現代ではインターネットを通じて、誰もが簡単に多くの情報を得ることができます。口コミサイト等から、普段人には聞けないような情報を入手する人も多いことでしょう。
この記事では、マンション等の不動産情報に特化した口コミサイト「マンションコミュニティ」における削除依頼方法についてお伝えします。
マンションコミュニティとは
マンションコミュニティと、「マンション購入検討者を応援するサイト」として、ミクル株式会社が立ち上げた口コミサイトです。
主に、新築分譲マンションの購入者・購入検討者が、実際の住み心地や販売の状況等の情報交換を目的に、マンションコミュニティを利用しています。
月間200万人ものユーザーが利用しており、この種の口コミサイトでは日本最大級です。
ユーザーは本名を名乗ることなく、匿名で利用することが可能です。登録することなく無料で書き込みができるため、気軽に利用することが出来ます。
不動産業者の自作自演・印象操作
マンションコミュニティは、マンションの購入を検討している人等が情報交換をするためのサイトですが、不動産業者による虚偽の投稿も見受けられます。というのも、マンションコミュニティに投稿されている情報がマンション売買の売り上げを大きく左右することを、不動産業者は知っているためです。
不動産業者は、自身が担当するマンションが売れるために事実と異なる、よい評価を自作自演でマンションコミュニティに書き込もケースが散見されます。
また、不動産業者は、競業他社の足を引っ張るために事実と異なる酷評を書き込むケースも少なくありません。例えば、「Aマンションの建っている土地は地盤が弱い。それにも関わらず、地盤補強工事が行われていないから、地震が来るとすごく揺れる」といったような書き込みです。このような投稿は、マンションの購入を妨げようとする意図が感じられます。
削除基準と利用規約
以上のような書き込みに対し、マンションコミュニティは何か対策をしているのでしょうか。マンションコミュニティでは、利用規約で以下の通り、投稿削除基準を定めています。
・当サイトに参加されておられる方が不快に感じられると判断するもの
・マンションの関係者であろうことや特定の投稿者を攻撃するもの
・2ちゃんねるでのやり取りを連想させるような表現、投稿内容
・ただの相づちだけで内容が無いもの
・個人、又は団体の名誉を著しく毀損しているもの
・倫理的観点から問題があるもの
・当サイト及び他の企業もしくは第三者に不利益を及ぼすもの
・当サイトの競合となる同等のサイトへのリンクがあるもの
・公序良俗に反しているもの
・著作権等知的所有権の侵害になるもの
・投稿の内容が、事実と著しく異なると判断できるもの
・故意・過失に問わず、各種法令に違反しているもの
・スレッドの内容と無関係な内容であると判断するもの
・スレッドが荒れてしまうと判断するもの
・「無料で広告できます板」以外での営業行為と判断されるもの
・物件購入の意志を妨げようとする悪意あるもの
・他の物件を批判するもの
・その他当サイトの方針に反するもの
・自作自演の可能性があるもの
・弊社または、管理人およびその代理に対しての公開質問または回答要求を添えた書き込み
・弊社または、管理人およびその代理との私信の公開
・レスに対して販売及び建設関係者であることを指摘するもの
引用元:https://www.e-mansion.co.jp/information/kiyaku.html
上記のうち、不動産業者による自作自演や印象操作等の虚偽の書き込みは、「当サイト及び他の企業もしくは第三者に不利益を及ぼすもの」「投稿の内容が、事実と著しく異なると判断できるもの」「自作自演の可能性があるもの」が該当する可能性があります。
そのため、マンションコミュニティの口コミに困っている不動産業者は、マンションコミュニティに削除依頼をすると、対応してくれる可能性があります。
自作自演・印象操作の違法性
印象操作や自作自演の投稿は、マンションコミュニティの規約違反だけでなく法的に違反している可能性が考えられます。不正競争防止法第2条21項で「嘘情報を流して、営業上の信用を損なう行為を禁止とする」といった内容の規定があるためです。
虚偽情報等で困っている不動産業者は、法的観点からしても、削除依頼した方がよいと言えるでしょう。
削除方法
不動産業者がマンションコミュニティに削除依頼をする際は、問題の書き込みの右下に表示される「削除依頼」から行います。「削除依頼」に進むと、下記画像のような削除依頼フォームが表示されます。
ぞれぞれの記入項目について説明していきます。
【お名前】
自身の名前、あるいは会社名を記入します。
【理由】
選択制になっています。削除をする理由に最も適したものを選択してください。
【お立場】
販売関係者を選択します。
その下の大きな空欄には削除依頼文を入力します。【理由】【お立場】に沿った削除依頼文を記入してください。例えば、以下の例文のように記入するとよいでしょう。
お世話になります。
〇〇(法人名)の〇〇と申します。マンションコミュニティのレス削除の件でご連絡申し上げました。この度、このレスの削除依頼に至った理由は、私への誹謗中傷を含むため(デマ・ガセネタなどを流したなど削除依頼の経緯を述べる) です。
この投稿内容の「〇〇」という部分はマンションコミュニティ利用規約の「・個人、又は団体の名誉を著しく毀損しているもの」に該当しています(どの規約に違反しているか)。
また、この内容をこのまま掲載し、不特定多数に公開を続けるのであれば、「名誉毀損」に該当し、法律に違反している恐れもあります。(違法性についても示唆)。
現在、この誹謗中傷により、精神的苦痛を受けており、弁護士を介した法的措置を検討中です。
削除のご検討の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
引用元:https://sakujo.or.jp/manshoncommunity-kakikomisakujyo/
最後に「最後依頼の内容を確認」をクリック・タップし、削除依頼は完了です。
なお、削除が実行されたかどうかについては、マンションコミュニティから通知は来ません。確認したい方は、自身で削除されたかどうかを目視で確認しましょう。
他の方法
マンションコミュニティは、削除依頼に対し「削除依頼には必ず目を通し、原則24時間以内に対応をとる」と表明しています。しかし、全ての削除に応じるとは限りません。
もし削除さない場合は、別の以下の方法を採るとよいでしょう。
【他の方法①】逆SEO
逆SEOとは、SEOの手法を逆手にとって、見られたくないけれど削除出来なかった(しなかった)サイトを相対的に検索の下位に表示させようとする手法のこと</span>をいいます。
逆SEOは、閲覧者を減らす狙いがあります。
【他の方法②】仮処分
仮処分とは、裁判をせずに勝訴(裁判で勝つこと)時と同じ状態を確保する手続きのことをいいます。仮処分が成立すると、裁判所からマンションコミュニティの運営者に対し、問題のある投稿の削除が命じられます。それに対し、マンションコミュニティの運営者は従わなければなりません。
スピーディーな解決が望まれるインターネット上のトラブルは、裁判より短期で判決が下される仮処分の方がオススメと言えるでしょう。
【他の方法③】発信者情報開示請求
発信者情報開示請求とは、プロバイダに対し、発信者の情報(住所・氏名・登録された電話番号等)の開示を求めることをいいます。
発信者情報開示請求は、投稿者を突き止めて、本人に削除してもらうこと等を目的に行います。
【関連記事】発信者情報開示請求をするための「条件」「流れ」「期間」を解説
弁護士に相談をすることも良策
以上の「逆SEO」はSEOの関する専門知識、「仮処分」「発信者情報開示請求」は法的手続が必要になるため、自身で行うのは非常に難しいです。
昨今は、インターネットネット上のトラブル解決を得意分野とする弁護士が頭角を現しています。ですので、インターネット上のトラブルに強い弁護士に相談をすることも良策と言えるでしょう。弁護士に相談をすれば、それぞれの問題に対し的確に応じてくれることが期待されます。