世界各国の道路沿いなどの風景を360度の角度で見ることができるGoogle Mapのストリートビュー。初めて行く場所の下見にも利用でき、見ているだけで旅行気分が味わえるなど人気の機能です。
しかし、日常の様子を撮影していることで道路を歩く人の顔、個人宅の表札が写り込んでいる場合があります。
この記事では、ストリートビューに写り込んだ人の顔や個人宅の表札にぼかしを入れる方法をご紹介します。
Google Mapとは?
「Google Map」とは、米国のGoogle社がネット上で提供する地図サービスのことです。
平面図や航空写真などの表示方法があり、住所や電話番号から検索することが可能です。
また、GoogleMapには、「ストリートビュー」という人気機能が備わっています。
ストリートビューとは?
「ストリートビュー」とは、世界中の道路や川などから見る風景を360度の角度で見ることのできる機能です。
世界各国の観光地から山間部の一部、国内においては国道から市道のほとんどに対応しています。また、近年では主要な観光地の建物の中まで写し出されるようになりました。
平面図や航空写真から、人の形のアイコンをドラッグで地図上の見たい場所に持っていくと、画面がストリートビューに切り替わり閲覧することができます。
ストリートビューの問題点
ストリートビューは、イラストで見る地図とは違い、写真で見ることができるため、検索地点を鮮明に知ることができると言えることでしょう。
しかし、鮮明に知ることができるが故に問題も生じています。例えば、住宅地の場合の表札、道路を走行している車のナンバー、歩行者の顔などが写り込んでいることがあり、プライバシーの侵害にあたるのではないかと問題視する見解も一部であります。
Google Mapに「顔」や「表札」が写っている
ネットに掲載されている情報は、世界中の人が見ることができます。多くの人が見ることができるというメリットがありますが、一方でその情報を悪用しようと考える人も見ることができるという「危険」も併せ持つことになります。
Google Mapのストリートビューは、撮影した日常の風景を掲載しています。道路を走行する車両(ナンバー)、歩行者の顔や姿、周囲の建物…。住宅地にも対応しているため、個人宅の外観や表札まで写っています。
そのことによって、どのような危険が考えられるのでしょうか。
空き巣に狙われる可能性
近年の空き巣は、ネットで情報収集して犯行に及んでいるとされています。
ストリートビューは、ターゲットの家の外観、周辺の様子をうかがうことができるため、空き巣にとっては情報の宝庫と言えます。
さらに、表札には名字だけでなく、家族全員の名前が表示されている場合があります。これは空き巣にとって、家族構成まで知ることができ、さらなる詳細な情報を与えてしまうことになりかねません。
ストーカーに自宅や周辺を知られる可能性
ストーカーに何らかの形で自宅住所が知られてしまった場合、ストリートビューの検索で自宅周辺の情報も知られてしまいます。
また、最寄り駅までの道のり、学校や職場が知られている場合は、その道のりの様子も知られてしまう可能性があり、犯罪の下見になってしまうことも考えられます。
さらに、空き巣同様に表札が出ていることで名字を知られ、場合によっては家族構成までの情報を与えてしまうことになります。
外壁塗装などの営業のターゲットになる可能性
ストリートビューで見た家の外観をもとに、外壁工事の営業を電話などで行う業者も存在します。
表札で名字がわかれば、ストリートビューで得た住所を併せて、電話帳で電話番号を調べることが可能です。
また、外壁のほかにも、自宅の駐車場に車庫の設置や庭の手入れの業者などが、営業先を探すツールとして利用するケースも考えられます。
家の住人とかわる可能性
自宅の庭で草木の手入れをしている時、駐車場で洗車している時などの姿がストリートビューに写ってしまうケースがあります。
そのような行為は、その家の住人である可能性が高く、上記で示した空き巣やストーカーなど犯罪を企てている人からすると格好の情報といえます。
ストリートビューにおける「権利の侵害」
Google社は、ストリートビューに個人宅や人の顔や姿が写り込んだ写真を載せる際、本人の許可を得ないまま掲載しています。そのため、「プライバシー権」「肖像権」の侵害に該当するのではないかという議論が一部であります。
肖像権の侵害
「肖像権」とは、他人の顔や容姿をみだりに勝手に撮影し、公表されない権利のことです。憲法13条を根拠とする権利で、人が人らしい生活を送ることを保障する「人格権」のひとつです。
プライバシー権の侵害
「プライバシー権」とは、他人に私生活を勝手に公表されない権利です。肖像権と同様に、憲法13条を根拠にした権利で、「人格権」のひとつです。
「権利の侵害」への対策
ストリートビューには、前述したような「危険性」や「権利の侵害」の問題があるとされています。
では、このような問題への対策はあるのでしょうか。
Googleは、ストリートビューで顔や表札、車のナンバーに「ぼかし」を入れる対応を撮っています。
ぼかしを入れることを求める方法
ストリートビューは、人の顔や家の表札に対して「ぼかし」を入れることを求めることができます。
その方法を以下、ご紹介します。
①ぼがしを入れたい顔や表札をストリートビューで表示させる
②左上の「:」をクリック
「印刷」「問題の報告」「画像を共有または埋め込む」から、「問題の報告」を選択
②「画像のプレビュー」で、問題の部分を赤枠に収める
③「ぼかしのリクエスト」から該当する箇所を選択
最後に、「送信」をクリックして、報告が完了です。
Googleでのトラブルは弁護士に相談
世界最大手のGoogle。ストリートビューなど画期的なサービスで人気を集め、ネットユーザーならば一度は利用したことがあることでしょう。
特に地図サービスは、移動時のツールとして欠かせない存在となっているかもしれません。とても便利なツールですが、お伝えしたような危険もあることを忘れてはいけません。
Googleは、日本にも法人を構えています。ですが、国内法人はプロモーション活動を目的に設置しているため、トラブルが発生した場合の窓口は米国の本社です。
海外企業とのやり取りは不安を感じる人も多いことでしょう。
そこで、Googleに関わるネット上のトラブルが発生した場合は、ネットに強い弁護士に相談することをオススメします。
弁護士の多くは、離婚問題や労働問題などの得意分野を持っています。その中にはネットのトラブル解決に長けている弁護士も存在します。多くのトラブル解決の経験を積んだ弁護士に相談することで、スムーズに解決に向かうことが予想されます。