先手必勝!誹謗中傷発信者に迫る『証拠』保存の方法

  • 2017.10.16
先手必勝!誹謗中傷発信者に迫る『証拠』保存の方法

雑誌や新聞とは異なり、インターネット上の情報は、簡単にアップロード出来、また、簡単に削除出来ます。そのため、Twitterやブログに誹謗中傷を書き込まれた時、加害者を突き止めるために先だって行動を起こしてしまうと、証拠を保存する前に、問題だとされる書き込み等が、削除・修正されてしまう可能性があります。

「削除されたのなら問題ない」というお考えでしたら解決ということもありますが、直接被害を受けた場合には、発信者情報の開示請求や、損害賠償請求も視野に入るでしょう。
この記事は、いわれなき誹謗中傷を受けた個人、法人の方向けに、加害者追及のために必要な証拠を保存する方法についてご説明するものです。

『証拠保存』の必要性

インターネット上で誹謗中傷等の攻撃をしてきた発信者情報開示請求(書込みをしている人物を特定する手続) をする際には、「○○に△△という書込みがある」と、コンテンツプロバイダ(またはホスティングプロバイダ)に示す必要があります。
それは、発信者(=加害者)をダイレクトに見つけることは出来ないので、発信者が使っているIPアドレスを辿り本人を特定するためです。
その際被害者は、証拠となる(=誹謗中傷をされた)サイトを保存して置かなければなりません。なぜなら、その書込みが削除されてしまった場合、証拠不十分として発信者情報開示請求が出来なくなってしまうだめです。
※「『IPアドレス開示請求』で誹謗中傷加害者を暴く」にサイト内リンク

保存の際のポイント

書込みに法的根拠を持たせるためには、保存の際に2つのポイントがあります。
① 問題のサイトの内容とURLが明確に分かるようになっていること
② 問題の書込みがきちんと目視・確認出来ること
加えて、該当ページだけでは証拠として足りないかもしれない、と思われたら、関連する書込みのあるページもともに保存しておきましょう。

「証拠」として確立させる

既述の①でも述べた通り、該当ページを見つけても、その記事のURLが分からない場合は、サイトの存否さえ判断出来ないため、証拠としては使えません。
この点については平成22年6月29日の知財高裁で

「インターネットのホームページを裁判の証拠として提出する場合には、欄外のURLがそのホームページの特定事項として重要な記載であることは訴訟実務関係者にとって常識的な事項である」

と判決が下されており、URLが明らかでない該当ページの印刷物は、証拠としての価値が否定されています。

証拠保存の方法

サイトを証拠として保存する代表的な方法は、次の6つです。
① スクリーンショット(キャプチャ)を撮る
② PDFやMicrosoft XPS Writerで出力する
③ 紙に印刷する
④ パソコンの画面を写真や動画に撮る
⑤ インターネットアーカイブ
⑥ Google キャッシュ
⑦ ウェブ魚拓
では、これらを1つずつ確認していきましょう。

①スクリーンショット(キャプチャ)

スクリーンショット(キャプチャ)を撮る際の注意事項は、そのページのアドレスバーが全部明確に表示されている、という点です。
では、そのスクリーンショットは、どのように撮影するのでしょうか。撮影方法を、OSごとにご案内します。

○パソコン・Windows(参考・NEC)
https://121ware.com/qasearch/1007/app/servlet/relatedqa?QID=017976
○パソコン・Mac(参考・アップル社)
https://support.apple.com/ja-jp/HT20136
○スマートフォン・iPhone(参考・アップル社)
http://www.ipodwave.com/iphone/howto/screenshot.html
○スマートフォン・Android(参考・SONY)
https://www.sony.jp/support/tablet/guide/dialogue/009/

無事にアドレスバーまで入れて撮ったスクリーンショットは、「Microsoft Word(俗にいう“ワード”)」や「ペイント」といったソフト(アプリ)を開いて、それぞれに貼り付ければ保存できます。

②PDFやMicrosoft XPS Writer

PDFとは、Adobe Systems社が開発した、Portable Document Formatの略称です。PDFは、データを実際に紙に印刷した時の状態を、そのまま保存することが出来るファイル形式です。
それは、どんな環境のパソコンで開いても同じように見ることが出来る、電子的な紙だと言えます。
基本的には同社が提供する「Adobe Acrobat」というソフトを使いますが、PDF保存・出力が出来るフリーソフトも多数出ています。
また、PDFに関しては、「Google」のウェブブラウザである「Google Chrome」だと、サイトを簡単に保存・出力出来る機能があらかじめ備わっています。

○(保存するウェブページで)右上の「設定ボタン」をクリックして、「印刷」をクリック

○「変更」をクリック

○「PDFに保存」をクリック

○「保存」をクリック

○保存したい場所を指定して「保存」をクリック

以上で完成です。
「Microsoft XPS Document Writer」というのは、Windows Vista以降のウィンドウズのパソコンにインストールされているもので、基本的にはPDFと同じ機能を有しています。
但し、保存形式はXPSという独自の形式になります。

③紙に印刷

紙にそのまま印刷するという方法でも問題はありません。こちらはただ印刷ボタンを押すだけですので、PC初心者に方にはおすすめです。注意点は、PDFやXPSで保存する時と全く同じです。URL等が見切れないように気をつけます。

④パソコンの画面を写真や動画で撮る

こちらも非常に簡易な手段です。そのサイトのトップページから問題の書込みまでの遷移を全て記録することが出来ます。
但し、撮影端末によっては、写真・動画を大きく表示した際、解像度が低くURLが読めない、という事態が起こりかねません。注意しましょう。

⑤インターネットアーカイブ

インターネットアーカイブとは、インターネット上に公開されたウェブページを保存し、サーバ上から削除されたコンテンツも閲覧出来るサービスのことです。
インターネットアーカイブは2001年10月からサービスがスタートし、1996年10月以降に公開された膨大な量のウェブページを保存しています。利用者は、インターネットアーカイブのウェブサイトにアクセスすれば無償で利用出来ます。
このシステムを使うことにより、なんと1996年10月まで遡ることが可能になりました。

⑥Google キャッシュ

Googleのキャッシュ機能とは、サイトの検索結果をサーバ上の一時ファイルに保存しているものです。Googleキャッシュであれば、実際のサイトがダウンしていたり、アクセス出来なくなっていたりしても、いつでも閲覧が可能です。
一度お目当てのページを検索し、見つからないようでしたらキャッシュ機能を使ってみましょう。キャッシュされているウェブページの表示方法は こちらです。

ウェブ魚拓

ウェブ魚拓

ウェブ魚拓とは、WWW上のウェブサイトをキャッシュ(高速でのデータ入出力を可能にするメモリのこと)として保存する無料のサービスです。

日本の企業である株式会社アフィリティーが2006年から運営しています。

注意!HTMLでの保存はNG

PCには、サイトをHTMLドキュメントとして保存するという機能もありますが、これは今回の使用目的としては不適切です。
例えば、誹謗中傷の該当部分のスクリーンショットのHTMLドキュメントを開いてみます。すると、一見、ウェブサイトをそのまま保存しているように見えます。
しかしアドレスバーを見ると、「C:¥……」というようなアドレスになっています
この表示は、パソコン内部のCドライブというディスクにデータが保存されていることを意味します。これでは保存したサイトの場所(URL)は分かりませんので、証拠として不十分なのです。

終わりに

個人であれば人格を否定され、法人であれば倒産の危機に瀕するような事態にもなりかねない、誹謗中傷。「インターネットなら匿名だから心配ない」と考えている発信者(=加害者)が気軽に私人または法人を陥れるという言動は、決して許されるものではありません。“先手必勝”で証拠を保存し、迅速な対応で解決を目指してください。