ツイッターのなりすましを報告する方法:法律違反になる可能性もある

ツイッターのなりすましを報告する方法:法律違反になる可能性もある

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が普及し、現代では年代問わず多くの人が利用しています。
ネット上で友人と交流したり、さまざまな情報を入手できたりと生活を豊かにするSNSですが、その一方でトラブルも多く発生しています。

今回は、SNS上でのトラブルとして多い「ツイッターのなりすまし」について解決策をご紹介します。

 

なりすましとは

なりすましとは、他人のフリをして活動をすることを指します。
ネット上では一般的に、他人の名前や盗用したパスワードを利用して会員制のサイトやSNSで悪事を働くことを指します。
SNS上でなりすましによるトラブルが発生することが多く、他にも通販サイトでも行われることがあります。

例えば、ネットショッピングのサイトで盗用した他人のIDやパスワードを利用して入り込み、さらに不正して入手したクレジットカードの番号で買物をするケースがあります。

 

Twitterのなりすまし

Twitterでは、一般人と有名人の2つのなりすましケースが挙げられます。

一般人になりすますケース

一般人のなりすましを行っている人は、知人や友達等の身近な人物からストーカーまで様々です。
主に、以下の方法でなりすましています。

・Twitterのサムネ・ヘッダー画像の盗用
・本人のように振舞ってダイレクトメッセージを送信
・実名や住所等の個人情報を無断で掲載

有名人になりすますケース

有名人になりすましたケースとして記憶に新しいのが、将棋棋士の藤井聡太四段が挙げられます。藤井四段になりすまして以下のようなツイートがされていました。

「連勝記録は途絶えましたが、これからも頑張っていきたいです」
「俺に勝ったくらいでいい気になりやがって絶対次は勝ってみせる」

なりすまして、アクセスを稼ぎたいという典型的な被害です。

 

なりすましに関するTwitterの規約

以上のような、なりすまし被害が後を絶たないため、Twitterでは、なりすましに関して以下のような規約を設けています。

なりすまし行為はTwitterルールで禁止されています。混同や誤解を招きかねない形で特定の他人、ブランド、または組織になりすますTwitterアカウントは、なりすましに関するTwitterのポリシーに沿って永久凍結されることがあります。

引用元:https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/twitter-impersonation-policy

ユーザーから、まりすましアカウントの報告を受けた場合、Twitterはそれを基に判断し、凍結を行います。悪質であると判断が下された場合は、アカウントを永久凍結します。

Twitterのなりすまし規約に違反しないケース

ただ、以下のような場合は、Twitterのなりすまし規約に違反しません。

・名前が同じだが、それ以外の共通点がない
・個人名・ブランド名が似ているが、関連がないことがプロフィール等に記載されている

 

 Twitterに報告

ツイッターは、なりすまし被害にあった場合の「報告フォーム」を設けています。
なりすましを報告する方法は簡単です。なりすましアカウントのプロフィールから直接サイト運営側に連絡を入れることが可能です。

なりすましアカウントのトップページの右上に表示される「(画像:tatesantenrider)」をタップし、「報告」をクリックします。

次に「私や他の利用者のなりすましをしている」を選択し、次いで「第三者」をタップします。

twitter なりすまし

すると、上記画像のページに移ります。それぞれ該当情報を入力してください。Twitter IDを入力する場合は、先頭に「@」を入れないとエラーになるので注意してください。

入力が完了したら「Twitterに報告する」をタップすれば、なりすまし報告は完了します。

この方法は、サイト運営側から本人確認の資料などの提出を求められる場合があります。ですが、問題のアカウントのプロフィールから短時間で手軽に通報ができる仕組みになっており、問題解決への第一歩となります。

受理されたら、Twitteは、報告されたアカウントを調査し、Twitterルールに違反しているかどうかを判断します。Twitterルールに違反している場合は、なりすましアカウントは削除されます。

 

なりすましと法律

Twitterに報告しても削除されないケースがあります。その場合は、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
実は、他にも方法があります。但し、なりすましの内容によって方法は異なってきます。それを知るためには、なりすましと法律の関係について知識を深める必要があります。

なりすまし自体を規制する法律はありませんが、その内容によって違法行為に当たる可能性があります。なりすます内容によって、以下に違反する可能性が考えられます。

名誉毀損

なりすまされた人物が、なりすまされたことで社会的評価が下げられる場合は、名誉毀損に該当する可能性があります。

なりすましアカウントが、「●●はキチガイで気持ち悪い!死ね!」と、他人を誹謗中傷するツイートをしたとします。その場合、なりすまされた人物は、「他人を誹謗中傷する人」という悪い印象になるとも言えます。それによりなりすまされた人物は社会的評価が低下するおそれがあるため、名誉毀損に該当する可能性が考えられます。

侮辱

なりすまされた人物が、なりすまされたことで、はずかしめられたり、見下され名誉を傷つけられたりした場合は、侮辱に当たる可能性があります。

例えば、Aさんになりすまして「私は無能」と投稿したとします。この場合Aさんは、はずかしめられたと考えられるため、侮辱に該当する可能性があります。

プライバシーの侵害

なりすまされた人物が、なりすまされたことで、他人に知られたくないような情報がみだりに第三者に公開された場合、プライバシーの侵害に該当する可能性があります。
他人に知られたくない情報は、住所や電話番号、年収、職歴等が挙げられるでしょう。

肖像権侵害

なりすまされた人物が、なりすまされたことで顔や身体を無断で公開された場合は、肖像権侵害に該当する可能性があります。

例えば、Twitterのサムネ画像に、なりすます人物の顔が分かる画像を無断で使用した場合等に肖像権侵害に当たる可能性が考えられます。

 

警察に通報

なりすましをされたら、警察に通報しようと考える方も少なくないのではないでしょうか。
ですが、警察はなりすましに対応してくれるとは限りません。警察は、民事不介入(警察は民事紛争に介入するべきではない、とする警察権の原則)のため、民事(犯罪には当たらない一般市民同士の争い)に対しては動きません。

前出の問われる罪のうち、「プライバシーの侵害」「肖像権侵害」は民事に当たるため、警察は動いてくれないでしょう。一方で「名誉毀損」「侮辱」は刑事(犯罪に当たる一般市民同士の争い)に該当するため、警察は動いてくれる可能性があります。

つまり、なりすましの内容によって警察が対応してくれるかどうかが左右されるのです。

 

弁護士に相談

では、「プライバシーの侵害」「肖像権侵害」の場合は、対処方法はないのでしょうか。

その場合は、弁護士に相談するという方法があります。弁護士に相談をすれば、相談者の状況に合わせて、なりすましアカウントを使用しているの人を特定する発信者情報開示請求や、損害金を請求出来る損害賠償請求等、法的処置を一任出来ます。

加害者を逮捕することは出来ませんが、なりすまし被害を解決に導いてくれることが期待出来ます。