「訴えるぞ!」ネットで脅迫されたらどう対応すればいい?

  • 2019.02.26
「訴えるぞ!」ネットで脅迫されたらどう対応すればいい?

誰もが自由に書き込みをすることができるインターネット。匿名で書き込みができるサイトが多く、気軽に利用することがメリットのひとつです。ですが、その匿名性が高いことから、他人を攻撃しやすい場所になっていることも事実です。

 この記事では、ネット上で発生する「脅迫」についてお伝えします。

「脅迫」とは?

 「脅迫」(きょうはく)とは、他人を脅し、威嚇する行為を指します。さらに噛み砕くと、相手にある目的を行わせようとして、生命や財産などを害すると脅すことです。例えば、「人質をとり、その家族に金銭を要求すること」が該当します。

脅迫罪(刑法222条)

 脅迫を行うと、「脅迫罪」で逮捕される可能性があります。2以下の懲役または30万円以下の罰金と定められています。

 条文では、「生命、身体、自由、名誉、財産」に対して害を加えると脅した場合、脅迫罪に該当する旨が記載されています。

◆生命…「殺すぞ」
◆身体…「殴るぞ」
◆自由…「誘拐するぞ」
◆名誉…「公表するぞ」
◆財産…「家を燃やすぞ」

 具体的には、上記のような言葉を他人に言うと脅迫罪にあたる場合があります。

 脅迫は、相手に脅迫をすることで恐怖心を与える行為ですが、犯罪が成立する条件に「相手が怖がっている」ということは含まれません。
 つまり、「殺すぞ!」と脅した相手が、怖がるような精神的なダメージがなくても脅迫罪は成立すると考えられます。

脅迫罪と隣接する罪

 「脅迫罪」と隣接する犯罪に、「恐喝罪」(刑法249条)、「強盗罪」(刑法236条)があります。金品を目的に、暴力などで相手を脅迫すると、これらの罪に問われる可能性があります。恐喝罪は10年以下の懲役、強盗罪は5年以上の有期懲役と定められ、脅迫罪よりも重い量刑が定められています。

 また、市役所などの公共機関、学校や病院などに対して、ネットに爆破予告の書き込みがされた事件がニュースになることがあります。
 このような場合、「業務妨害罪」(刑法233条、234条)が適用されることが考えられます。例えば、学校への爆破予告の場合、学校などの業務を妨害したとして、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

ネットにおける「脅迫」

 SNSやブログ、掲示板などネットには誰もが自由に書き込みができる場所がたくさん存在します。
 気軽に情報を発信でき、人には聞きにくい情報を得ることができますが、自由すぎるが故に相手を脅す内容を投稿してしまうケースがあります。

ネットで脅迫の「事例」

 SNSやブログ、掲示板を頻繁に利用する人の中には、脅迫するような言葉を目にする人も多いことでしょう。
 ネットの匿名性の高さ、自由に書き込みができることを利用して、脅迫行為に至る人がいます。以下、そのような事例をご紹介します。

お笑いタレント・藤井隆さんへツイッターで脅迫

 お笑いタレントの藤井隆さんが2017年1月、ツイッターに「殺すぞ」と書き込まれたことを明かしています。

藤井さんは、「殺すぞ」という言葉を目にした時の心境を「悔しい」と吐露。嫌な気持ちになったと続け、「スルーが良しだそうですが、そんな品のない言葉に私は慣れるつもりもないですし充分こちらは嫌な気分になっておりますので大成功なさってるんですね。」と不快感をあらわにしています。

タレント・眞鍋かをりさんへブログで脅迫

 タレントの眞鍋かをりさんのブログに「殺す」など殺害予告を書き込んだとして、一般男性が逮捕された事件がありました。

 「死にたいなら殺してやるよ。眞鍋かをりを俺は殺しますので」などと男性が、ブログのコメント欄に書き込んだことで、眞鍋さんが被害届を警察に提出。2014年に警視庁が、男性を脅迫の容疑で逮捕しています。

自衛官が交際女性を脅迫

 自衛官の男性が、交際中の女性に裸の画像を送らなければ危害を与えるとメッセージを送ったとして、脅迫の容疑で逮捕される事件がありました。

 男性は、「裸の写真を送らなければ、写真をばらまくぞ」などと無料通話アプリ・LINEに書き込み、数回にわかり女性に画像を送らせていました。

ネットのトラブルは弁護士に相談!

 SNSやブログ、掲示板などは相手の顔を見なくても言葉を交わすことができます。 そのうな環境は、感情が高ぶると攻撃的な言葉がエスカレートしやすくなります。

また、匿名性が高く、SNSやブログ、掲示板などで本名や顔を知らない相手とメッセージのやり取りをすることもあり、相手の本名や顔を知らないままトラブルに発展するケースもあります。

 ネットで発生するトラブルにはこのような特徴があるため、弁護士のような第三者が介入した方が解決しやすいということが考えられます。

弁護士に相談するメリット

 ここ数十年でネットが普及したことで、ネット上には脅迫のほかにも、誹謗中傷や詐欺、個人情報の晒しなどたくさんのトラブルが発生しています。
 このようなトラブルは増加の一途をたどっている状況で、それに伴いネット上のトラブル解決に精通する弁護士が存在するようになりました。

 ネットで本名や顔を知らない相手とトラブルが発生した場合、「プロバイダ責任制限法」(注釈1)に基づいて、匿名の場合であっても身元を特定する手続きを行うことができます。
 この手続きを行うには、少なからず法律の知識が必要です。そのため、弁護士に相談しながら進めることが良いでしょう。

 また、ネットでのトラブルを解決するには、ネット回線などIT分野についても知識も必要になるケースがあります。この場合でも、ネットのトラブル解決に長けた弁護士であれば、豊富な経験でスムーズに解決へ向けた動きをとってくれることでしょう。

 脅迫など、ネットでトラブルに巻き込まれたら、先ずは弁護士に相談することが、解決への一番の近道かもしれません。