インターネット上には、多くの掲示板が存在します。気になるお店の口コミや同じ趣味を持つ人同士の情報交換などで利用するには、とても有意義なサイトです。しかし、他人の悪口を書き込む人も多く、誹謗中傷の場となることも少なくありません。
この記事では、「したらば掲示板」の削除申請方法をお伝えします。
したらば掲示板とは
したらば掲示板とは、株式会社シーサーが運営する電子掲示板で、月間ユーザー数は20万人以上で5憶PVを誇る巨大なネット掲示板です。2000年に「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)の創設者の西村博之さんが設立した企業によって開設されました。
2018年12月3日から、運営会社はAeGate(エーゲート)に変更されています。
したらば掲示板とレンタル掲示板
したらば掲示板では、ユーザーが掲示板を作成して管理・運営することが出来るのが特徴です。ユーザーによって管理・運営された掲示板のことを俗に「レンタル掲示板」と呼びます。
したらば掲示板の誹謗中傷
ネット上の掲示板の多くは、誰もが自由に匿名で書き込みをすることができます。
自由に個人が情報発信をできるというメリットの一方で、掲示板に他人の悪口を書き込んでストレス発散を図る行為があることも事実です。それは、したらば掲示板も例外ではありません。
したらば掲示板は、レンタル掲示板を採用しているため、他人を誹謗中傷するようなテーマで掲示板が作成されるケースも少なくありません。
また、かつては、2ちゃんねるの避難場所として利用されていた過去もあり、匿名性の高さは2ちゃんねると同様です。利用者も多いことから、投稿者同士のトラブルや、他者への誹謗中傷等の投稿も頻繁に見受けられます。
したらば掲示板の削除基準
では、誹謗中傷は削除出来ないのでしょうか。実は、したらば掲示板が設けている利用規約に違反している投稿は、削除の対象になります。
誹謗中傷に関係する利用規約は以下が挙げられます。
利用者ならびに第三者に対して、以下の行為を行うことを禁止します。
1.損害を与える行為
2.名誉を毀損する行為
3.侮辱する行為
4.権利を侵害する行為
5.プライバシーを侵害する行為
6.いやがらせとなる行為
7.誹謗中傷する行為
8.罵詈雑言をあびせる行為
9.嫌悪感を与える行為
10.差別的な行為
11.倫理的に問題のある行為
12.品性を欠く行為
15.嘘偽りのある行為
16.わいせつ的な表現を行う行為
17.暴力的・残虐的な表現等を行う行為
22.法令に違反する行為
引用元:https://rentalbbs.shitaraba.com/rule/guideline.html
上記に挙げられている誹謗中傷を受けている場合は、削除出来る可能性があります。
なお、「2. 名誉を毀損する行為」については「法律上の名誉毀損とは?わかりやすく解説」、「3. 侮辱する行為」については「侮辱罪をわかりやすく解説:侮辱罪に当たる事例も紹介」、「5. プライバシーを侵害する行為」については「プライバシーの侵害とは?具体的にどんなことを指すのか簡単に解説」でそれぞれ詳しく説明しています。併せてご覧ください。
したらば掲示板の削除申請方法
したらば掲示板の削除申請方法は次の2通りがあります。それぞれ見ていきましょう。
【方法①】掲示板の管理人に削除申請
1つ目は、掲示板の管理人に削除申請する方法です。
上記画像のように、各掲示板の下部には、小さく「掲示板管理者へ連絡」と表示されています。それをタップすると、「掲示板管理者へお問い合わせ」という削除申請フォームが表示されます。そのページには以下の項目を記入しなければなりません、
・お名前/ニックネーム
・メールアドレス
・質問の種類
・質問内容の記入
「質問の種類」では、【削除依頼】にチェックを入れてください。
「質問内容の記入」には、削除したいレスのURLと、削除したい理由を記入してください。
削除したいレスのURLは、レス番号をタップすると表示されるページのURLのことを指します。
削除したい理由は、どの部分が利用規約に違反しているのかを明確にして書きましょう。以下のテンプレを参考に考えてみてみてください。
この度はしたらば掲示板のレス削除の件でご連絡申し上げました。
「https://××××(削除したいレスのURL)」の削除依頼に至った理由は、私への誹謗中傷を含むため(デマ・ガセネタなどを流したなど削除依頼の経緯を述べる) です。実際の投稿内容は以下の通りです。
「(レス番号):名無しさん :2018/12/10(月) 16:00:00 ID:1234567890(投稿内容のコピペ)」
この投稿はしたらば掲示板利用規約第5条(禁止事項)の第7項「誹謗中傷をする行為」に該当しています(どの規約に違反しているか)。
また、この投稿内容は嘘の内容であり、このまま掲載し、不特定多数に公開を続けるのであれば、「名誉毀損」に該当する恐れがあります(権利侵害に該当する可能性も示唆)。
現在、この誹謗中傷により、精神的苦痛を受けており、弁護士を介した法的措置を検討中です。削除のご検討の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
参考元:https://sakujo.or.jp/shitaraba-sakujyo-taisyo/#toc9
なお、掲示板の管理人は、管理を生業にしている人ではないので、問い合わせの確認が漏れる可能性が考えられます。そのため、削除依頼後、1週間が経過しても対応されていない場合は、再度、削除申請フォームを利用して問い合わせをしてみましょう。
その際は、「質問の種類」で【削除依頼:再送(管理日数超過)】にチェックを入れましょう。
削除依頼フォームを使用しない掲示板がある
ただ、全ての掲示板が、以上でお伝えした削除申請フォームで削除依頼を受け付けていません。「管理人へのお問い合わせフォームを使用しないでください」という独自ルールを設け、代わりに削除依頼用のスレッドを用意している掲示板もあります。
そのような掲示板では、スレッド一覧に「削除依頼スレッド」が明記されています。決まり事をよく読んで、「削除依頼スレッド」から削除の申請を行うようにしましょう。
【方法②】したらば掲示板の運営会社に削除申請
管理人に再送しても応じない場合は、お問い合わせフォームを利用して運営会社に削除申請を行いましょう。
お問い合わせフォームでは、以下の情報を入力する必要があります。
・お問い合わせ内容
・お名前
・該当スレッドのURL
・レスNo
・メールアドレス
・内容
「レスNo」では、問題のある書き込みの番号を記入します。下記画像の〇で囲われている数字がレスNoです。
次いで、「内容」では削除依頼文を記入します。【方法①】で紹介したテンプレを参考に削除依頼文を作成してみてください。
運営会社は、問い合わせフォームに入力された情報を基に、掲示板の管理人に削除をするかどうかの判断を煽ります。管理人が同意した場合、削除されます。しかし、管理人が拒否した場合は、問題の投稿は削除されない可能性があります。
削除されない場合の対処法
上記の2つの方法を駆使しても削除されないケースも否定出来ません。その場合は以下の方法を採ってみましょう。
【対処①】仮処分による削除
仮処分とは、裁判をせずに勝訴(裁判で勝つこと)時と同じ状態を確保する手続きのことをいいます。仮処分が成立すると、裁判所からしたらば掲示板の運営会社に運営者に対し、問題のある投稿の削除が命じられます。運営会社は、その命令に従わなければなりません。
拡散される危険があるインターネット上のトラブルは、スピーディーな解決が望まれます。ですので、裁判より短期で判決が下される仮処分が行われるのが通例なのです。
【詳細記事】仮処分とは?わかりやすく解説
【対処②】発信者情報開示請求
発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法に基づいてインターネット上で他者を誹謗中傷するような表現を行った者の情報(住所・氏名・登録された電話番号等)の開示を求める手続のことをいいます。
例えば、サイト運営者にIPアドレス(インターネット上の住所)の開示を求めることや、プロバイダに投稿者の情報の開示を求めること等が、発信情報開示請求に当たります。
発信者情報開示請求で投稿者を突き止めることで、これまでの投稿の削除や損害賠償を通じて被害を救済し、将来生じる被害の防止を期待出来ます。
【関連記事】発信者情報開示請求をするための「条件」「流れ」「期間」を解説
【対処③】逆SEO
逆SEOとは、SEOの手法を逆手にとって、見られたくないけれど削除出来なかった(しなかった)サイトを相対的に検索の下位に表示させようとする手法のことをいいます。
逆SEOは、閲覧者を減らす狙いがあります。
【関連記事】逆SEOとは?過去と現在では逆SEOの方法は異なる
【対処④】グーグルの検索結果から除外
グーグルは、ポリシーや法律に違反するコンテンツは除外すると明示しています。ですので、したらば掲示板の問題のあるページを、グーグルに報告すると検索結果から除外することが出来ます。
これにより、検索流入を防ぎ閲覧者を減らす効果があります。
弁護士に相談をすることも良策
以上の「仮処分による削除」「発信者情報開示請求」は法的知識、「逆SEO」はSEOの関する専門知識、「グーグルの検索結果から除外」は法的根拠が必要になります。いずれの手続も専門的な知識が求められるため、自身で行うのは非常に難しいです。
昨今は、インターネットネット上のトラブル解決を得意分野とする弁護士が頭角を現しています。ですので、インターネット上のトラブルに強い弁護士に相談をすることも良策と言えるでしょう。弁護士に相談をすれば、削除申請フォームを利用した削除から仮処分・発信者情報開示請求までを代行してくれます。
インターネット上のトラブルに関する豊富なノウハウと法的知識を生かして、弁護士が解決に導いてくれることが期待されます。