SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用している人の中には、他人から嫌がらせを受けた経験を持つ人は少なくありません。
この記事では、SNSで被害を受けた場合の対処法をお伝えします。
SNSとは?
SNSとは、人間同士が繋がることができる電子サービスのことです。
世界的には、有名大学の学生に絞ってサービスを展開し、後に世界最大のSNSに成長したFacebook(フェイスブック)。140文字以内の短文での「つぶやき」を投稿できるTwitter(ツイッター)や、写真を投稿、共有するInstagram(インスタグラム)などが有名です。
また、日本では一時は1千万人を超えるユーザー数を誇った「mixi」(ミクシィ)が存在しています。
SNSでの嫌がらせの事例
SNSなど多くの人が知る得る状況下での場所を通した嫌がらせは、芸能人やスポーツ選手などの有名人が対象になるケースが目立ちますが、実は多くの一般人も被害に遭っていることが現状です。
他人からのSNSを通じた嫌がらせは、大きく分けて4つの種類があります。
①誹謗中傷
「誹謗中傷」とは、他人の悪口を徹底的に言うことです。
現在、SNSだけではなく匿名掲示板などでの誹謗中傷に苦しむ人は多く存在します。
例えば、投稿に対してのコメント欄に、執拗に嫌がらせメッセージを送るなどの事例、特定の人物のハッシュタグを作って悪口を投稿する事例などがあります。
②個人情報の晒し
「個人情報を晒す行為」とは、特定の人物の氏名や住所、電話番号などの個人情報を、本人の許可なく公表する行為です。
これによって、便乗した人物からイタズラ電話がかかってくるなどの被害に広がるケースがあります
③なりすまし
「なりすまし」とは、他人になりすましてSNS上で投稿する行為です。
例えば、友人になりすまして、他の友人の悪口を書き込むなどの事例があります。
また、なりすましたアカウントで高額な商品を売りつけるといった被害例もあり、なりすまされた本人が、周囲からの信頼を失うような行為が特徴です。
④乗っ取り
「乗っ取り」とは、アカウントのパスワードを不正に入手し、ログインして勝手に投稿などを行う行為です。
例えば、乗っ取ったアカウントで商品の販売や勧誘などを行うケースがあります。
SNSで嫌がらせに遭った時の対処法
もしも、前項で挙げたような嫌がらせの被害にあった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
以下、ツイッターを例に挙げて、サイト運営側に「不適切な内容」として、「報告フォーム」から報告する方法をご紹介します。
ツイッターでの嫌がらせ「通報」方法
ツイッター上で嫌がらせを受けた場合、一つひとつの投稿の右上に設置されている、 マークをクリックします。
「ツイートを報告する」を選択します。
「不適切または攻撃的な内容を含んでいる」を選びます。
通報した投稿が不適切である理由を選んでください。
このように、各投稿に設けられている「報告フォーム」を利用してサイト運営者に報告する方法は比較的簡単です。
しかし、報告を受けてどのような判断をするかは、ツイッター社に委ねられています。つまり、問題の投稿と認められて削除される場合もありますし、問題とは認められず何も対応をしない場合もあります。
では、削除を望んでいるにも関わらず、何も対応されなかった場合、そのまま泣き寝入りなのでしょうか。
弁護士に相談して問題を解決する方法
ネットが普及している現代では、伴ってネット上のトラブルも多く発生しています。そのため、ネット上のトラブルを強みに活動する弁護士も多く存在するようになりました。
では、今回の記事でお伝えしているSNSでの嫌がらせに遭った場合、弁護士に相談することで、どのようにして解決してくれるのでしょうか。
プロバイダ責任制限法を駆使した解決法
「プロバイダ責任制限法」とは、ネット上のトラブルが増えたことに伴い、プロバイダ(インターネットプロバイダやサイト管理者)等の責任を制限し、被害者に問題の書込みの削除と発信者(書込みを行った人)の特定を認めた法律です。
サイト管理者に削除を求める
プロバイダ責任制限法では、「送信防止措置依頼」がネット上のトラブルの被害者に認められています。
「送信防止措置依頼」とは、簡単に言うと、誹謗中傷などの書込みの削除を求めるということです。
「開示請求」で書込みをした人物を特定する
プロバイダ責任制限法で、書込みした人物の特定を求めることを「発信者開示請求」と言います。
「発信者」とは、SNSや掲示板などのネット上で書込みをした人物。つまり、情報を発信した人ということです。そして、「開示請求」とは、相手が持っている情報を提示させるということです。
「発信者情報開示請求」の手順
発信者開示請求では、発信者の氏名や住所などの個人情報の提供を求めることができます。
例えば、匿名掲示板で誹謗中傷の被害に遭った場合で、問題の書込みの発信者が誰かわからない時に利用します。
以下、開示請求を行う手順です。
①被害を訴える人(以下、被害者)が、「プロバイダ等」(注釈1)に対して「発信者情報開示請求書」を題された書類を送付します。
②「発信者情報開示請求書」を受け取ったプロバイダは、発信者に対して「発信者情報に係る意見照会書」を題した書類を送り、被害を訴える人に個人情報を提供してもよいか否かの回答を求めます。
③発信者は、プロバイダに対して個人情報を提供してもよいか否かの回答を送ります。
④発信者が、個人情報の提供は認めた場合は、プロバイダを介して被害を訴える人に個人情報を渡ります。
発信者は、個人情報の提供を拒否することも可能です。しかし、発信者が拒否しても、プロバイダの判断で被害を訴える人に発信者の個人情報を提供されるケースもあります。
(注釈1)
「プロバイダ等」とは、インターネット回線会社(インターネットプロバイダ)やサイト管理者(コンテンツプロバイダ)などを指します。
最後に
SNSは人間同士のつながりが広がるというメリットがある一方で、顔の見えない相手とのトラブルが発生するというデメリットと捉えられる面もあります。
顔の見えない相手とのトラブルになった場合の解決は困難と言えます。さらに、ネット上のトラブルは、SNSや掲示板が普及したことで増加しています。それに伴い、ネット上のトラブルに強い弁護士も増えてきています。
もしも、ネット上のトラブルに遭い、悩んでいるならば弁護士に相談し、法的な強制力を持った解決策を考えてみてはいかがでしょうか。