音楽著作権を管理する「JASRAC」とは?違法アップロードの削除方法を紹介

  • 2019.02.19
音楽著作権を管理する「JASRAC」とは?違法アップロードの削除方法を紹介

インターネットを通じて音楽を聞く人も多いことでしょう。
動画共有サービス「YouTube」には、人気歌手の歌やライブ映像が掲載されていて、自由に見たり聞いたりすることができます。また、ネットにアップロードして、作曲した音楽や好きな音楽を広めようとする人もいることでしょう。

 好きな音楽を、好きな時に楽しむことができるネットですが、気づかないうちに「著作権侵害」を行っている場合があります。

 この記事では、ネットにアップロードされる音楽の著作権侵害についてお伝えします。

そもそも「著作権侵害」とは?

 「著作権」とは、人の感情や思想をもとにつくられた「著作物」の作者が持つ権利です。著作権を有する人を「著作者」と言います。
 「著作物」には、以下が挙げられます。

◆言語による著作物(小説、脚本、論文、講演)
◆音楽による著作物
◆美術による著作物(絵画、版画、彫刻)
◆建築による著作物
◆映画による著作物
◆写真による著作物

 「著作権法」では、著作権を持たない人が、これらの著作物を使用する際は、権利を有する人の許可を得なくてはなりません。その際、著作料として代金を支払う場合があります。

 これら著作権に関することは、「著作権法」(注釈1)という法律でルールが定められています。そして、音楽については著作物を管理する組織が存在します。

(注釈1)
 「著作権法」とは、1899年(明治32年)に国際条約のベルヌ条約への加入に合わせて初めて制定されました。著作物の保護を目的にした法律で、現行の定めは1971年(昭和46年)に施行されています。

著作権の管理方法

 音楽を制作すると、制作した人(作曲者)に著作権が発生します。その権利を管理する方法は、主に3つあります。

①自分で管理する
②レコード会社(音楽出版社)に譲渡する
③著作権管理団体(JASRAC)に委託する

 ①の場合、自分で全ての管理を行わなければなりません。例えば、他者が制作した楽曲を使用したいと申し出た場合、自らで著作料や使用ルールを交渉します。②は、CDなどを出版するレコード会社に著作権を代行してもらう方法です。

 そして、一番多いのが③で、著作権管理団体に委託する方法です。このような団体は複数ありますが、国内シェアをほとんど占めているのが「JASRAC」(ジャスラック)です。

音楽著作権を管理する団体「JASRAC」とは?

 「JASRAC」とは、正式名称を「一般社団法人日本音楽著作権協会」と言い、音楽による著作物の保護を目的とする団体です。

 最近では、「ヤマハ音楽教室」などの音楽教室に対して、著作料を徴収する方針を打ち出し、ヤマハ音楽振興会などの音楽教室を運営する数社の団体が、支配義務がないことを主張し提訴したことが話題になりました。

JASRACの役割

 「JASRAC」は、国内のさまざまな場所で使用される著作物(音楽)の管理を行っています。
 具体的にどのような管理を行っているのでしょうか。

 例えば、カラオケボックスで歌を歌う、イベントで音楽を演奏する、楽譜の出版する、店内にBGMをかける、ネットに配信するなど、日常には音楽を使用する機会がたくさんあります。
 ジャスラックは、このような場所で使用される音楽の著作料を、作曲家などの制作者に代わって徴収し、配分しています。また、著作権違反が行われていないかを監視することも役割のひとつです。

 2018年7月、美容室や飲食店など151の事業者、166店舗に対して、著作料を支払わずに著作物である音楽をBGMとして使用したとして、民事調停(注釈2)を申し立てたことを発表しています。
 民事調停の申し立てに至るケースは、過去に例を見ないことでニュースでも取り沙汰されました。

 そして、ネット上は著作権違反が横行している場所として問題視されることもあり、JASRACも監視の目を光らせているようです。

(注釈2)
 「民事調停」とは、簡易裁判所で行われる調停のひとつです。「裁判」は裁判官が両者の主張を聞き、判決を下しますが、調停は当事者同士が裁判所で話し合い、解決を図ることです。

ネットに溢れる「違法アップロード」

 「違法アップロード」とは、他人の著作物を無断でネット上に公開する行為。著作権の侵害です。また、「公衆送信権」の違反にもなります。

「公衆送信権」とは、著作権法で認められている権利です。「公衆」とは不特定多数(大勢)を意味し、「送信」とは著作物を送信することを意味しています。
つまり、著作物をテレビやラジオなどで放送したり、ネット上に配信したりすることで、大勢の人が見られるようにすることを指します。

 一般の人は、勝手に著作物をテレビやラジオで放送することはできません。ですが、ネットには自由に配信することが可能です。

 ネットは、誰でも自由に情報を載せられるという点、「公衆送信権」というあまり聞き慣れない権利という点が重なり、ネット上には「違法アップロード」がたくさん見受けられることが現状です。

違法アップロードの例

 ネットの違法アップロードには、以下のような例が挙げられます。

◆人気歌手のミュージックビデオ(PV)を無断でYouTubeに載せた
◆人気マンガを動画ファイルにして、無断でYouTubeに載せた
◆アダルトビデオを無断でFC2に載せた

著作権を侵害「被害者」「加害者」になったらどうする?

 ネット上での違法アップロード(著作権侵害)は、誰もが被害者になったり、加害者になったりする可能性があります。

 もし、このようなトラブルの当事者になった場合、どのような対応をとればよいのでしょうか。

 問題解決の初期の手段として、コンテンツ(著作物)の削除を求めることが考えられます。その方法を、違法アップロードが多いとわれるYouTubeを例に、以下お伝えします。

YouTube削除

 「YouTube」は、世界最大級の動画共有サイトです。ニュースやスポーツ、エンタメや音楽などさまざまなジャンルの動画がアップロードされ、誰もが自由に掲載したり、閲覧したりすることができます。
 最近では、自らが動画に出演する「ユーチューバー」も登場し、注目されています。

 ネットで好きな時間に、好きな場所で、好きな動画を見ることができるため、爆発的な人気を集める一方で、アップロードされる動画の中には、違法ダウンロードも含まれ問題視されていることも事実です。

 YouTubeの運営側も違法アップロードは厳しい姿勢をとっており、ルールに反するため、コンテンツの削除依頼を受け、応じる可能性があります。

削除の手順

 
①違法ダウンロードを見つけたら、動画の右下に設置されている「…」マークをクリックし、「報告」を選択

②「権利の侵害」をクリックし、「著作権の侵害」を選択

③「著作権に関する申し立てを送信」をクリック

その後、削除を依頼する人の名前、住所を記載し、削除したいコンテツを指定。送信することで削除依頼が完了します。

弁護士に相談!

 違法アップロード(著作権侵害)などネット上でトラブルに巻き込まれた場合、ネットに強い弁護士に相談するという解決法もあります。

 刑事事件(殺人、強盗など)、企業法務(会社に関する法律)、離婚、相続など、それぞれ得意分野を持っている弁護士が多く存在します。そして、ネットの普及によりトラブルも増えたため、ネットのトラブル解決に精通する弁護士もいます。

 ネットのトラブルは、匿名性が高いことから相手の顔や名前がわからないなどのケースが多く、解決するためにITシステムにも詳しくなければならない場合があります。
 このような問題を多く解決した経験豊富な弁護士を味方につけることで、違法アップロードの当事者になった場合でも、スムーズに解決に向かうことが予想されます。