ネット上のトラブル発生に役立つ「プロバイダ責任制限法」とは?

  • 2018.07.10
ネット上のトラブル発生に役立つ「プロバイダ責任制限法」とは?

インターネットが普及し、日常生活の上でも必需品となった現代で、ネット上で顔も名前も知らない人物とトラブルになることも少なくありません。

この記事では、ネット上のトラブルに巻き込まれた際に一番役立つ法律「プロバイダ責任制限法」についてお伝えします。

「プロバイダ責任制限法」とは?

「プロバイダ責任制限法」とは、2001年11月に成立し、2002年5月に施行された法律です。
ネットが普及したことに伴って、トラブルも増えたことが背景となり制定されました。

この法律の正式名称は、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報開示に関する法律」と言い、とても長い名称です。
そのため、法律の趣旨をとり「プロバイダ責任限定法」と呼ばれています。

では、呼称ともなっている法律の趣旨「プロバイダ責任限定」とはどのような意味を持っているのでしょうか。

「プロバイダ」とは?

「プロバイダ責任制限」という名称の前半にある「プロバイダ」という言葉を聞くと、インターネットプロバイダ(ネット回線会社)を思い浮かべる人も多いことでしょう。
しかし、この法律の「プロバイダ」には、サイト管理者のコンテンツプロバイダ、サーバー管理者も含まれています。

要するに、プロバイダ責任制限法で言う「プロバイダ」は、下記の3者を指します。

■インターネットプロバイダ(ネット回線会社)

■サーバー管理者

■コンテンツプロバイダ(サイト管理者)

この3者は、掲示板やSNS、ブログなどで権利侵害(注釈1)などのトラブルが発生した場合、被害者と加害者に板挟みになりかねない立場であるため、法律によって責任が制限されています。

つまり、プロバイダ責任限定法は、「プロバイダ」を保護している法律と言えます。

(注釈1)
権利侵害とは、名誉や著作権、プライバシーなどを侵害されることです。

「責任制限」とは?

呼称の後半「責任制限」は、プロバイダの責任を負う範囲を制限しているということです。

プロバイダが責任を負う範囲は以下の通りです。

■ネット上で他人の権利を侵害する書込みがあることを認識し、さらにそれを削除できる状況にも関わらず実行しない場合

■ネット上で他人の権利を侵害する書込みがあることを知り得る状況にも関わらず、なにも対処を行わない場合

つまり、プロバイダが、匿名サイト上で他人を誹謗中傷、著作権無視などの投稿があることを、知り得る状況であるにも関わらず、削除を行わない場合、プロバイダは被害者に対して損害賠償(慰謝料)を支払わなければならない可能性があります。

逆に言うと、プロバイダがネット上の権利侵害トラブルが発生しても知ることが出来ない状況、技術的に削除ができない状況である場合は、責任は問われません。

また、プロバイダがネット上で他人の権利を侵害する書込みの存在を知った場合、それを勝手に削除しても良いとされています。
そのことで、書込みを行った本人が「勝手に削除するな!」と損害賠償請求をしても、プロバイダが責任を問われることはありません。

ノートパソコン

プロバイダ責任制限法が定める「被害者」の権利

プロバイダ責任制限法では、ネット上のトラブルでの被害を訴える「被害者」に対しての保護も図っています。

被害者を救済する措置として、プロバイダ責任限定法では、以下の2つの権利を認めています。

送信防止措置請求権

「送信防止措置」とは、掲示板やSNS、ブログなどのネット上で、権利の侵害を受けた場合、その情報の削除を求めることを指します。
削除を求める相手は、サイト管理者のコンテンツプロバイダです。

削除の依頼を受けたコンテンツプロバイダは、削除を行うか否かの判断を自らで行うことが可能です。

「送信防止措置請求書」についての詳細はコチラをご覧ください。

発信者情報開示請求書

「発信者情報開示」における「発信者」とは、ネット上に書込みを行った人を指します。そして、「情報開示」とは、相手が持っている情報を提示するように求めることです。

つまり、「発信者」の「情報」を提示するように求めることを指しています。
被害者が、知ることができる発信者の情報は以下の通りです。

①氏名

②住所

③メールアドレス

④IPアドレス(インターネット上の住所)

⑤タイムスタンプ(問題の情報が投稿された日時)

①②③の情報をコンテンツプロバイダへ。④⑤の情報をインターネットプロバイダに照会することで発信者を特定します。

「発信者情報開示請求書」の詳細はコチラをご覧ください。

ネット上のトラブルに遭ったら弁護士に相談!

「プロバイダ責任制限法」は、ネット上のトラブルが発生した場合、解決への道筋を定めた法律と言えます。

ですが、この法律を熟知したとしても、ネット上で他人から権利侵害された場合は弁護士に相談することをオススメします。
その理由として、被害者の保護を図るための権利「送信防止措置請求権」「発信者情報開示請求」は、法的な手続きです。
そのため、プロバイダ責任制限法のみならず、幅広い法律知識を持つ人間が書いたほうが、より明確に法的な根拠を示した書類に仕上がることが予想されます。

また、匿名サイト上でのトラブルは、顔も名前も知らいない相手とのトラブルになる場合がほとんどです。
そのため、二次被害という形でトラブルが広がる場合も考えられ、解決へ向けて動き出しても展開が予想しづらいことも挙げられます。
そのような時、弁護士が間に入っていることで、加害者と直接話し合いをする必要がなく進展することができます。

現在、ネット上のトラブルを専門に解決する弁護士が存在します。
ネット上でのトラブルに巻き込まれた場合、このような弁護士に相談することは、解決へ向けての有効的な手段です。