インターネット上のトラブルで多い「誹謗中傷問題」。SNSやブログ、掲示板は匿名で書き込みができるため、誹謗中傷が起こりやすい場所とされています。
この記事では、FC2ブログで誹謗中傷された場合の削除依頼方法についてお伝えします。
FC2ブログとは?
「FC2ブログ」とは、米国・ネバタ州に本社を置く企業「FC2」が運営するブログサービスです。2004年にサービスが開始されました。
FC2ブログは、ブログが普及した当初から存在し、ネットを利用する人は、「FC2」という名前を一度は耳にしたことこがあるのではないでしょうか。
FC2ブログの削除基準
FC2ブログは上記のような誹謗中傷を野放しにはしていません。FC2の利用規約では、禁止事項を設けており、以下のようなコンテンツは削除の対象としています。
02.他の利用者または第三者の信用もしくは名誉を侵害し、他人のプライバシー権、肖像権その他一切の権利を侵害する行為
06.社会道徳・公序良俗に反する行為及び表現。他の利用者または第三者に対して、卑猥な映像・音声・文字列などの情報公開、及びその幇助
08.トラブルに発展しうる個人、特定団体、統治機構、国家、製品、政治体制、信仰、思想、主義、民族、宗教、人種、性その他を差別し、誹謗中傷を行うなど、名誉や信用を毀損する行為及びそれを助長する行為
09.事実がないにも関わらず個人や企業、組織を騙ったり、他の人物や会社、組織と業務提携や協力関係があると偽ったり、それ相応の行為
誹謗中傷を受けた場合の削除依頼方法
誹謗中傷を受けた場合の削除依頼方法は、主に以下の2つが考えられます。
【誹謗中傷①】本人に直接削除依頼する
まずは、FC2ブログの投稿者本人に削除依頼する方法が挙げられます。
投稿者本人には、ブログに掲載されている連絡先やメールフォーム、コメント欄を利用して削除依頼をしましょう。
いずれの場合も、以下のように感情的にならないテンプレ文章にしましょう。
お世話になります。
〇〇 と申します。この度は私への誹謗中傷が含まれる「〇〇(問題のブログ記事のタイトル名とURL)」 という記事の削除を依頼したく、ご連絡申し上げました。
この記事内の「〇〇(個人を特定した誹謗中傷の表現・内容)」 という部分は私への明確な誹謗中傷行為です。
FC2上での誹謗中傷はFC2利用規約「4.禁止事項について」https://help.fc2.com/common/tos/jaに該当する利用規約違反行為です。
この禁止事項の中でも、この内容は「08.トラブルに発展しうる個人、特定団体、統治機構、国家、製品、政治体制、信仰、思想、主義、民族、宗教、人種、性その他を差別し、誹謗中傷を行うなど、名誉や信用を毀損する行為及びそれを助長する行為」「09.事実がないにも関わらず個人や企業、組織を騙ったり、他の人物や会社、組織と業務提携や協力関係があると偽ったり、それ相応の行為」に該当する行為となります。
明瞭な利用規約違反ですので、現在FC2への通報と適切な措置の依頼を検討中です。
また、「〇〇(個人を特定した誹謗中傷の表現・内容)」 という表現は、根も葉もない情報であり、このままこの記事の公開を続けるのであれば「名誉毀損」に該当する可能性が高いです(どの権利侵害に該当するか説明※前章参考のこと)。
実際に精神的な苦痛を被るなど、被害が出ています(説得力を持たせるために実際に被った被害の内容を記載)。 こちらについては弁護士と協力し記事の削除を求め、場合によっては訴訟、慰謝料請求など適切な法的措置を求める予定です。
1ヶ月以上ご返答・削除が確認できない場合は、「不適切サイト報告・異議申し立てフォーム」よりFC2に強制的な措置(結果としてアカウントの凍結など)を依頼致しますので、早急に該当記事の削除をよろしくお願い申し上げます。
引用元:https://sakujo.or.jp/fc2blog-sakujp/
以上のように、利用規約のどこの部分に違反しているのかを具体的に記載すると、対応してもらえる可能性は高くなるでしょう
【誹謗中傷②】FC2に削除依頼
FC2はアメリカ法人ですが、日本に代理店があります。そこに依頼をすれば削除に応じてくれます。
削除依頼をする際は、下記の専用フォームを利用しましょう。
不適切サイト報告・以後申し立てフォームは以下のようになります。
注意項目があるものについて説明させていただきます。
■「お名前」「住所」「メールアドレス」
必須項目なので必ず入力してください。
■「組織名」「ご担当者名」
必須項目ではないので空欄でも構いません。
■「サイト管理人であるユーザーへ、お名前の公開を許諾しますか(許諾しない場合は、削除に応じられないことがあります)
相手に名前の公開をしたくない場合は、「許諾しない」を選択してください。
■被害状況および異議申し立て内容
誹謗中傷によってどのような被害を受けたのかを記載しましょう。
■削除を依頼する具体的なURL
問題のある記事のURLを貼りましょう。
■削除を依頼する具体的な箇所(該当箇所が特定できない場合は対応できません)
誹謗中傷表現がされた文章をコピペしましょう。
■削除を依頼する理由(サイト管理人であるユーザーへ転送します)
どの規約に違反をしているのかに触れながら、なぜ削除を希望するのかを明確に記載しましょう。
記入が完了したら、記載内容を確認し送信すれば完了です。
削除の可否に関わらず、FC2から削除に関する連絡は届きません。削除されるまでは、おおよそ1~2週間程度かかると考えられます。ですので、削除されたかどうかは自身で確認をしましょう。
他の方法
以上で削除依頼方法について説明をしてきましたが、FC2ブログは、なかなか削除に応じてくれないことでも知られています。
また、ブログ運営元のFC2の創業者は日本人ですが、本社は米国に置いるため、海外に向けて削除を依頼することになります。日本にも関連企業はありますが、削除の依頼は本社が一括しているようです。
このように、なかなか削除に応じない、海外に向けた削除依頼ということもあり、誹謗中傷の被害者がひとりで削除依頼を行うことに不安を覚える人もいることでしょう。そのような場合、別の以下の方法を採りましょう。
【他の方法①】逆SEO
逆SEOとは、SEOの手法を逆手にとって、見られたくないけれど削除出来なかった(しなかった)サイトを相対的に検索の下位に表示させようとする手法のことをいいます。
これにより、閲覧者を減らすことが可能になります。
【他の方法②】仮処分
仮処分とは、裁判をせずに勝訴(裁判で勝つこと)時と同じ状態を確保する手続きのことをいいます。
判決が下されるまでに1年前後あるいはそれ以上の期間を要する裁判に対して、仮処分は数日から数週間で判決が下されます。
裁判で判決が下されるのを待っていては問題のあるまとめ記事が拡散される恐れがあります。スピーディーな解決が望まれるインターネット上のトラブルは、裁判より短期で判決が下される仮処分の方がよいと言えるでしょう。
【他の方法③】発信者情報開示請求
発信者情報開示請求とは、プロバイダに対し、発信者の情報(住所・氏名・登録された電話番号等)の開示を求めることをいいます。
発信者情報開示請求は、投稿者を突き止めて、本人に削除してもらうこと等を目的に行います。
【関連記事】発信者情報開示請求をするための「条件」「流れ」「期間」を解説
弁護士に相談をするのがオススメ
以上の「仮処分」「発信者情報開示請求」は法的手続になるため、法律に関する専門知識が必要になります。自身で手続きを進めていくことは非常に難しいです。
昨今は、インターネットネット上のトラブル解決を得意分野とする弁護士が現れています。ですので、インターネット上のトラブルに強い弁護士に相談をすることをオススメします。弁護士に相談をすれば、それぞれの問題に対し的確に応じてくれるでしょう。