爆サイの誹謗中傷は「削除依頼フォーム」から削除出来る

　他人の悪口を徹底的に言う「誹謗中傷」が今、ネット上に蔓延っています。誹謗中傷の舞台は掲示板やSNSが多く、匿名で利用できることで、他人の悪口を書込みやすいという心理が働いているようです。

　この記事では、ネット上で２ちゃんねる（現・５ちゃんねる）に続く巨大掲示板の「爆サイ」で誹謗中傷された場合の削除方法についてお伝えします。

爆サイとは

　爆サイとは、月間約９億PV（ページビュー）を誇る日本最大級のローカルコミュニティ掲示板です。爆サイの運営会社は、「Aegate（エーゲート）」です。
　扱っているジャンルは、政治や事件、エンタメやスポーツ等の時事関連から、パチンコやスロット等のギャンブル関連、キャバクラやホストクラブ等の水商売まで幅広く、スレッド内で同じ趣味を持つユーザー同士の交流が行われています。

爆サイの誹謗中傷

　ただ、爆サイでは多くの誹謗中傷が行われています。具体的にどのような誹謗中傷があるのでしょうか。詳しくご説明させていただきます。
　例えば水商売のスレッドでは、次のような誹謗中傷が行われています。

「銀座のクラブ・○○店のマリアは枕営業している」
「歌舞伎町のホストクラブ・○○店の聖夜は性病を持っている」

　上記のように個人への誹謗中傷だけでなく、店舗に対する悪口を書き込むケースもあります。

「池袋のキャバクラ・○○店はぼったくりで有名」
「大阪のミナミ風俗店○○は、暴力団が経営している」

爆サイの誹謗中傷は拡散されやすい

　爆サイの書き込みは、別の掲示板や個人ブログ等に転載されるケースが多いです。そのため、短時間で拡散される傾向にあります。
　爆サイでの誹謗中傷は、拡散される前に削除することが肝心なのです。

利用規約と禁止されている投稿

　そんな爆サイは、誹謗中傷問題に取り組んでいます。その一環として、利用規約に以下のような規定を設けています。

(1)当サイトにおいて以下の行為を禁止します。

1.bakusai.comドメイン以外のURLの記載
2.各掲示板に指定されたテーマや情報から逸脱した内容の投稿
3.同一内容の多数投稿や無意味な文字の羅列等の行為(マルチスパム投稿)
4.出会いを求める投稿及び援助交際目的の投稿
5.他人の名誉、社会的信用、プライバシー、肖像権、パブリシティ権、著作権その他の知的財産権、その他の権利を侵害する行為(法令で定めたもの及び判例上認められたもの全てを含む)
6.本名、住所、メールアドレス、電話番号の記載(一般に公開されている情報・公人に関してはこの限りではありません)
7.指定された掲示板以外での物品売買行為
8.指定された掲示板以外での求人関連投稿
9.有害なコンピュータプログラムなどにリンクするもの
10.当サイトまたは当サイトに接続しているサーバーもしくはネットワークを妨害したり、混乱させたりすること
11.犯罪予告、自殺への誘引その他他人を威迫・脅迫する旨が看取される内容を含むもの
12.当サイトを利用しての宗教の宣伝を含む宗教的行為、および宗教団体の設立･活動、宗教団体への加入等宗教上の結社に関する行為
13.詐欺、強迫、マルチ商法、ネズミ講もしくはその他の違法取引行為またはかかる取引への勧誘
14.「麻薬及び向精神薬取締法」「銃砲刀剣類所持等取締法」によって所持、取引または取扱が規制される引き及び物質等の所持及び使用への勧誘
15.その他、日本国の法令が禁止する事項
16.上記以外の、管理者が不適切であると判断する行為

(2)1～15に記載された各事項に反する行為の存在が判明した場合、当社は当該投稿記事の削除・編集及び当該投稿者に対するアクセス拒否その他が必要と判断する措置を講じる場合が御座います。

(3)利用者が、(1)の禁止行為を行い、当サイトがそれにより損害を被った時は、損害賠償請求を行います｡

引用元：https://bakusai.com/rule/

　上記を見ると、誹謗中傷対策として、名誉毀損やプライバシーの侵害、著作権の侵害等の投稿が禁止されていることが分かります。

削除依頼フォームを利用して削除依頼をする

　では、実際に爆サイで誹謗中傷の被害に遭ったら、どのように対処すればよいのでしょうか。
　その場合は、爆サイの削除依頼フォームから削除依頼をしましょう。

　下記画像のように、各スレッドの最下部に表示されている「削除依頼」から削除依頼フォームに飛べます

削除依頼フォームの記入方法

　上記画像が削除依頼フォームです。「スレッドNo」「スレッドタイトル」は自動で入力されているので変更する必要はありません。空欄になっている「レス番号」から入力を始めてください。

【フォーム①】レス番号

　レス番号とは、下記画像の赤丸で囲われた数字のことを指します。誹謗中傷が書き込まれた投稿のレス番号を入力してください。

スレッド自体を削除したい場合

　レスではなくスレッドごと削除したい場合は、レス番号を「0」と記入しましょう。爆サイでは、基本的にスレッドの削除依頼は受け付けていません。ですが、スレッド名やスレッド全体で誹謗中傷が行われている場合は、スレッドの削除が認められるケースがあります。

【フォーム②】通報区分

　通報区分は、「個人情報の記載」「業者からの宣伝」「連続投稿」「カテゴリー違い」「その他」の5つから1つを選択します。
　誹謗中傷を受けている場合は、「その他」を選択しましょう。

【フォーム③】お名前

　本名である必要はありません。ニックネームでもOKです。

【フォーム④】メールアドレス

　Yahoo!メールやGmail等のフリーメールアドレスで構いません。
　削除依頼フォームを送信すると、爆サイから削除依頼の認証メールが送られてきます。その認証作業をしなければならないので、爆サイからのメールを届くよう事前に受信設定を確認しておきましょう。

【フォーム⑤】削除依頼理由

　削除依頼理由を記入する際は、爆サイのルールに違反していることを明確に伝える必要があります。そのために、前出の「利用規約と禁止されている投稿」で触れた利用規約の定められている禁止事項に違反している事実を伝えるような書き方をしましょう。

　削除依頼理由を明記する際は、以下のテンプレを参考にしてみてください。

参考元：https://itbengo-pro.com/columns/180/#toc_anchor-1-1-1

　上記のテンプレを基にした例文を2つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

当該スレッドのタイトルおよび投稿内容は、利用規約の禁止事項5に定められている『他人の名誉』と『プライバシー』の権利侵害に該当します。
上記のスレッドにより、周囲にあらぬ誤解をされて職場の人間関係にも悪影響が生じています。
早急の削除対応をお願い致します。

引用元：https://itbengo-pro.com/columns/180/#toc_anchor-1-1-1

当該レスの内容は、利用規約の禁止事項6に定められている『本名』と『住所』の記載に該当します。
上記のレスにより、自宅のポストに悪質ないたずらが繰り返される被害も生じています。
早急な削除対応をお願い致します。

引用元：https://itbengo-pro.com/columns/180/#toc_anchor-1-1-1

削除依頼理由と権利侵害

　爆サイでは、誹謗中傷による権利侵害が削除理由に挙げられるケースが多いです。とりわけ、以下の権利侵害が起きるケースが多いです。

　上記の権利侵害は、禁止事項にも明記されています。ですので、それらの権利侵害を受けている方は、それを理由に削除依頼をするとよいでしょう。
　以上のフォーム①から⑤に記入された内容を基に、爆サイ運営者が削除の可否を決定します。

注意点

　削除依頼をする際は以下の5点を注意しましょう。

【注意①】一度に複数の削除依頼は出来ない

　一度に複数のレスを削除依頼することは出来ません。ですので、レス番号の入力欄で複数のレス番号を入力はしないでください。
　削除したい投稿が複数ある場合は、ひとつずつ削除依頼を行いましょう。

【注意②】削除されるまでの期間は72時間

　爆サイは、削除依頼に対する対応期間を設けています。その期間は72時間です。72時間を目処に対応するので、削除依頼をした直後に対応されるとは限りません。

【注意③】同内容の連続削除依頼はNG

　72時間以内に同内容の削除依頼を2回以上行わないでください。それを行うと業務妨害と見なされ今後、削除依頼に応じてもらえない可能性があるためです。
　一度、削除依頼をしたら3日間は様子を見ましょう。

【注意④】威圧的な削除依頼はしない

　また、威圧的な削除依頼も業務妨害と見なされる可能性があります。今後、応じてもらえなない可能性が考えられるので絶対にやめましょう。

【注意⑤】問い合わせフォームからは削除依頼しない

　爆サイには、削除依頼フォームの他に問い合わせフォームがあります。
　削除依頼を受け付けているのは削除依頼フォームのみです。ですので、問い合わせフォームから削除依頼をしないでください。

口コミが削除されない場合

　以上で紹介した方法で削除依頼をしても、応じてもらえない可能性も考えられます。その場合は、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
　実は、他にも方法があります。次の2つの方法が挙げられます。

【方法①】仮処分

　仮処分とは、裁判をせずに勝訴（裁判で勝つこと）時と同じ状態を確保する手続きのことをいいます。
　判決が下されるまでに1年前後あるいはそれ以上の期間を要する裁判に対して、仮処分は数日から数週間で判決が下されます。

　裁判で判決が下されるのを待っていては問題のある口コミが拡散される恐れがあります。スピーディーな解決が望まれるインターネット上のトラブルは、裁判より短期で判決が下される仮処分の方がよいと言えるでしょう。

【関連記事】仮処分とは？わかりやすく解説

【方法②】発信者情報開示請求

　発信者情報開示請求とは、プロバイダに対し、発信者の情報（住所・氏名・登録された電話番号等）の開示を求めることをいいます。
　発信者情報開示請求は、投稿者を突き止めて、本人に削除してもらうこと等を目的に行います。

弁護士に相談をするのがオススメ

　以上の「仮処分」「発信者情報開示請求」は法的手続になるため、法律に関する専門知識が必要になります。自身で手続きを進めていくことは非常に難しいです。

　昨今は、インターネットネット上のトラブル解決を得意分野とする弁護士が現れています。ですので、インターネット上のトラブルに強い弁護士に相談をすることをオススメします。弁護士に相談をすれば、それぞれの問題に対し的確に応じてくれるでしょう。

弁護士に依頼した場合にかかる費用

　弁護士の依頼する際、弁護士費用がどの程度かかるのでしょうか。弁護士費用は、依頼する事務所によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

■相談料
　相談料は、弁護士に相談する際にかかる費用のことをいいます。相場は30分で5,000円です。ただ、無料で相談を受け付けている弁護士も少なくありません。

■削除代行
　自身に代わって弁護士に削除の代行をお願いする場合、着手金と報酬金ともに5～10万円が相場です。総額10～20万はかかるでしょう。

■仮処分による削除依頼
　仮処分による削除依頼の場合は、着手金は10～20万円、報酬金は20万前後かかります。

■発信者情報開示請求
　発信者情報開示請求を弁護士に依頼する場合は、着手金が5～10万円、報酬金が10～15万円かかるでしょう。

民間の削除依頼業者への依頼は違法

　弁護士法では「法的な手続について、弁護士以外の者が報酬を受けてはならない」と定められています。そのため、削除依頼が出来るのは、書き込みをされた本人（企業であれば社内の人）と弁護士に限られます。

　にも関わらず、ネット掲示板に書き込まれる誹謗中傷等の苦しみに付け込んで、口コミ削除代行を謳う民間業者がいます。そのような業者への依頼は、違法になる可能性があるので、絶対にしないでください。

最後に

　爆サイの誹謗中傷は、お伝えしたように削除依頼フォームを利用して行います。削除依頼フォームで削除に応じてもらえない場合は、仮処分や発信者情報開示請求を駆使して削除を試みてみましょう。
　本記事が、誹謗中傷が減る一助になっていただけたら幸いです。