リベンジポルノの被害に遭った場合の削除方法

リベンジポルノの被害に遭った場合の削除方法

 スマートフォンの普及によって、写真や動画を簡単に撮影し、インターネット上に掲載することで、誰もが簡単に情報を発信することができるようになった現代。「リベンジポルノ」という性的な犯罪の被害に遭うケースが増加しています。
 半永久的にインターネット上に残ることから、「デジタルタトゥー」とも言われるリベンジポルノですが、削除する方法があります。

 この記事では、リベンジポルノの被害に遭った場合の削除方法についてお伝えします。

 

リベンジポルノとは

 リベンジポルノとは、元配偶者や元恋人が、フラれる等、相手から拒否されたことで恨みを持ち、復讐のために裸などの性的な写真や動画をインターネット上に無断で掲載する嫌がらせ行為のことをいいます。

 写真や動画の公開先は、SNSやブログ、掲示板などのインターネット上の他、印刷してポスティングでバラまくケースもあります。

 

リベンジポルノ防止法

 そんなリベンジポルノを規制する法律が2014年11月26日に制定されました。それが、リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)です。
 それにより、他人の性的な写真や動画を無断でインターネット上に掲載することは犯罪と見なされるようになりました。

 リベンジポルノ防止法に違反すると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に科せられます。

リベンジポルノに該当する画像・動画

 リベンジポルノ防止法では、リベンジポルノに該当する画像・動画を以下のように定められています。

■性交渉や性交類似行為の最中の写真・動画(挿入だけでなく、口や手での行為も含む)
■性器等に触れている写真・動画
■性器が露出している写真・動画

 上記以外でも、苦痛に感じる写真・動画が無断で公開された場合も、リベンジポルノ防止法に違反する可能性があります。

 

リベンジポルノの相談件数

 警視庁の報告によると、全国の警察署に寄せられたリベンジポルノの相談件数は2015年が1,143件、2年後の2017年には1243件と過去最多を記録しています。例年、相談者の約9割が女性です。

 リベンジポルノ法で規制しているにも関わらず、歯止めが利かず、リベンジポルノの件数は増加傾向にあるのです。

 また、リベンジポルノの被害を受けると羞恥心が勝り、誰にも相談出来ないケースも間々あります。実際に起きているリベンジポルノの被害数は、警視庁が発表している相談件数を大きく上回っていると考えられています。

 

リベンジポルノを放置するリスク

 リベンジポルノの被害に遭った際、羞恥心が勝り、公開された画像や動画を放置すると大きなリスクが生じます。リベンジポルノを放置すると、以下の3つのリスクが生じます。

【リスク①】拡散されて削除が困難になる

 リベンジポルノを放置すると、画像や動画が複製され、次々と拡散されるリスクが大いに考えられます。画像・動画の完全削除が困難になる可能性は否定出来ません。
 すると、将来の結婚相手や就職先の関係者に見られてしまう等で、将来に悪影響を及ぼす危険性をはらんでいます。

【リスク②】悪用される

 リベンジポルノは、拡散されることにより写真・動画が悪用される可能性があります。例えば、出会い系サイトやアダルトサイト等の運営者が、不正に入手したリベンジポルノの写真・動画を、サイト内で無断使用するケース等が挙げられます。

【リスク③】ストーカー

 なかには、リベンジポルノの画像・動画に映っている人に異常な興味を持つ人がいます。そのような人は、あらゆる手段を駆使し、映っている人物を特定しストーカーをする可能性があります。

 以上のように、リベンジポルノの被害に遭うと、悪用されたり、ストーカーされたり等の二次被害を受けるリスクがあります。リベンジポルノは放置しない方がよいのです。

 

リベンジポルノの削除に必要な証拠

 では、リベンジポルノの被害に遭った場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。まず、挙げられるのが、リベンジボルノの画像・動画を削除する方法です。
 ただ、そのためには、画像・動画がアップされていることが客観的に分かる証拠を集めましょう。
 これは、後々、削除依頼や警察への相談、被害届の提出の際に必要になるためです。

 リベンジポルノの証拠になるものは、主に以下が挙げられます。

■リベンジポルノの被害に遭ったことを知った日
■画像・動画がアップされているページの印刷あるいはスクリーンショット※日付が分かるようにする
■画像・動画がアップされているページのURL
■サイト運営者情報が記載されているページを印刷あるいはスクリーンショット
■「公開するぞ」等と脅された際の録音データ・メール

 

削除方法

 リベンジポルノの削除は、自分で行う方法、第三者に依頼する方法の2通りが考えらえます。それぞれ見ていきましょう。

自身で削除する方法

 自身で削除を試みる際は、一つ注意点があります。それは、画像・動画をアップした本人に直接、削除依頼をしないことです。それを行うと、あなた自身が直接、金銭や復縁を求められ、さらなる被害が起こる可能性が考えられるためです。

 自身で削除をする場合は、アップした本人ではなく以下の方法から削除依頼を行いましょう。

【自身①】サイト運営者に削除依頼

 写真・動画が掲載されているサイトの運営者に削除依頼をします。その際は以下のポイントを踏まえてコンタクトをとりましょう。

・削除を希望していることを伝える
プライバシーの侵害を受けていることを伝える
・どのようにプライバシーの侵害を受けているのかを伝える
・なぜ、それがプライバシーの侵害になるのかを伝える

【自身②】送信防止措置依頼書を郵送

 リベンジポルノの画像・動画は、ケーブルテレビ会社や回線事業者等が多く入会している一般社団法人テレコムサービス協会のガイドラインに則った削除依頼が可能です。

 まずは、サイト運営者やプロバイダ送信防止措置依頼書を郵送します。

 それに対し、サイト運営者やプロバイダが7日以内に反論をしなければ削除されます。反論があった場合は、サイト運営者やプロバイダが送信防止依頼書を基に、権利を侵害されているかどうかを判断した上で削除の可否を決定します。

【自身③】グーグルウェブマスターに通報

 グーグルの検索でリベンジポルノの画像・動画が表示される場合は、削除ではありませんが、検索結果に表示されないようにする方法があります。
 それは、グーグルウェブマスターへの通報です。通報はコチラから出来ます。

 以上の①~③の方法は「権利が侵害されている理由」等を求められ、法的知識が必要になるため、自身のみで行うと苦慮します。ですので、出来れば以下で紹介する第三者に削除依頼する方法がオススメです。

第三者に削除依頼する方法

 第三者に削除依頼をする場合は、主に「警察」「弁護士」「一般社団法人セーファーインターネット協会」「イー・ガーディアン」の4つの機関が挙げられます。但し、それぞれ役割が異なるので、被害状況に合わせた選択の見極めが必要になるでしょう。
 それぞれの特徴を簡単に表にしてみました。

犯罪民事費用の有無画像・動画の削除
警察×
弁護士
一般社団法人セーファーインターネット協会××
イー・ガーディアン××

 では、上記の表を照らし合わせながら、それぞれの機関について見ていきましょう。

【第三者①】警察

 警察は、リベンジポルノの被害を確認し、その証拠があれば捜査を行い、犯人の逮捕へ向けて動きます。
 
性的な写真や動画をインターネット上に晒されるというとてもデリケートな事件ですので、希望すれば女性捜査員に対応してもらうことも可能です。

性犯罪被害者相談電話(全国統一)

 また、各都道府県の警察本部では、インターネット上の犯罪を専門に扱う「サイバー犯罪対策課」を設けていますので、そちらに相談するのもよいでしょう。

都道府県警察本部サイバー犯罪相談窓口一覧

 但し、警察は犯罪に対しては動きますが、民事(犯罪には当たらない一般市民同士の争い)に対しては動きません。それは、警察は民事不介入(警察は民事紛争に介入するべきではない、とする警察権の原則)のためです。

 ですので、犯罪になり得るリベンジポルノでない限り、警察は動いてくれない可能性があります。

【第三者②】弁護士

 警察が動いてくれず困惑している方は、弁護士に相談するも一手です。
 リベンジポルノを弁護士に依頼すると、被害状況を把握し、わいせつ画像が掲載されたサイトに対して、削除依頼や発信者情報開示請求等の対応を採ってくれます。

 警察とは異なり、弁護士は犯罪に該当しない可能性があるリベンジポルノに対しても動いてくれます。

 弁護士に相談する際は、インターネット上のトラブルに強い 弁護士への相談がオススメです。
 近年のインターネットの普及、それに伴うトラブルで、弁護士の中にはIT分野に精通した弁護士が存在します。早期の解決や、慰謝料の増額などが可能と考えられます。

 但し、弁護士に削除依頼をすると一定の費用を支払わなければならないのが難点です。

【第三者③】一般社団法人セーファーインターネット協会

 一般社団法人セーファーインターネット協会は、国内のIT企業の有志によって運営されている機関です。通称「セーフライン」と呼ばれています。
 セーフラインは、リベンジポルノ等の違法な写真・動画を、依頼者の代わりにインターネット上から削除する活動を行っています。

 セーフラインは、2016年にリベンジポルノを含む性的な写真削除の依頼を受けた31,222件のうち、30,281件の削除し、削除率は97%という実績を持っています。
 そのため、リベンジポルノの削除については期待が出来ます。但し、削除以外のことは対応してくれないのが難点です。

【第三者④】イー・ガーディアン

 イー・ガーディアンは、インターネット上の違法画像を人間の目視とAIでパトロールする機関です。違法画像を発見すると削除してくれます。

 セーフラインとは異なり削除依頼は有料ですが、削除対応が非常に速いです。「大元のデータは削除したけど、拡散されたものがあるかもしれないから不安」という方は、削除対応が早いイー・ガーディアンは頼もしいでしょう。

 

相談機関

 以上に挙げた機関の他に、リベンジポルノで悩んでいる方に向けた相談機関があります。主に以下の4つが挙げられます。

【相談①】嫌がらせ・ストーカー対策相談室

 リベンジポルノをきっかけにして、ストーカーや嫌がらせの被害を受けて悩んでいる方は、「嫌がらせ・ストーカー対策相談室」に相談するとよいでしょう。
 「〇〇をしたい場合は〇〇という機関に相談するといい」等の助言をしてくれたり、ストーカーをしている人が誰なのかを調査してくれたりします。

【相談②】匿名通報ダイヤル

 知り合いがリベンジポルノに遭っているという場合は、匿名で通報出来る「匿名通報ダイヤル」があります。
 「匿名通報ダイヤル」とは児童虐待等、潜在化しやすい犯罪の検挙等を目的に、市民から匿名のよる通報を受けている団体のことをいいます。
 通報の多い案件については「匿名通報ダイヤル」が警察に情報提供を行い、検挙に動く可能性があります。

【相談③】東京ウィメンズプラザ

 東京ウィメンズプラザは、配偶者や交際相手からの暴力等、様々な悩みに関する相談を受けている機関です。リベンジポルノに関する相談も受けています。

【相談④】法務省の人権擁護機関

 法務省の人権擁護機関では、法務局職員や人権擁護委員がリベンジポルノをはじめ、人権に関する相談を受けています。電話とメール、どちらでも相談を受けています。

 

最後に

 お伝えした通り、リベンジポルノはエスカレートすると、身の危険を脅かすような重大な事件へと発展するケースもある犯罪行為です。
 そして、インターネット上に性的な写真・動画が掲載され時、被害者は深い心の傷を負います。

 まずは、信用のおける相手であっても性的な写真や動画を送らないことが大切です。しかし、「相手が好きだから断れなかった」と心理を突かれたことで、リベンジポルノの被害に至る場合もあるかもしれません。

 現代では、警察や弁護士、セーフラインなど問題解決に向けて動いてくれる機関が存在します。
 リベンジポルノ被害にあった場合は、ひとりで悩まず家族など信頼できる第三者に相談した上で、問題解決に向けて動くことが良いでしょう。