5ちゃんねる(5ch)のスレッド・レスを削除依頼する方法

 日本最大級の掲示板の5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)。キャッチフレーズは「『ハッキング』から『今晩のおかず』まで」で、幅広いテーマを通じてユーザー同士の交流がサイト上で行われています。

 しかし、匿名で利用できることで個人や、法人等の集団を誹謗中傷する書き込みは後を絶たず、問題視されることが多々あります。

 この記事では、もしもあなたが5ちゃんねるに嫌がらせや誹謗中傷する内容の書込みがされた場合の、スレッド・レスを削除する方法をお伝えします。

 

「2ちゃんねる」から「5ちゃんねる」へ名称変更

 5ちゃんねるは、2017年10月1日、旧名の「2ちゃんねる」から改名された掲示板サイトです。親しまれた「2ちゃんねる」の名称を変更するに至った理由は、サイト運営権をフィリピン法人のLOKI TECH ICNが取得したことにあります。

 改名と同時に、スレッド・レスの削除体制も刷新されました。とりわけ、個人に対する名誉毀損プライバシーの侵害に当たるスレッド・レスは、法的措置等がなくても迅速に対応されるようになっています。

 

5ちゃんねるの削除基準

 5ちゃんねるは、下記のようなスレッド・レスは削除すると明示しています。

・個人を特定するための個人情報
・名誉毀損(個人の社会的評価を低下させる事実を適示した場合)
・プライバシーの侵害(名前、住所、電話番号の公開等)
・平穏に生活する利益(爆破予告、殺害予告等)
・社会に害悪が生じる現実的危険性がある情報(爆弾を製造する方法,薬物の売買をうかがわせる情報)

 但し、上記の場合でも、当事者が政治家や芸能人、プロ活動をしている人物、有罪判決の出た犯罪者は、削除人(削除対応を行うスタッフ)が削除の必要があると判断しない限り、削除されません。

 また、スレッドの趣旨に関係する職業で責任問題の発生する人物、著作物・創作物・活動を販売または提供して対価を得ている人物、外部に何かの被害を与えた事象の当事者の場合、既に公開されてたり、公益性があったりり、事実として容認されていたりする情報は、基本的に削除の対象外です。

 なお、5ちゃんねるは誹謗中傷の書き込みの削除に尽力しているだけに、上記の他にも削除ルールを設けています。詳しくはコチラをご覧ください。

 

メールでの削除依頼がオススメ

 5ちゃんねるは、削除申請の専用メールアドレス「meiyokison@5ch.net」から削除依頼を受け付けています。警察に相談している最中でも、削除依頼は可能です。

 件名は「削除申し立て」と明記するのがベターです。
 メールの内容は以下のことを記載・添付しましょう。

①削除を希望するスレッドのURL(レスを削除希望する場合は、レス番号も記載する)
②削除を希望する理由
③ ②の根拠となる資料
④本人確認資料

 ①のスレッドのURLは、誤って「itest」というスマホ専用のサーバーのアドレスを記載する方が少なくありません。URL内に「itest」が入っている場合は誤りなので、正確なURLを記入しましょう。

 ②の削除を希望する理由は、「名誉毀損」や「プライバシーの侵害」等と記載しましょう。

 ④本人確認資料は、運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、パスポート、学生等が対象です。それを撮った画像を添付しましょう。

 メール以外にも、「削除要請フォーム」や、「削除整理フォーム」から削除依頼をすることも可能です。しかし、いずれも削除依頼文が、掲示板で公開されます。
 ですので、公開されない削除依頼用メールアドレスから削除依頼をすることをオススメします。

 なお、法人で削除依頼をする場合、匿名での申請は認められません。

 

削除対応の確認と「あぼーん」

 削除依頼をしたら、削除されたかどうか気になるでしょう。5ちゃんねるでは、削除対応されたレスは、「あぼーん」と表示されます。スレッドごと削除対応された場合は、スレッドタイトルとレスが「あぼーん」と表示されます。
 削除の確認したい方は、当該スレッド・レスが「あぼーん」と表示されているかどうかをチェックしてみてください。

 

削除されない場合の対処法

 削除依頼を行っても、必ず対応されるとは限りません。もし、削除されない場合はどのように対処すればよいのでしょうか。以下の方法を採ってみてださい。

【対処①】仮処分による削除

 仮処分とは、裁判をせずに勝訴(裁判で勝つこと)時と同じ状態を確保する手続きのことをいいます。仮処分が成立すると、裁判所から5ちゃんねるの運営側に対し、問題のあるスレッド・レスの削除が命じられます。運営者は、その命令に従わなければなりません。
 拡散される危険があるインターネット上のトラブルは、スピーディーな解決が望まれます。ですので、裁判より短期で判決が下される仮処分が行われるのが通例なのです。

 仮処分が認められた場合は、それが分かる資料を添付し、メールで削除依頼を行いましょう。

【詳細記事】仮処分とは?わかりやすく解説

【対処②】発信者情報開示請求

 発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法に基づいてインターネット上で他者を誹謗中傷するような表現を行った者の情報(住所・氏名・登録された電話番号等)の開示を求める手続のことをいいます。

 例えば、サイト運営者にIPアドレス(インターネット上の住所)の開示を求めることや、プロバイダに投稿者の情報の開示を求めること等が、発信情報開示請求に当たります。

 発信者情報開示請求で投稿者を突き止めることで、これまでの投稿の削除や損害賠償を通じて被害を救済し、将来生じる被害の防止を期待出来ます。

【関連記事】発信者情報開示請求をするための「条件」「流れ」「期間」を解説

 

弁護士に相談をすることも良策

 以上の「仮処分による削除」「発信者情報開示請求」は法的知識が必要になるため、自身で行うのは非常に難しいです。

 昨今は、インターネットネット上のトラブル解決を得意分野とする弁護士が頭角を現しています。ですので、インターネット上のトラブルに強い弁護士に相談をすることも良策と言えます。

 5ちゃんねるは、下記のように弁護士からの削除要求には積極的に対応することを明示しています。

・5ちゃんねるが,過去に受けた請求から、表現の自由を配慮したリーガルマインドを持った弁護士と認めた者からの請求については、正当な理由があるものについて、原則として対応するものとする。

引用元:https://5ch.net/

 5ちゃんねるの削除依頼については、弁護士に相談すると、スムーズに事が進むことが期待されます。

 また、弁護士に依頼をすれば、弁護士を介した削除依頼になるため、5ちゃんねるから本人確認を求められることがないため、身分証明書を提示する必要がなくなります。5ちゃんねるに身分証明書を提示したくないという方も、弁護士に依頼するのがよいでしょう。