『16,000人』(『https://j-jurist.com/column_35_ameba.html#article01』)を超える芸能人が利用し、国内イチの人気を誇っているブログサービス「アメブロ(アメーバブログ)」。
しかし、人気の一方で多くの誹謗中傷が起こっています。アメブロの誹謗中傷で苦しんでいる方も少なくないのです。
本記事では、アメブロの誹謗中傷記事の削除依頼方法についてお伝えいたします。
アメブロで多くの誹謗中傷が起こる理由
なぜアメブロでは、多くの誹謗中傷が起こるのでしょうか。それには、以下の2つの理由が考えられます。
【理由①】多種多様な人が利用している
多くの芸能人がブログを開設していることを背景に、アメブロの利用者は非常に多いです。そのため、多種多様な人がアメブロを利用しており、様々なイノベーションが起こりやすいのがアメブロの利点でもあります。
その一方で、多種多様な人が利用しているからこそ、価値観の違いが生じ、誹謗中傷が起こりやすい側面がるのです。
【理由②】誰でもブログを始められる
アメブロは、無料でアメーバ会員に登録をすれば、誰でもブログを開設することが可能です。ブログを開設した人のなかには、不特定多数の人に閲覧されているという意識が低く、他人の悪口を投稿する方も少なくありません。その意識の低さが誹謗中傷に繋がりやすくなっているのです。
削除依頼の方法
アメブロで誹謗中傷を受けた場合、どのような削除依頼の方法があるのでしょうか。以下の3つの方法があります。
【方法①】投稿者に削除依頼
まずは、投稿者に直接、削除依頼をしてみましょう。投稿者とコンタクトを取る方法は、「コメントをする」「メッセージを送る」の2通りが挙げられます。
「コメントをする」方法は、ブログのコメント欄を利用して行います。「メッセージを送る」方法は、アメブロのメッセージ機能を利用します。
いずれの方法も、アメーバ会員になれば利用が可能です。
投稿者に直接、削除依頼をする場合は、名誉毀損に当たることを主張すると、対応してくれる可能性が高くなるでしょう。
「メッセージを送る」方法を採る場合の例を挙げます。
件名は、「【緊急】〇〇(名前)です。△△△△(誹謗中傷おが含まれている記事のタイトル)」の件について」にするのがベターです。
そして、メッセージの内容については下記のようにするとよいでしょう。
お世話になります。
〇〇と申します。この度は私への誹謗中傷が含まれる 「〇〇(問題の記事のタイトル名とURL)」という記事の削除を依頼したく、ご連絡申し上げました。
この記事内の「〇〇(問題の表現・内容)」という部分は私への誹謗中傷行為です。
アメブロ上での誹謗中傷行為は利用規約(https://helps.ameba.jp/rules/post_104.html)の第13条(禁止事項)4項、「(2)他の会員や利用者、当社、その他第三者を中傷したり、名誉を傷つけたりするもの、権利を侵害するもの」に該当します。
利用規約違反ですので、現在アメブロ運営への通報を検討中です。また、「〇〇(問題の表現・内容)」という部分は根も葉もない情報であり、このままこの記事の公開を続けるのであれば「名誉毀損」に該当する可能性が高いです。
実際に精神的な苦痛を被るなど、被害が出ています。
こちらについては弁護士と協力し、場合によっては訴訟、慰謝料請求など適切な法的措置を求める予定です。1ヶ月以上ご返答・削除が確認できない場合は、権利者向け窓口から運営に記事並びに投稿者に適切な処置を求めるように報告致しますので、早急に該当記事の削除をよろしくお願い申し上げます。
引用元:https://sakujo.or.jp/ameblo-sakujo/#toc4
【方法②】サイバーエージェントに削除依頼
投稿者に直接、削除依頼をしても対応してもらえない等の場合は、アメブロを運営しているサイバーエージェントに削除依頼をすることをオススメします。
アメブロでは、「権利者向け窓口」というページが設けられています。そこから、サイバーエージェントに削除依頼をすることが出来ます。
削除基準と禁止事項
「権利者向け窓口」に送られた内容を基に、サイバーエージェントは削除するかどうかの判断をします。
その際の判断材料となるものが、アメーバの利用規約に明記されている禁止事項です。アメーバの禁止事項は以下が挙げられます。
規約違反行為本条第1項に定める禁止事項とは以下に定めるとおりとします。
第13条(禁止事項)
4.本条第1項に定める禁止事項とは以下に定めるとおりとします。
(2) 他の会員や利用者、当社、その他第三者を中傷したり、名誉を傷つけたりするもの、権利を侵害するもの
①他の会員や利用者、当社、その他第三者について、誹謗中傷もしくは侮辱する、又は名誉や信用を傷つける行為、表現・内容の送信等
②人種、民族、性別、信条、社会的身分、居住地、身体的特徴、病歴、教育、財産等による差別につながる表現・内容の送信等
③本人の承諾のない個人情報(但し、一般に公開されている著名人などの情報は除く)の送信等
④第三者の商標権、著作権、著作者人格権等の知的財産権、肖像権及びパブリシティ権等の権利を侵害する、又はその恐れのある行為、表現・内容の送信等
⑤第三者の財産、プライバシー等個人の権利を侵害する、又はその恐れのある行為、表現・内容の送信等
引用元:https://helps.ameba.jp/rules/post_104.html
禁止事項に触れている事実を伝えることが、サイバーエージェントに削除対応をしてもらえる可能性を高くするコツです。
「権利者向け窓口」を記入する際の注意点
では具体的に、どのように削除依頼をするのがよいのでしょうか。「権利者向け窓口」では、以下の内容を記入しなければなりません。
①アメーバID
②メールアドレス
③サービス名(アメブロの場合は「ブログ」を選択)
④あなたの権利が侵害されているページURL
⑤上記URLに記載されている侵害内容
⑥侵害されている権利
⑦希望の対応(削除依頼を希望する場合は「削除」を選択)
⑧あなたの立場
⑨権利者であることを証明出来るWEBページのURL
ここで疑問が生じやすい「⑤上記URLに記載されている侵害内容」「⑥侵害されている権利」「⑨権利者であることを証明出来るWEBページのURL」を深掘りしながら説明させていただきます。
■⑤上記URLに記載されている侵害内容
侵害内容については、例えば名誉毀損に当たる場合であれば、以下のように記入例を参考にしましょう。
【「上記URLに記載されている侵害内容」の記入例】 記事内の「○〇〇〇」という部分が、私に対する誹謗中傷と言えます。その情報は、不特定多数に公開されているため、「名誉毀損」に該当する大変危険な状態であり、私の名誉が傷つけられます。 |
上記のように記入することで、削除に応じてくれる可能性が高くなるでしょう。
■⑥侵害されている権利
アメブロの誹謗中傷では、既出の名誉毀損以外に、以下のような侵害を受ける可能性があります。名誉毀損も含めて説明させていただきます。
アメブロの誹謗中傷で受ける可能性がある侵害 | 定義 | 例 |
名誉毀損 | 不特定多数の状況下で、他人の社会的評価を下げる行為 | ・○○というお店はヤクザが経営している ・この店は腐った食材を客に平気で出してくる |
侮辱 | 具体的な事実を避け、おおやけの場で社会的評価を下げる行為 | ・○○というお店は接客が酷い ・全従業員が頭おかしい |
プライバシーの侵害 | 公共の場で、公開を望んでいない個人情報や私生活の情報を暴露する行為 | ・〇〇(フルネーム)という店員に騙された ・このマンションには〇〇(フルネーム)が住んでいる |
信用毀損 | 故意に嘘の噂を流したり人を騙したりして、他者の信頼を傷つける行為 | 「〇〇というお店のラーメンにハエが入っていた」という事実無根の口コミによって、客足が少なくなった |
脅迫 | 他人を脅かす目的で危害を与える行為 | ○月○日までに店を撤退しなければ放火してやる |
肖像権の侵害 | 本人の許可なく、画像や写真を不特定多数の人が見られる場に公開する行為 |
「侵害されている権利」は、上記の表で挙げた「名誉毀損」「侮辱」「プライバシーの侵害」「信用毀損」「脅迫」「肖像権の侵害」のうち、該当するいずれかを記入するとよいでしょう。
■⑨権利者であることが証明出来るWEBページのURL
「⑨権利者であることが証明出来るWEBページのURL」では、本人確認が出来るWEBページのURLを記入しなければなりません。
本人確認が出来るWEBページは、フェイスブックやツイッター、インスタ等のSNSアカウント、自身のホームぺージ、企業・学校等で発行された個人ページ等が挙げられます。
【方法③】送信防止措置
送信防止措置とは、削除依頼を受けたプロバイダ等が、インターネット上の権利侵害のコンテンツを削除することをいいます。
【方法②】で対応してもらえない場合には、送信防止措置を採るとよいでしょう。また、サイバーエージェントが【方法②】で応じる場合でも、送信防止措置に関する書類の提出を求められるケースがあります。
送信防止措置を採る場合は、アメブロから用意されている「送信防止措置の依頼書」をダウンロードしてください。
その送信防止措置依頼書には、「掲載されている場所」「掲載されている情報」「侵害されたとする権利」「権利が侵害されたとする理由」を記入しなければなりません。方法②を参考にして記入しましょう。
また、送信防止措置依頼書の他に本人確認書類の提出も求められます。
個人の場合は、住民票やパスポート、運転免許証、保険証等が本人確認書類になります。法人の場合は、発行3ヶ月以内の「押印と同じ印影の代表取締役印の印鑑登録証明書」「代表者の資格証明書」の提出をしなければなりません。
送信防止措置依頼書と本人確認書類の準備が完了したら、以下の宛先に郵送しましょう。
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町40番1号 Abema Towers 6階
(株)サイバーエージェント アメーバカスタマーサービス
削除の可否は約2週間後に送付される回答書で分かります。
別の削除依頼方法
これまでに紹介した削除依頼方法で対応してもらえない場合は、泣き寝入りするしかないのでしょうか。実は、他にも方法はあります。
【別の方法①】検索結果の削除申請
検索エンジンに引っかからないように削除申請をするという方法があります。記事自体は削除されないので根本的な解決にはなりませんが、読者の目に触れる機会を減らす効果が期待出来ます。
グーグル等の検索エンジンに申し立てをすることで検索結果の削除申請が可能になります。
【別の方法②】仮処分
仮処分とは、裁判をせずに勝訴(裁判で勝つこと)時と同じ状態を確保する手続きのことをいいます。
判決が下されるまでに1年前後あるいはそれ以上の期間を要する裁判に対して、仮処分は数日から数週間で判決が下されます。
裁判で判決が下されるのを待っていては問題のある口コミが拡散される恐れがあります。スピーディーな解決が望まれるインターネット上のトラブルは、裁判より短期で判決が下される仮処分の方がよいと言えるでしょう。
【別の方法③】発信者情報開示請求
発信者情報開示請求とは、プロバイダに対し、発信者の情報(住所・氏名・登録された電話番号等)の開示を求めることをいいます。
発信者情報開示請求は、投稿者を突き止めて、本人に削除してもらうこと等を目的に行います。
弁護士に相談するのがオススメ
前項で紹介した「仮処分」「発信者情報開示請求」は、法的手続になるため、自身で進めていくのは難しいです。ですので、それらを行う場合は、法律に詳しい弁護士に相談することをオススメします。
弁護士に相談をすれば、どのようにすればよいのか助言してくれるでしょう。
自身の記事へのコメントを削除したい場合
誹謗中傷は記事だけではありません。自身が書いた記事のコメント欄で誹謗中傷が行われる場合もあります。
その場合は、削除依頼をしなくても自身でコメントを削除することが出来ます。管理画面から削除が可能です。次に紹介する手順で削除が可能です。
■パソコンの場合
手順①:ブログの管理画面から「コメント管理」にアクセスする
手順②:コメントの一覧が表示されるので、削除したいコメントのチェックを入れて、「削除」をクリック
■スマホの場合
手順①:アメーバのホームから「ブログ管理」をクリック
手順②「最近ついたコメント」で削除したいコメントをクリック
手順③:「削除」をクリック
また、誹謗中傷のコメントが公開されないように承認制にすることも可能です。アメブロの基本設定ページで、「設定・管理」から「各種設定」「コメントの設定」と移り、「コメントの公開方法」を「承認後に公開」に設定することで、コメントの承認制が完了です。
最後に
アメブロは、国内最大級のブログであるため、様々な人が利用することで誹謗中傷が発生しやすい環境と言えるでしょう。
また、ネット上の誹謗中傷は、ネットが普及してからのここ数年で表面化している問題のため、認識不足でルール違反をしている人も多いのが現状です。
もし、アメブロで誹謗中傷の被害を受けた場合は、この記事でお伝えした削除依頼方法や弁護士への相談を駆使してみてください。