依頼をすることは労力と手間がかかることが現状です。
また、前述した「お問い合わせ」からの削除依頼は、法的な強制力はないため、必ずしも運営者が削除に応じてくれるとは限りません。

文章や写真の無断引用が悪質で、どうしても削除をしてもらいたい場合は、弁護士に相談して削除依頼を行う手段があります。

弁護士に相談して開示請求

開示請求とは、コンテンツプロバイダ(サイト運営者)へ投稿者のIPアドレス(インターネット上の住所)、問題の書き込みがされた日時がわかるタイムスタンプなどの情報を提示させ、インターネットプロバイダ(ネット回線会社:例・docomo、KDDIなど)にその情報を照会して投稿者を特定する手続です。
インターネットプロバイダに照会する際、問題の書き込みのアクセスログ(コンピューターの接続履歴)の保存を求めておくことが重要です。

開示請求の具体例

開示請求の手続の流れをご紹介します。
ネイバーまとめで、の 運営企業・ネクストライブラリへ開示請求の手続を行うと仮定します。

その場合の開示請求の手順として、まずはコンテンツプロバイダ(サイト運営側:ネクストライブラリ) に「発信者情報開示請求書」と題した書類を送ります。これによってコンテンツプロバイダへ、投稿者のIPアドレス、タイムスタンプなどの提示を求めます。もし、情報の開示を拒まれた場合は、裁判所の簡易的な裁判により仮処分を下してもらう必要があります。

次に、インターネットプロバイダに利用者の氏名、住所、連絡先などの個人情報の開示を要求します。
インターネットプロバイダにとっては顧客の個人情報を提供することになるため、「発信者情報開示請求訴訟」の裁判を起こし、裁判所から情報開示の命令を下してもらう必要となる可能性が高いです。

また、インターネットプロバイダへ事前に、アクセスログ(パソコンへのアクセス記録)の保存を求めておきます。アクセスログの保存期間は通常3ヶ月程度とされています。期限が 切れになると消去され、IPアドレスとの照会ができなくなる可能性があるので注意が必要です。

開示請求で問題の書込みをした人物を特定するには、場合によっては3回ほどの裁判を起こす必要があるため、労力と時間を費やすことになります。
この場合は、本人がネット上でのトラブルに強い弁護士に依頼することが一般的です。

 

ツイッターの無断転載

ネイバーまとめには、文章や写真の引用の他、ツイッターの引用を利用した記事も多く掲載されています。

ツイッター利用者の中には、ある日突然、自分のツイートがネイバーまとめの記事に転載されたことに驚き、無断で使用したことを快く思わない人もいることでしょう。
このようなことを阻止するために、プロフィールに「無断転送禁止」と記載するツイッターユーザーも存在します。

埋め込み機能を利用した転載はOK!

ツイッターは、例えばユーザーが掲載した画像をダウンロードして、それを他のアカウントやサイトに転載することは禁止していますが、画像が掲載されたツイートごと他のサイトに埋め込むことは認めています。
これは、下記のツイッターの利用規約に記されています。

本サービスまたは本サービス上のコンテンツの複製、修正、これに基づいた二次的著作物の作成、配信、販売、移転、公の展示、公の実演、送信、または他の形での使用を望む場合には、Twitterサービス、本規約またはdev.twitter.comに定める条件により認められる場合を除いて、当社が提供するインターフェースおよび手順を使用しなければなりません。

つまり、ツイッター上に掲載された画像だけを引用することはNGですが、ツイートをそのまま引用すれば認めるという旨が記載されています。

ツイッターをそのまま他の記事に転載する場合は、「埋め込みURL」を使用します。このようなURLを設けて、他の記事への転載を推奨しているとも考えることができます。

 

どうしてもツイッターを転載されたくない場合

ツイッターは、埋め込み機能を利用した転載をOKしています。しかし、ユーザーの中には埋め込みの無断転載も嫌だという人もいることでしょう。

そのような場合は、プロフィールに「埋め込みによる無断転載禁止」と記載するか、またはツイッターを非公開の設定にする対処法しかないことが現状のようです。
無断でツイートを転載しようとする人は、プロフィールに注意書きがあれば、転載を考えている人も諦めるか、ダイレクトメッセージ(DM)を利用して連絡をしようとするなどの行動に移すことが考えられます。

最後に

ネイバーまとめは、「利用者に生じたあらゆる損害について一切の責任を負いません。」と利用規約に記しています。
つまり、例えばまとめ記事を作成したライターが、文章や写真の無断転用を行い、損害賠償を求められた場合、運営者のネクストライブラリは責任を一切取らないという旨が記載されています。
全ての責任は、記事を作成したユーザーにあるということです。
したがって、ネイバーまとめで記事を作成するライターは、十分に著作権などに気を付けなければなりません。