ネット上に個人情報を晒すとプライバシー違反!?事例と削除方法の手順

  • 2018.09.25
ネット上に個人情報を晒すとプライバシー違反!?事例と削除方法の手順

誰もが簡単に情報を発信することができ、情報を得ることもできるインターネット。さまざまな情報が溢れて便利な一方で、特定の人物の悪口を書き込んだり、個人情報を掲載したりというトラブルが発生することがあります。

 この記事では、ネットに個人情報を晒されてしまった場合の対処法についてご紹介します。

ネット上で個人情報が晒されるケース

 「ネット上に個人情報が晒される」というのは、どのような状況なのでしょうか。

 個人情報とは、個人を特定できる情報のことです。氏名や住所、生年月日などが該当します。また、顔などの容姿も含まれます。
つまり、「個人情報が晒される」とは、SNSや掲示板のネット上に個人情報が勝手に掲載され、大勢の人がそれを知ることできるという状況下になるということです。

 では、ネット上に個人情報を晒されるというトラブルは、具体的にどのような内容なのでしょうか。

ネット上で個人情報が晒される事例

 氏名や住所などの個人情報をネット上に晒されることは芸能人やスポーツ選手などの有名人でよく聞く話ではないでしょうか。しかし、ごく普通の一般の人で被害に遭った事例はいくつもあります。

■事例1

 A子さんは、同じアニメの趣味を持B子さんとツイッターで知り合い、アニメグッズを交換することに。グッズは宅配便でやり取りするため本名と住所を相手に教えた後、些細なことでケンカになりました。
 するとB子さんは、A子さんの名前や住所をSNS上に晒して悪口を書き込むという行為に走ってしまいました。

■事例2

 野球の国際大会で日本とキューバが対戦した試合。外野席で観戦していた少年が、ホームランボールをフェンス手前でキャッチしてしまった場面があり、その打球は判定の結果2塁打とされてしまいました。
 試合はテレビ中継もされていたこともあり、観戦していた野球ファンを中心に、少年へのバッシングがネット上で拡大。その中で、少年の氏名や住所、学校名を晒すような書込みもあり問題となりました。

個人情報の晒しで考えられる危険

 個人情報がネット上に晒されるとどのような危険が考えられるのでしょうか?

■イタズラ、商品営業などの電話がかかってくる

■詐欺被害に遭う

■注文した覚えのない商品が届く(大量のピザが届くなど)

■ストーカー被害に遭う

■自分だけではなく、家族など周囲の人も特定される

 上記のような被害に遭う可能性があります。詐欺やストーカーについては、財産や生命に危険が及ぶ可能性があるものです。

 そして、そもそも個人情報をネット上という世界中の人が見ることのできる場所で公開されるということ事態に、精神的な苦痛を感じることでしょう。

 このようは被害を受ける危険性のある個人情報を晒す行為は、犯罪行為となるのでしょうか?

個人情報の晒しは犯罪?プライバシー権に違反する可能性

他人の個人情報を勝手にネット上で晒す行為は、「プライバシー権」の侵害に該当する可能性があります。
 「プライバシー権」とは、他人に私生活や私事をみだりに公表されない権利のことを言います。つまり、「プライバシーの侵害」ということです。

 過去に裁判所は、「個人の自宅住所などの情報は、私的な情報であると言え、一般的に広く知れ渡っている情報とも言えないため、他人に勝手に公開されたくないと思うのは合理的であり、保護されるべきものである」と判断しています。【東京地方裁判所平成23年8月29日判決】

 この判決をもっと噛み砕いて言うと、「氏名や住所などの個人情報は、見ず知らずの人を含む大勢の人に知られるべき情報ではないため、他人に勝手に公表されたくないと思うことは当然のことである。そのため、他人の個人情報を勝手にネット上に公開する行為はプライバシーの侵害に該当する」としています。

プライバシーの侵害が認められると逮捕される!?

 「プライバシー権」とは、他人に勝手に私生活や私事を公表されない権利ですが、それは憲法13条から導き出された人権です。
つまり、プライバシー権は憲法で守られている人権のため、違反したからと言って逮捕されるものではありません。

 ですが、被害を訴える人から損害賠償(慰謝料)請求を受ける場合があります。民事訴訟(私生活上のトラブルを法律的に解決する方法)で訴えを起こされ、裁判所などが被害者への損害賠償の支払を命じる場合もあります。

削除ができる

 ネット上のSNSや掲示板上に、他人が勝手に個人情報を掲載した場合、「プロバイダ責任限定法」に基づいて削除を求めることができます。
 削除を求める相手は、問題の書込みが掲載されているサイト管理者です。

(注釈1)

サイト内のフォームから削除を求める

 削除を求める一番簡単な方法と言えるのが、サイト内のフォームからサイト管理者に連絡をとるやり方です。

 SNSの場合、投稿の一つひとつに「報告」または「通報」などサイト管理者に問題を通知できるボタンが設置されています。

 掲示板の場合は、画面下方にある「お問い合わせ」フォームからサイト管理者と連絡を取ることが可能です。

「送信防止措置依頼書」を送付して削除を求める

「送信防止措置依頼書」と題された書類を送付して、サイト管理者に問題の書込みの削除を求めることも可能です。
 「送信防止」とはネット上の掲載を防止することで、削除を意味します。

 この書類を送付して削除を求める方法は、プロバイダ責任限定法で認められており、前述したサイト内のフォームからの削除依頼よりは効力を持つ方法とされます。

弁護士に相談!

 前項でお伝えした削除の方法は、被害に遭った本人が自ら行うことが可能で、費用も然程かかりません。そのため、個人情報をネット上に晒されても「簡単に削除できる」と思われるかもしれませんが、そう簡単に問題が解決しないことが現状です。
 なぜならば、削除するか否かの判断を下すのは、サイト管理者に委ねられており、なかなか削除を実行してくれないのが実情だからです。

 では、強制力を持った削除依頼は可能なのでしょうか。

 答えは、「可能」です。

 「送信防止措置依頼書」を送ってもサイト管理者が削除を行わなかった場合、裁判を起こして裁判所から削除の仮処分を決定してもえるケースがあります。

 また、SNSや掲示板などは匿名で利用ができます。そのため、個人情報を書き込んだ人物が誰かわからないこともあります。そのような場合は、「発信者情報開示請求」という手続きで、投稿した人物を特定できる可能性があります。
 人物が特定した後は、本人に直接削除を求めるなり、損害賠償請求を行うなりと検討することができます。

 ですが、「裁判」や「発信者情報開示請求」などは法律の知識がなければ行うことは難しいことが予想されます。
 したがって、弁護士に相談することが良いと考えられます。

 ネットが身近になった現代、ネット上のトラブルに強い弁護士が存在します。数多くのネット上のトラブルを解決に導いた弁護士を味方にすることが、問題の早期解決へとなりそうです。