ヤフー知恵袋で誹謗中傷を受けた際の削除依頼方法

 インターネットが普及した現代では、日常の生活の中でふと疑問に思ったことをネットで検索する方も多いでしょう。そのような際に、大きく役立っているのが「ヤフー知恵袋」です。「ヤフー知恵袋」には、質問を投げかけると答えが返ってくるため、疑問が解消されることが期待されます。

 その一方で、「ヤフー知恵袋」は、誹謗中傷の温床にもなっており、削除を求めている方も少なくありません。

 そこで本記事では、ヤフー知恵袋で誹謗中傷を受けた際の削除依頼方法についてお伝えします。

 

ヤフー知恵袋が誹謗中傷の温床になっている理由

 なぜ、ヤフー知恵袋は誹謗中傷の温床になっているのでしょうか。下記に挙げる3つの理由が考えられます。

【理由①】匿名性の高さ

 ヤフー知恵袋は、ヤフージャパンのアカウントを持っていれば、匿名で投稿することが可能です。

 その匿名性の高さが、誹謗中傷が起きやすい温床になっていると考えられます。

【理由②】釣り質問がある

 ヤフー知恵袋では、釣り質問が少なくありません。釣り質問とは、批判的な回答を誘発させる質問のことをいいます。
 例えば、××株式会社というホワイト企業があるとします。その××株式会社のイメージを落としたい人が、「××株式会社ってブラック企業って聞いたのですが本当ですか?」という事実無根な質問をして、悪質な回答を煽る場合が釣り質問に当たります。

【理由③】運営側の管理が行き届いていない

 ヤフー知恵袋では、投稿された質問の内容が適切かどうかの審査が行われていません。そのため、誹謗中傷があっても、ユーザーからの報告があるまで運営側は放置しているケースが多いのです。

 

拡散されるまえに手を打つのが良策

 ヤフー知恵袋に投稿された誹謗中傷は早めに対処することをおすすめします。それは、ヤフー知恵袋が検索上位に表示されやすく、影響力を持っているためです。ですので、拡散されるまえに、手を打つのが良策と言えるでしょう。

 

ヤフー知恵袋の削除基準

 ヤフー知恵袋では、削除隊という誹謗中傷をはじめとした問題のある質問を削除するため、定期的に巡回しているスタッフがいます。
 ヤフー知恵袋に問題のある質問の削除依頼を行えば、削除隊が依頼内容を確認して削除に応じる可能性があります。問題のある質問を拡散されるまえに手を打つことが可能なのです。

 但し、削除依頼をすれば必ず削除されるとは限りません。ヤフージャパンは削除基準を設けています。削除隊は、それに則って削除するかを判断されます。
 ヤフージャパンの削除基準は、自社が提供するサービスの禁止行為を基にしています。禁止行為は以下が挙げられます。

(1)日本国またはご利用の際にお客様が所在する国・地域の法令に違反する行為
(2)社会規範・公序良俗に反するものや、他人の権利を侵害し、または他人の迷惑となるようなものを、投稿、掲載、開示、提供または送信(以下これらを総称して「投稿など」といいます)したりする行為
(3)ほかのお客様の使用するソフトウエア、ハードウエアなどの機能を破壊したり、妨害したりするようなプログラムなどの投稿などをする行為
(4)当社のサーバーまたはネットワークの機能を破壊したり、妨害したりする行為
(5)当社のサービス、当社の配信する広告、または、当社のサイト上で提供されているサービス、広告を妨害する行為
(6)ほかのお客様の個人情報や履歴情報および特性情報(第2章プライバシーポリシーにて定義されます)などをお客様に無断で収集したり蓄積したりする行為
(7)サービスを、提供の趣旨に照らして本来のサービス提供の目的とは異なる目的で利用する行為
(8)ほかのお客様のIDを使用してサービスを利用する行為
(9)手段のいかんを問わず他人からIDやパスワードを入手したり、他人にIDやパスワードを開示したり提供したりする行為
(10)当社のサービスに関連して、反社会的勢力に直接・間接に利益を提供する行為

引用元:https://about.yahoo.co.jp/docs/info/terms/chapter1.html#cf3rd

 以上をヤフー知恵袋に該当させると、以下のような投稿が削除基準に定められていると言えるでしょう。

①誹謗中傷等、他人を攻撃したり傷つけたりする内容の投稿
②公序良俗(公共の秩序を守るための常識的な観念)に反する内容の投稿
③広告を目的とした投稿
④個人を特定出来る投稿
⑤無断で著作物を公開するなど、第三者の知的財産権を侵害する投稿
⑥サービス運営を妨害する投稿

 名誉毀損等、他人の権利を侵害する行為や、根拠のない批判等は①に該当する可能性があります。また、商品やサービスに対する誹謗中傷は③に該当する可能性が考えられます。

 

ヤフー知恵袋の削除依頼方法

 では、ヤフー知恵袋の削除依頼方法についてお伝えいたします。
 はじめに、削除したい質問の右下にある、車両通行止めマークをタップします。

 次ページに飛んだら、下部にスクロールします。すると、下記画像のように違反項目の選択欄が表示されます。

 「違反項目」で、問題のある投稿がどれに該当するかを選択しましょう。そして、その下部にある「注意事項に同意のうえ違反報告をする」をクリックすると違反報告が完了します。

 ただ、「個人情報の掲載」「不適切な投稿」「宣伝、広告的な利用」を選択した際は、「違反報告の詳細」という欄が現れます。その欄に具体的な違反内容を記入しなければなりません。
 「違反報告の詳細」を記入する際は、以下の例文を参考にしてみてください。

最後に、「注意事項に同意のうえ違反報告をする」をクリックすると通報が完了です。

投稿内容の●●●●の部分に関しては事実無根であり証拠がありません。このような書き込みがあることによって当社の信頼は著しく低下することが懸念されます。また、個人を特定できてしまうような質問箇所もございます。●●●●の部分は質問をするにあたり一切不要な情報であり、個人のプライバシーの侵害にもあたる可能性がございますので、削除を希望致します。

引用元:https://fuhyohigai-labo.com/sakujo/chiebukuro-sakujo/

 

自身が投稿した質問を削除する方法

 自身が質問を投げかけて、誹謗中傷を受けている方もいるでしょう。ここでは、自身が投稿した質問の削除方法についてお伝えします。

 解決済みの質問は、運営会社に申請をすることで削除が可能です。
 まず、My知恵袋内の「質問一覧」を表示させ、消したい質問を選びます。そして、質問の右下部に表示されている「質問を削除する」をタップしてください。
 すると、「質問削除理由」を入力する欄が表示されるので、削除したい理由を5~200文字以内で記入をしましょう。

 入力が完了したら、「確認」をタップし、問題がなければ「決定」をタップしてください。すると、削除完了のメッセージが表示されて、当該質問が削除されます。

自身が投稿した質問を削除する際の注意点

 但し、自身が投稿した質問を削除する際には注意点があります。

【注意点①】解決済みの質問と制限

 解決済みの質問を削除は、1ヶ月に1回という制限が設けられています。そのため、消したい解決済みの質問が複数ある場合は、期間を空けて申請しなければなりません。
 また、ヤフージャパンIDを削除している場合は、解決済みの質問の削除申請は行えません。

【注意点②】未解決の質問と知恵コイン

 対して、回答受付中やベストアンサーが選択されていない等の未解決の質問の削除には、知恵コインが必要です。回答がある質問には知恵コインが300枚、回答がない質問には10枚必要になります。

【注意点③】回答1つひとつの削除は出来ない

 自身の質問に寄せられた回答を1つひとつ削除することは出来ません。但し、寄せられた質問を全て削除することなら可能です。
 ですので、削除したい回答が1つあって削除したい場合は、寄せられた質問を全て削除する方法しかありません。

 

削除依頼を行っても削除通知がない

 ヤフージャパンに削除依頼をしてもその可否に関する通知はありません。削除されるまでには約1週間を要するため、それを過ぎても削除されていない場合は、削除要請が却下された可能性が考えられます。
 また、削除されないからといって何度を同じ削除依頼をしないでください。ヤフージャパンから迷惑行為をする利用者と見なされ、2度と削除依頼が出来なくなる可能性が考えられるためです。

 

削除されてもグーグルの検索にひっかかる場合

 削除されたはずの質問が、グーグルの検索結果に表示されるというケースがあります。この場合は、グーグルにコンテンツ除外の申請を行いましょう。
 グーグルは、ポリシーや法律に違反するコンテンツは除外すると明示しています。ですので、削除したページを、グーグルに報告すると検索結果から除外することが出来ます。

 

削除されない場合の対処法

 削除依頼を行っても、必ず対応されるとは限りません。もし、削除されない場合はどのように対処すればよいのでしょうか。以下の方法を採ってみてださい。

【対処法①】送信防止措置依頼書

 送信防止措置依頼書とは、企業や個人の利益を侵害する投稿に対して、削除の申し出をするための依頼書のことをいいます。
 ヤフー知恵袋の場合は、ヤフージャパンに対して送信防止措置依頼を行います。
 送信防止措置依頼書は郵送で行います。

【対処法②】仮処分による削除

 仮処分とは、裁判をせずに勝訴(裁判で勝つこと)時と同じ状態を確保する手続きのことをいいます。仮処分が成立すると、裁判所からヤフーに対し、問題のある投稿の削除が命じられます。ヤフーは、その命令に従わなければなりません。
 拡散される危険があるインターネット上のトラブルは、スピーディーな解決が望まれます。ですので、裁判より短期で判決が下される仮処分が行われるのが通例なのです。

【詳細記事】仮処分とは?わかりやすく解説

【対処方③】発信者情報開示請求

 発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法に基づいてインターネット上で他者を誹謗中傷するような表現を行った者の情報(住所・氏名・登録された電話番号等)の開示を求める手続のことをいいます。
 例えば、ヤフーにIPアドレス(インターネット上の住所)の開示を求めることや、プロバイダに投稿者の情報の開示を求めること等が、発信情報開示請求に当たります。

 発信者情報開示請求で投稿者を突き止めることで、これまでの投稿の削除や損害賠償を通じて被害を救済し、将来生じる被害の防止を期待出来ます。

【関連記事】発信者情報開示請求をするための「条件」「流れ」「期間」を解説

 

弁護士に相談をすることも良策

 以上の「送信防止措置依頼書」「仮処分による削除」「発信者情報開示請求」は法的知識が必要になるため、自身で行うのは非常に難しいです。

 昨今は、インターネットネット上のトラブル解決を得意分野とする弁護士が頭角を現しています。ですので、インターネット上のトラブルに強い弁護士に相談をすることも良策と言えるでしょう。弁護士に相談をすれば、ヤフーへの削除依頼から送信防止措置依頼書・仮処分・発信者情報開示請求まで代行してくれます。

 インターネット上のトラブルに関する豊富なノウハウと法的知識を生かして、弁護士が解決に導いてくれるでしょう。